ピクセラ、Windows 8の新UI対応のデジタルTVチューナ

無線LAN経由でテレビ視聴。録画も対応。Androidでも


3波デジタルテレビチューナユニット「PIX-BR320」。縦置き、横置き両対応

 ピクセラは24日、Windows 8向けの3波デジタルテレビチューナユニット「PIX-BR320」を発表した。11月初旬発売予定で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は18,000円前後。

 Windows 8の新しいユーザーインターフェイスに対応したTVチューナで、無線LAN経由でPCと接続し、テレビを視聴できる。また、チューナに別途用意したUSB HDDを接続すれば、録画も可能。3波ダブルチューナを搭載しており、裏番組録画にも対応する。ただし、録画機能は販売開始当初は搭載しておらず、12月中旬頃のアップデートで対応予定。無料でアップデートできる。

 また、このチューナと連携できるAndroid用視聴アプリも12月に有料でGoogle Playより販売予定。アプリをインストールしたAndroidタブレットやスマートフォンと「PIX-BR320」を無線LAN接続する事で、テレビが視聴できるようになる。アプリの価格は未定。Android向けのチューナとして、改めてチューナをパッケージ販売する予定もあり、そのパッケージの価格も考慮しながら今後決定するという。また、iOS版のアプリに関しては「この製品では現在のところ予定は無い」とのこと。


タブレットスタイルのWindows 8端末と連携しているところ発表会場では、Android端末向けのアプリも参考展示された



■Windows 8 UIに対応し、直感的な操作が可能

 チューナユニットとスマートフォン/タブレットを無線LAN接続し、デジタル放送を視聴する製品として、ソフトバンクBBから「SoftBank SELECTION」の「録画対応デジタルTVチューナー」(SB-TV03-WFRC)が、iPhone/iPad向けに販売されている。このチューナや、iOS向けの視聴アプリなどの開発を手掛けているのはピクセラであり、今回の「PIX-BR320」は、同様の連携方法で、iPhone/iPadではなく、Windows 8端末でテレビを楽しむ製品となる。

3波デジタルテレビチューナユニット「PIX-BR320」背面端子部分ソフトバンクBBから既に発売されている「SoftBank SELECTION 録画対応デジタルTVチューナー」(SB-TV03-WFRC)

 最大の特徴は、Windows 8に採用された、タブレット端末などに向けた新しいインターフェイスに視聴アプリ「StationTV」が対応している事。このアプリはWindowsストアから無料でダウンロードでき、メニュー表示や選局、全画面表示への切り替えなどをタッチ操作で直感的にできる。

Windows 8の新しいインターフェイスに対応。中央上にあるテレビのマークをタップすると、視聴アプリ「StationTV」が表示されるチューナと無線LAN接続している画面視聴中の画面。右側にお好みでテレビ局へのダイレクト選局ボタンを登録できる

 よく使う放送局へダイレクトに選局できるアイコンを、テレビ画面の横に表示しておく「お好みチャンネル」機能も搭載。また、Windows 8のインターフェイスの操作方法に合わせ、テレビ表示画面を小さくして、Webブラウザなど、他のアプリと二画面表示する事も可能。これはWindows 8の機能で「スナップビュー」と呼ばれるもので、表示面積は、テレビ画面を大きめ、他のアプリを小さめにしたり、その逆にする事も可能。

 アプリ自体にテレビ番組表機能は備えていないが、前述の通りWebブラウザでEPG情報サイトにアクセスできるほか、iEPGにも対応。12月に録画機能が追加されれば、EPGサイトから予約録画が可能になる。また、iCommandにも対応しており、外出先などからのリモート録画予約もサポートする。

別のアプリと2画面表示も可能。表示領域のサイズも変更できるチューナから映像伝送、画質は3モードから選択できる

 セットアップをわかりやすくするために、アプリにはケーブルの接続方法や、無線LANの設定方法を説明した画面も収録。マニュアルを読まなくてもセットアップできるようになっている。

 なお、今回の製品は、Windows 8で採用された新しいUIから利用するタイプになっており、従来のWindowsのデスクトップモードでテレビを視聴するためのアプリケーションは用意していない。

画面右側に設定バーが表示される録画に対応した際の、録画番組再生メニューのイメージ

 動作環境として、対応OSはWindows 8/8 Pro。CPUは最低でCore 2 Duo 2.0GHzまたは同等以上の互換CPU、推奨はCore i5または同等以上の互換CPU。メモリは2GB以上。インストールに必要なストレージ容量は150MB以上。独立したディスプレイを使用する場合は、HDCP対応ディスプレイにHDMI/DisplayPort/DVI接続する必要がある。その他の条件はピクセラのサイトを参照のこと。

 チューナは地上/BS/110度CSデジタルを各2基搭載。録画機能追加時には、裏番組録画が可能だが、2番組の同時録画には対応しない。USB端子を備えており、別途USB HDDを接続し、そこにDR録画する。利用できるHDDの容量は最大2TB。

 なお、チューナユニットで受信したデジタル放送は、トランスコードされ、720p映像でWindows 8端末に送信される。接続は端末とチューナ1対1で、複数端末への同時配信はできない。

 チューナに搭載している無線LAN機能は、IEEE 802.11a/b/g/nに対応し、2.4GHz帯と5.2GHz帯の両方をサポート。チューナとWindows 8端末の接続方法として、ダイレクトで接続する「スタンドアローンモード」と、チューナとルータをLANケーブルで接続する「APモード」、チューナとWindows 8端末がそれぞれ無線LANでルータに接続する「STモード」が選択できる。

 チューナユニットは縦置き、横置きのどちらにも対応し、スタンドも付属。スタンド無しでの外形寸法は、約170×150×35mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約310g。



■若者のテレビ離れに、“身近なスマホ/タブレットでのテレビ視聴”を

執行役員の荻猛営業本部長

 執行役員の荻猛営業本部長は、PC用のテレビキャプチャボードや、デジタル放送向け3波チューナボード、低価格の地デジチューナなど、ピクセラがこれまで手掛けてきた製品を振り返りながら、PCでのテレビ視聴や、デジタル放送の再暗号化、無線LAN転送、長時間録画など、テレビ関連の様々な技術を蓄積してきた事を紹介。

 「そうした技術を結集して開発したのが、SoftBank SELECTIONのデジタルTVチューナーであり、今回のモデルは、その姉妹製品と呼べるもの。昨今、若者のテレビ離れ等が叫ばれているが、こういった製品でテレビを身近なスマートフォンやタブレットで再生する環境を提供できる。今後もピクセラブランドの製品で、テレビ関連の事業をさらに推進していきたい」と語った。



(2012年 10月 24日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]