東芝、2012年度決算は営業利益14%減の2,066億円

-'12年度は売上高6.4兆円に。映像事業も回復へ


 東芝は、2011年度(2011年4月~2012年3月)連結決算を発表した。連結売上高は前年比5%減の6兆1,003億円、営業利益は14%減の2,066億円、継続事業税引前純利益は22%減の1,524億円、当期純利益は47%減の737億円。

 売上高は、社会インフラ部門が増収となったものの、円高や震災、タイ洪水、市場環境悪化により、デジタルプロダクツ部門、電子デバイス部門を中心に減収となった。営業損益は電子デバイスと、社会インフラが増益だが、デジタルプロダクツの悪化などにより、減益になった。

 セグメント別では、デジタルプロダクツ部門の売上高が前年比13%減の1兆6,640億円、営業損益は571億円悪化し、282億円の赤字となった。テレビなどの映像事業が新興経済地域で伸張したが、国内のテレビ販売減、価格下落などで減収。さらに、パソコン事業も急激な円高や欧米の伸び悩みで減収となった。損益面ではパソコンはコスト削減の徹底などで増益だが、映像事業における国内の販売減、価格下落が響き悪化した。

 電子デバイスは売上高が前年比8%減の1兆6,163億円、営業利益は190億円増の902億円。メモリの販売増や、記憶装置事業のHDDを中心とした好調、液晶ディスプレイ事業改革などにより増益となった。社会インフラは前年比6%増の売上高2兆4,128億円、営業利益は同46億円増の1,342億円。電力・社会インフラシステム事業が、火力・水力発電システムを中心に好調で増収。家庭電器は売上高前年比4%減の5,768億円、営業利益が31億円減の57億円、その他が売上高3,269億円、営業利益29億円。

 2012年度見通しは、売上高が6兆4,000億円('11年度比2,997億円増)、営業損益3,000億円(同934億円増)、純利益1,350億円(同613億円増)。デジタルプロダクツ部門は売上高3%増の1兆7,100億円、営業損益は432億円回復で150億円の黒字を見込む。パソコン事業の堅調や、映像事業の改善施策効果を見込み、「部門全体として増収増益の見通し」とする。


(2012年 5月 8日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]