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キヤノン、HD CMOS PRO搭載ビデオカメラ「G20」

感度向上。カスタム機能やレンズフードも強化

iVIS HF G20

 キヤノンは、ビデオカメラ「iVIS HF G20」を2月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は108,000円。内蔵メモリは32GB。

 「HF G10」の後継モデル。1/3型有効画素数約207万画素(総画素約237万画素)の「キヤノン HD CMOS PRO」を単板で搭載しているのは従来モデルと同じだが、光の透過率を改善する事で、20%の感度向上を実現。最低照度は1.2ルクス(1/30秒時)。フォトダイオードの改善により、ダイナミックレンジも広がり、階調表現力もアップしたという。

基本的なデザインはG10と同じ
ハネ上げ式のレンズバリアも内蔵した大型レンズフードが付属する

 レンズは光学10倍ズーム「キヤノン HDビデオレンズ」で、F値はF1.8~2.8、絞りは8枚羽根の虹彩絞り。焦点距離は35mm判換算で、30.4~304mm。最至近撮影距離は、ズーム全域で60cmを実現している。

 ズームと手ブレ補正を同時に制御するレンズ群が3次元でリアルタイムに動くメカ機構により、広角化と小型化の両立やレンズ駆動音の静音化を実現。手振れ補正は、歩き撮りでの手ブレ抑制に効果的な「ダイナミックモード」、望遠撮影時の手ブレを軽減する「パワードIS」などを装備する。

 新モデルではこのレンズ取り付けられる大型レンズフードを同梱。ハネ上げ式のレンズバリアも内蔵しており、レンズキャップ着脱が不要になっている。

 また、0.24型、約26万画素のビューファインダーも搭載。そこに業務用機XA10と同じ、大型アイカップを装備。外光をカットし、屋外でも映像をしっかり確認できるという。

 なお、液晶モニタは3.5型、約92.2万画素で、液晶モニタとビューファインダーの同時出力にも対応している。

上から見たところ
液晶モニタは3.5型
大型アイカップ装備のビューファインダーを備えている

 手ブレ補正機能としては、撮影シーンを自動で判別し、最適な手ブレ補正モードを適用してくれる「マルチシーンIS」を搭載。撮影場面に合ったモードを選ぶことで、簡単にオーディオ収録の設定が可能な「オーディオシーンセレクト」も搭載。スタンダード、音楽、スピーチ、森と野鳥、ノイズカットから選択できる。



従来モデルから踏襲している特徴

 映像エンジンは「DIGIC DV III」。明暗差のあるシーンで、白トビや黒つぶれを抑えて撮影する「オートダイナミックレンジコントロール」機能を搭載。音声面では、高品位なマイクエレメントを内蔵する事で、業務用機に迫る音質で録画ができるという。

 マニュアル機能も豊富に用意しており、絞り値とシャッタースピードを独立設定可能。背景モニターも表示でき、タッチパネル以外にも、カスタムダイヤルで各種設定が変更できる。被写界深度のコントロールや、安定した露出レベルでの撮影を可能にするという。
 レンズの外周には大型フォーカスリングを装備。回転方向、リングレスポンスをカスタムする事もできる。後部のカスタムキーにはよく使う機能を割り当てられ、カスタムダイヤルで素早く調整が可能。

 なお、カスタム機能において、G10では初期設定でパワードIS(望遠時の手ブレ補正機能)が割り当てられていたボタンを、プレREC(撮影開始の数秒前から録画開始)に変更。これは、シーンに合わせて、IS機能が自動で切り替わるため。また、G20ではカスタムキーの項目にマイクレベル調整を追加している。

 他にも、顔検出AFや、顔追尾機能、顔が検知された場合だけフォーカスと露出を合わせる「フェイスオンリーAF」などを搭載。暗いシーンの撮影時に感度の上限値を設定する「AGCリミット」、フォーカス合わせに使える「カラーピーキング」、「ゼブラパターン」の表示や、カラーバーとテストトーン表示なども行なえる。

 内蔵マイクの指向性切り替えや、周波数特性切り替えも可能。撮影シーンを選ぶだけで、ベストな設定を行なう「オーディオシーンセレクト」も搭載。マイクアッテネータを自動制御する事で、様々な環境下で最適な音量で収録するための「オートマイクアッテネータ」も利用できる。

SDカードのダブルスロットを装備する

 内蔵メモリは32GBで、SDHC/SDXCカードを2スロットを装備し、同時記録やリレー記録にも対応。AVCHDで、1,920×1,080ドットでMXP(約24Mbps)、FXP(約17Mbps)、1,440×1,080ドットでXP+(約12Mbps)、SP(約7Mbps)、LP(約5Mbps)の記録が可能。フレームレートは1080/60i、30pに加え、ネィティブ24p(23.98fps)記録にも対応する。

 外形寸法は77×161×78mm(幅×奥行き×高さ、レンズフード、グリップベルト含まず)、重量は575g(本体のみ)/約620g(撮影総重量)。

(山崎健太郎)