ソニー、「Music Unlimited」を日本で開始

-30日1,480円のクラウド音楽配信。PC/スマホ/PS3/Vita


Music Unlimited

 ソニーは3日、クラウド型の音楽配信サービス「Music Unlimited」を日本でも開始した。30日間1,480円で1,000万曲以上が聴き放題のサブスクリプション型のサービス。加入後最初の30日間は無料で体験できる。

 PCやスマートフォン、ゲーム機のPlayStation Vitaなどでも利用できる音楽配信サービスで、2010年12月の英国/アイルランドを皮切りに、アメリカやカナダなど既に16カ国でサービスを展開。新たに日本でもスタートする。

 利用にはクレジットカード情報が登録されたSony Entertainment NetworkのIDを使用。Sony Entertainment Networkのアカウントでは、映像配信サービス「Video Unlimited」や、撮影した動画・静止画をクラウド経由で共有できる「PlayMemories Online」などが利用できるが、そこに「Music Unlimited」も加わる事になる。

 コンテンツはEMIミュージック・ジャパン、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサル ミュージック合同会社、ワーナーミュージック・ジャパンなどの主要音楽会社や、多くのインディペンデントレーベルから、許諾を受けた楽曲を提供。今後も順次追加するという。サービス開始時点では洋楽中心のラインナップで、一部邦楽が提供されている。

 楽曲を検索して再生できるほか、ヒットチャートや音楽のジャンル・年代などでまとめた「チャンネル」も用意。楽曲を選べばストリーミングですぐに再生される。プレイリスト作成も可能。好きなアーティストを「マイチャンネル」に登録する事で、そのアーティストの曲を中心に、同じ曲調の様々な楽曲を集めたチャンネルを自動作成する機能も用意。曲に対して「好き/嫌い」を選択する事で、嗜好を学習。それに基づき、ユーザーが好むとおもわれる楽曲がお勧めされる。

 マルチデバイスに対応しているのも特徴。Windows XP/Vista/7のブラウザから利用できるほか、Android OS(Android 2.1以降対応)のスマートフォン/タブレット、Android OS搭載のウォークマン、PlayStation 3、PlayStation Vita、Mac OS 10.5以降でも利用可能。7月中旬以降に、ネットワーク対応の液晶テレビ・BRAVIA(2010年以降発売のモデル/HX80RとEX30Rシリーズは除く)や、ソニー製のBDプレーヤー「BDP-S380」、「BDP-S480」、ソニー製AVアンプ「TA-DA5700ES」に向けたサービスも開始予定となっている。

 なお、海外向けにはiPhone/iPod touch向けのアプリも提供されているが、日本でのサービス開始時には用意されていない。しかし「7月中旬以降にiPhone/iPod touch向けアプリを提供する予定」(ソニー)だという。

vitaでの利用イメージAndroidウォークマンでの利用イメージBRAVIAでも利用できる

 それぞれの機器において、同じSony Entertainment NetworkのIDでログインすれば、自分のプレイリストや、再生履歴などを、どの機器からも呼び出せ、音楽が楽しめる。

Sony Tabletで利用しているところPCからも利用可能Androidスマートフォンでも利用できる

 また、Androidのスマートフォン/ウォークマン、PS Vitaでは、プレイリストやチャンネル(Vitaのみ)を事前にキャッシュ指定しておく事で、端末にそれらに含まれる楽曲をダウンロード。インターネットに接続していない、オフライン状態でも再生できる。

 さらに、「Music Sync(ミュージックシンク)」機能も用意。ユーザーがPCなどに保存している楽曲やプレイリストを、「Music Unlimited」が提供しているクラウド上の楽曲と同期させるもので、同期した楽曲とそのリストは、クラウド上にあるユーザーの「マイライブラリ」に自動的に反映される。「マイライブラリ」にある楽曲には、どの対応機器からでも簡単にアクセスし、再生できる。ただし、著作権保護された楽曲の同期には非対応。



■PS Vita用アプリやAndroid向けアプリも公開

 これに合わせ、3日にはPS Vita用のアプリも無償公開された。編集部で確認した7月3日時点での最新バージョンは「1.02」。PlayStation Storeからダウンロードでき、30日間無料の利用権もPlayStation Storeからダウンロードする形となる。

 なお、この無料体験を利用した場合、自動チャージ(入金)設定が「入」になり、自動更新停止の手続きを行なわないと、自動的に次の期間から30日ごとに1,480円が課金される(利用するIDにおいて、クレジットカード情報の登録が必要)。

Vitaのアプリをダウンロードしたところ30日間の無料利用券をPlayStation Storeから取得無料体験をすると、自動更新がONになる

 タッチパネルを活かし、左右や上下のフリックでアルバムジャケットやアーティストの一覧表示などが操作可能。

起動時にPCでも利用できる事を説明する画面が表示されるメイン画面。各アルバムやチャンネルにアクセスできる楽曲を再生しているところ
下部のメニューを表示させたところチャンネル一覧。チャート式のチャンネルや、ジャズ、ダンス&ハウスなど、音楽のジャンル別のチャンネル、年代別、12音解析によるムード別のセレクション「SensMe」チャンネルも用意しているチャートを表示したところ

 楽曲を再生中にPSボタンを押してVitaのホーム画面に戻ると、音楽の再生は停止してしまう。しかし、オフライン再生用にダウンロードした楽曲は、ホーム画面に戻ってもそのまま再生されており、Webブラウザや、ツイッター用アプリ「LiveTweet」などを起動しても流れ続け、BGMとして利用できた。

プレイリストに登録したところオフライン指定したプレイリストの楽曲は端末側にダウンロードされ、無線LANなどを接続していない状態でも再生できるVitaではモバイルネットワークでも利用できるようだ

 さらに、Android向けアプリ「ミュージックアンリミテッド」も公開。モバイル向け、タブレット向けが用意されており、どちらも無料でダウンロードできる。

Androidスマートフォンで利用しているところ
Androidタブレット向けアプリも公開された

 PCで利用する場合は、Webブラウザで「munlimited.com/go」にアクセス。SENのIDを入力して利用する。メニューの名前はおおまかな使い方はVita用アプリと同じで、チャンネルやチャート、マイライブラリー、プレイリストなどを用意。Vitaで作成したプレイリストも共有できる。

PCのブラウザからアクセスしたところVitaで作成したプレイリストが、ブラウザ版からも利用できる

(2012年 7月 3日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]