JVC、遠隔操作可能なネット配信向けカメラ

-タブレットからパン・チルト。最大4台切り替え


左がパン・チルトが可能な「GV-LS2」、右が「GV-LS1」

 JVCケンウッドは、JVCブランドのライブストリーミングカメラ2機種を発売する。遠隔操作でのパン・チルトが可能な「GV-LS2」と、固定タイプの「GV-LS1」をラインナップし、発売時期と価格は「GV-LS2」が9月下旬で10万円前後、「GV-LS1」が10月下旬で6万円前後。

 どちらのモデルも、ネットワーク経由でタブレットやスマートフォンから制御できるカメラ。PCに向けて、撮影した映像を転送でき、そのPCからUstreamなどへ生配信が可能。niconicoに関しても、検証しているという。カメラマンがいなくても、LS2/LS1がカメラマンとして撮影を担当。出演者が手元のタブレットで撮影制御ができ、少人数で配信番組が作れる。

 【訂正】
 記事初出時、「Ustreamとniconicoなどへの生配信が可能」と記載しておりましたが、niconicoへの対応は現在検証中です。お詫びして訂正させていただきます(9月13日)。


 LS2はツインDD(ダイレクトドライブ)モーターも搭載。高速、かつ静粛なパン・チルト制御もでき、例えば複数の出演者がいる番組や、ライヴステージなどの収録で、撮影対象を変更したり、1人の動きを追いながら撮影するといった事も可能。レンズは光学10倍のズームタイプで、被写体に寄る事もできる。

「GV-LS2」はパン・チルトシステムの上にカメラが乗っているような構造で、これ全体を三脚に乗せる事も可能ツインDDモーターで、静かかつ高速なカメラ操作が可能
背面背面端子部

 LS1はパン・チルト機構を備えていないが、焦点距離24mmのワイドなレンズで撮影した映像から、任意の部分を切り出す機能を装備。切り出す際に、いきなり切り出した映像に切り替わるのではなく、まるで光学ズームレンズで寄っているような効果をしながら切り出す映像に変わるため、映像的にはパン・チルトや光学ズームをしているような絵が得られるのが特徴。また、LS1のみの特徴として、筐体がIPX3の防滴仕様となっている。

固定タイプの「GV-LS1」
LS2と同様に三脚の乗せる事もできる背後のパーツを外すと各種端子が現れる

 

 PCへ配信する場合は、MPEG-2 TS形式で、1,920×1,080/60i 最高5Mbps、もしくは720×480/60i 最高1Mbpsの映像を配信。それをネット配信などに活用できる。

 さらに、本体にSDHC/SDXC対応のSDメモリーカードスロットも用意。カードに動画を保存する事もできる。その場合はAVCHD形式となり、1,920×1,080/60iでの録画が可能。ビットレートは24Mbps/17Mbps/12Mbps/5Mbpsから選択できる。なお、カメラ本体での録画と、PCへの配信は同時にはできず、どちらかを選択する形となる。

 カメラ部の仕様として、LS2/LS1のどちらも、1,240万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンには、独自のFALCONBRIDを採用している。レンズが異なり、LS2はF1.2の広角29.5mm、光学10倍ズームレンズを装備。LS1は広角24.6mmのレンズを搭載している。

 ステレオマイクを備えているほか、外部マイク入力にも対応可能。カメラの脇に、LEDライトも備えており、暗所の撮影にも対応できる。

 どちらのモデルも、小型かつ高性能なWi-Fiモジュールを内蔵。制御用アプリをインストールしたiOSやAndroid端末と、Wi-Fiで直接接続し、制御が可能。間にルータをはさんで制御する事もでき、ルータに接続する場合はWPSで簡単に接続が可能。

カメラ部の横にLEDライトを装備タブレットから操作しているところ
制御アプリの画面。左の矢印で操作するほか、下部にポジション記録用のボタンを備えている(数字の1~4のボタン)。また、画面右に複数台のカメラが撮影している映像が表示され、これをタップすると制御するカメラを切り替えられる

 なお、ルータを使った場合は、1つのアプリから最大4台までのカメラ制御が可能。制御したいカメラの映像をアプリから選択し、制御する。アプリからは、矢印ボタンなどを使い、パン・チルト動作(LS1は擬似パン・チルト)が制御できるほか、4つまでのポジションを記憶する事も可能。カメラを任意の位置に合わせた上で、そのポジションを記憶させておく事で、ポジションボタンを押せば、すぐにそのアングル/ズームに戻る事ができる。

 外部バッテリでの動作も可能。ただし、LS1/2のカメラ部はバッテリ動作が可能だが、LS2のパン・チルト機構はDC電源が必要となる。

 外形寸法と重量は、LS2のカメラ部が73×90×48mm(幅×奥行き×高さ)で約229g、パンチルター部が128×108×113mm(同)で625g。LS1は73×90×48mm(同)で、約179g。



(2012年 9月 13日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]