Sony、新4Kシネマカメラや4K/30型マスモニ発表

4K/60pのXAVCフォーマット。4Kエコシステム構築


4K対応の新シネマカメラ「PMW-F55」

 Sonyは30日、海外で4K対応の新シネマカメラ「PMW-F55」や、30型/4K解像度の液晶マスターモニタ「PVM-X300」、4K/60p撮影が可能なオープンフォーマット「XAVC」などを発表。これらを組み合わせた「4Kエコシステム」を紹介している。

 なお、これらの製品は11月14日~16日まで、幕張メッセで開催される「2012国際放送機器展(Inter BEE 2012)」にも出展される見込み。




■4Kカメラ関係

 CineAltaシリーズの「PMW-F5」と「PMW-F55」は、どちらもSuper35mm、解像度4,096×2,160ドット、総画素1,160万画素のイメージセンサーを搭載。F5は2Kまで、F55は4Kの撮影に対応する。

 コーデックは新しいXAVCに加え、MPEG-4 AVC/H.264、SRコーデック(MPEG-4 SStP)、XDCAM 50Mbps 4:2:2などに対応。記録メディアの「SxS PRO+(Plus)」に、F55を使い、4K/60p/4:2:2 10-bit XAVCなどで記録する事が可能。RAW形式での記録が可能なレコーディングユニット「AXS-R5」を接続する事で、F55で240fps、F5で120fpsのスロー撮影もできる。このユニットは、AXSM memory cardと呼ばれるメディア(512GB/AXS-512S24)に記録する。

 レンズはPLマウント。ハンドルやモニタ、ビューファインダなどが本体から分離できるモジュラータイプの製品になっているのが特徴で、様々なパーツを付け替えて利用可能。有機ELビューファインダーの「DVF-EL100」や、液晶の「DVF-L350」、7インチの液晶モニタ「DVF-L700」などが用意されている。

 アジア太平洋地域での発売は、2013年2月の予定。

「PMW-F5」ハンドルやモニタ、ビューファインダなどが本体から分離できるモジュラータイプになっている
左がNEX-FS700、右がインターフェイスユニット「HXR-IFR5」

 また、既に発売を開始している、Eマウントを採用し、総画素数1,160万画素の“Exmor” Super35 CMOSセンサーを搭載した「NEX-FS700」について、4KのRAW記録に対応するためのインターフェイスユニット「HXR-IFR5」を開発している事を発表。このユニットとNEX-FS700を3G/HD-SDIで接続。前述のレコーディングユニット「AXS-R5」で4K RAWデータが記録できるという。

 HXR-IFR5と、NEX-FS700の対応ファームウェアのアップグレードの時期は、アジア太平洋地域で2013年4月~6月の間に提供開始する予定。




■4Kマスターモニタ

「PVM-X300」

 「PVM-X300」は、30型、解像度4,096×2,160ドットの液晶マスターモニタ。3G/HD-SDI ×4、HDMI×4、DisplayPort×2の入力を備え、1本のHDMIケーブルで、4,096×2,160/24pや、3,840×2,160ドット、24/25/30pの伝送が可能。また、前述の4Kカメラ「PMW-F55」と接続する時は、HDMIケーブル1本で4,096×2,160/60pを伝送する事もできる。フルHD映像を1画面に4つ表示する事も可能。

 IPSパネルで広い視野角を持ち、RGB 10bitパネルを採用。ITU-R BT.709の色空間表示に対応する。

 なお、背面に「SxS 4K Player」をオプションで追加でき、SxS PRO+メディアに保存したXAVC 4Kの4K映像を再生・表示する事もできる。アジア太平洋地域でのモニタの発売時期は、2013年2月以降の予定。




■4K対応新フォーマットのXAVC

XAVCロゴ

 これらの機器が対応しているのが、4K(4,096×2,160/3,840×2,160ドット)に対応し、HD解像度のプロキシ映像をサポートした新フォーマット・XAVC。圧縮方式はMPEG-4 AVC/H.264を使用。色深度は12/10/8bitに対応。フレームレートは最大60fps。カラーサンプリングは4:4:4、4:2:2、4:2:0。ファイル形式はMXF。

 他のメーカーにもライセンスプログラムを提供するオープンなフォーマットとして開発されており、14のメーカーが対応を計画。Avid、Final Cut Pro X、Grass Valley、Quantel、Rovi、Sony Vegas Pro 12などがノンリニア編集で対応するという。



(2012年 10月 31日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]