ニュース
JBL、11年を経て進化したスタジオモニター最上位「4369」。Summitの技術も投入
2026年2月10日 07:10
ハーマンインターナショナルは、JBLのスタジオモニタースピーカー最上位モデル「MODEL 4369」を3月末に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は1台176万円。
以前の最上位MODEL「4367」から11年を経て進化。大口径ウーファーとコンプレッションドライバーを組み合わせた2ウェイ構成という伝統は維持しつつ、Summitシリーズの開発で培った技術も多く投入。さらに、4369から筐体が大型化しているのも特徴となる。
ユニット構成は2ウェイで、15インチ(380mm)の「2219N Differential Drive」ウーファーと、「D2830B D2コンプレッションドライバー + HDIホーン」を組み合わせている。
ウーファーの2219Ndには、JBLの特許技術Differential Drive構造を採用。3インチ(75mm)のデュアルボイスコイルを搭載している。
これは、1つのボビンに対して、ボイスコイルが2つ搭載することで、駆動力が増す。さらに、ボイスコイルに対してギャップの重心位置を、あえてズラしている。こうする事で、激しく振幅した時に、片方がギャップから外れても、もう片方はギャップの中にいるカタチになる。
振動板はピュアパルプコーン。コッパーキャップとショートリングを組み合わせることで交流インダクタンスを低減し、歪みを抑制。中域の明瞭度を向上させ、クロスオーバー帯域での挙動もより正確になっている。コルゲーションやエッジも改良されている。
モーターはFEA(有限要素解析)を用いて徹底的に最適化する事で、従来モデル比で最大50%の振幅性能向上を実現。さらに、前モデルのウーファーからの大きな進化として、ダンパーを1枚から、2枚に増やしたデュアルダンパー構造を採用。直進性に優れ、高エクスカーション時に発生する非線形歪みを相殺している。
ウーファーのキャストアルミフレームも、デュアルダンパー構造になったことで、奥行き方向に長くなった。さらに、通気性を向上させるために、空気が通る穴を増加。磁気回路の発熱を空冷で効率的に冷却。高い耐久性と、 ウーファー本来の性能を最大限に引き出す安定した動作が可能という。
高域用のD2830B D2コンプレッションドライバーは、超軽量のTeonex製リング振動板を2枚採用。それぞれの振動板に、独立したボイスコイルとネオジム磁気回路を搭載し、向かい合わせで配置。形状を追求した溝を備えたフェーズプラグで、放出された音を集約し、Sonoglass製High Definition Imaging(HDI)ホーンと組み合わせて放出する。
この構造により、従来の3インチ振動板と同等の放射面積を確保しつつ、質量とモーターフォース比を大幅に低減。高域出力を強化し、高域特性もより滑らかになっている。
ネットワーク部分には、従来の大型コンデンサーを多数の小型コンデンサーに置き換えることで、ESR(等価直列抵抗)を低減し、機械的動作におけるエネルギーロスを減少さたMULTICAPデザイン。ドライバーへの信号伝達量が向上し、許容入力の増大、ダイナミクスの改善、超低歪み、高い明瞭度を実現させた。
筐体はウォルナット仕上げ。25mm厚のMDFで構成しているほか、フロント下部には16mmのサブバッフルを追加。合計約4cm厚の堅牢な構造となり、ウーファーをしっかりと支えている。キャビネット全体のサイズは4367の約1.5倍になっている。
内部には、上下方向のパネルすべてを結ぶように2本の補強ブレースを配置し、剛性を高めている。これにより、不要な共振を抑え、カラレーションを排除。音の純度を損なうことなく再生できるとする。
さらに、キャビネットのサイズとアスペクト比を最適化することで、コンプレッションドライバーがリスナーの耳の高さと一致するよう配置。スピーカーの下にスタンドを置かずに済み、使い勝手が向上。
フロントバスレフ方式で、バスレフポートは前面に2つ搭載。モニタースピーカーとして、壁の近くにも設置しやすい構造になっている。
脚部には、Summitシリーズにも採用されたIsoAcousticsのアイソレートションフィートを搭載。横方向の動きを抑え、振動を効果的に減衰させる設計で、床面から生じる反射を大幅に低減。よりクリアで正確なサウンドになるという。
背面には、金メッキ仕上げのスピーカーターミナルを搭載し、バイアンプやバイワイヤー接続に対応。大口径ジャンパーバーも付属する。
音を聴いてみる
JBLのモニタースピーカーという事で、ジャズを中心に試聴。「石川紅奈 / Off The Wall」や「Ulysses Owens Jr./Sticks」を聴いた。
15インチウーファーかつ、大型化した筐体により、アコースティックベースやドラムの低音の迫力は圧倒的。深く沈むだけでなく、肺を圧迫されるような音圧の豊かさと、ベースの弦の動きまで細かく見えるキレ味の良さが同居している。
デュアルボイスコイルの駆動力の強さに加え、それらを保持するアルミフレームや、筐体全体の剛性の高さにも手を抜いていないからこその低音だろう。筐体の体積が大きいため、これだけの低音を出していても、まだ余裕を感じさせる。
この低音に負けない、D2830B D2コンプレッションドライバー + HDIホーンの高域もクオリティが高い。音像がしっかりと前へ出て、グッと眼の前に迫ると同時に、その音が色付けがなく、極めてナチュラル。パワフルでハイスピードながら、音の質感も伝わる丁寧さを兼ね備えている。
個人的にSummitシリーズは“優等生的な美音”という印象を持っているが、4369は少し傾向が異なり、JBLモニタースピーカーらしい、鳴りっぷりの良さ、音が前にグッと出る“熱さ”といった、JBLらしい個性を感じさせる。かといって、なつかしい音ではなく、音の解像度の高さ、色付けの少なさ、スピード感は最新スピーカーとしてのクオリティを持つ。伝統と革新が同居したサウンドだ。
「AUDIO FESTA in NAGOYA 2026」に出展
なお、この製品は2月14日、15日の2日間、名古屋コンベンションホール(愛知県名古屋市)で開催される「AUDIO FESTA in NAGOYA 2026」に出展され、デモも行なわれる。AUDIO FESTA in NAGOYA 2026の入場には事前予約が必要。詳細はイベントの公式サイトにて。




















