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台湾で、日本ドラマの海賊版DVD製造拠点を現地警察が初摘発

「TOKYO日劇」のオークション出品画面(2013年3月時点)

 日本のドラマを海賊版DVDで販売していた台湾の工場が12日、初めて摘発された。コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が18日に発表した。

 摘発されたのは、台湾の大手オークションサイト「露天拍賣」において、日本ドラマの海賊版DVDを専門的に販売していた「TOKYO日劇」。

 CODAが台湾著作権保護基金会(TFACT)とともに「TOKYO日劇」を調査したところ、台中市の夜市で実店舗を構える「逢甲日劇」との繋がりが判明。台湾電信警察隊第2中隊に取り締まりを要請した。日本ドラマの海賊版の製造拠点が摘発されたのは初めてで、台湾のオークションサイトにおいて日本ドラマの海賊版販売が摘発されたのも今回が初だという。

 取り締まりと同日に行なわれた店舗の家宅捜索では、1,781枚の海賊版DVDが押収されたほか、店主の女性の自宅からも99枚の海賊版DVDを押収。海賊版の製造工場兼倉庫として使われていたマンションの一室からは、5,497枚の海賊版DVDやデュプリケータ(DVD複製機)、パソコン、プリンタなどが押収され、「逢甲日劇」の店主の女性1人と協力者の女性1人が逮捕された。

 「TOKYO日劇」のオークションにおける日本ドラマの海賊版販売は、実店舗の取り締まりが強化されていた2012年1月から活発化。取り締まりが行なわれた時点では、1枚当たり100台湾ドル(約300円)で出品されていた。

 2012年11月に、海賊版の拠点とされていた台北市の「光華商場」における一斉取り締まりが行なわれた際、「逢甲日劇」は店舗での営業を停止。しかし、翌12月より夜間のみ営業するスタイルで店舗での販売も再開していたという。

 オークションサイトの「露天拍賣」は、台湾国内ではYahoo! に次いで利用者数が多く、日本コンテンツについては、台湾国内で最も出品数が多いオークションサイトだという。取り締まり以前にTFACTが行なった調査によれば、「露天拍賣」では日本コンテンツの海賊版を出品する約120のアカウントが確認されている。

海賊版販売店「逢甲日劇」
製造拠点に保管された海賊版DVD
押収されたDVD複製機

(中林暁)