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DeNA、SNS内蔵音楽プレーヤーアプリ「Groovy」

99円で17曲フル再生。タイムラインで交流

左からソーシャルプラットフォーム事業本部 事業開発室 島田智行室長、守安功社長

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は28日、SNS機能も備えたAndroid向けの音楽プレーヤーアプリ「Groovy」(グルーヴィー)をGoogle Playで公開した。無料でダウンロードでき、ユーザーが既に持っている楽曲ファイルが再生できるほか、このアプリ向けに有料音楽配信サービスも展開。レコード会社など39社が参画し、100万曲以上をラインナップしている。iOS向けアプリも予定されている。

 Android OS 2.3以上に対応したプレーヤーアプリ。Android端末内の楽曲を再生するアプリとして利用できるほか、音楽配信サービスにも手軽にアクセス可能。販売している楽曲を、無料で45秒間試聴でき、気に入れば1曲150円~200円など(楽曲によって異なる)を支払い、ダウンロード購入できる。ダウンロード楽曲のファイル形式はMPEG-4 AAC-LC 320kbpsで、DRMフリー形式。クレジットカード、キャリア決済が利用できる。月額料金などは無い。

Groovyを起動したところ。画像をふんだんに使ったプレーヤーになっている

 さらに、試聴は無料の45秒間ではなく、1曲全てを聴く事も可能。その際は「プレイチケット」と呼ばれる専用のチケットを支払う事で、1曲をフルで、1回だけ再生できる。このチケットはGroovyに入会すると10枚貰えるほか、17枚を99円でアプリ内販売。1回しか再生はできないが、ダウンロード購入するよりも手軽に新しい音楽が楽しめる。なお、ダウンロード購入とは異なり、試聴/フル再生はストリーミングのみ。形式はMPEG-4 AAC Plus(HE-AAC) 64kbpsとなる。

 ダウンロード、ストリーミングの両方に対応している事から、同社では「ハイブリッド型音楽配信」と名付けている。

SNSを使って音楽と出会う「ミュージック・インタレストグラフ」

 グラフィカルなUIを採用しているのが特徴で、楽曲選択時にアルバムモードを選ぶとアルバムジャケットが表示されるが、それと同様に、アーティストモードでは、アーティストの最新写真が表示される。

 また、再生中に、歌詞表示も可能。歌詞は90万曲分用意されており、「リクエストに応じてさらに増やしていこうと考えている」(ソーシャルプラットフォーム事業本部 事業開発室 島田智行室長)とのこと。

音楽を再生している画面
歌詞も表示できる

 Groovyで音楽配信していない、ユーザーが持っている楽曲も再生可能(DRM付きファイルを除く)。アーティストやアルバムのビジュアルは、Groovy配信楽曲でなくても、マッチするものがあれば表示される。

 さらに、SNS機能を活用した「ミュージック・インタレストグラフ」を内包しているのが特徴。新しい音楽や、他のユーザーと出会う事を目的としており、例えば、Aというアーティストの楽曲を繰り返し再生していると、自動的に「Aのファン」と認識され、同じように「Aのファン」である他のユーザーと交流できる「Aのファンページ」にアクセスできる。

 ファンページでは、同じようにファンになっている他ユーザーが表示されるほか、ユーザーが書き込んだ「Aの新曲、気に入った」などのコメントを読む事もできる。また、「Aのこの曲が好き」などのコメントと共に、Groovyで配信している楽曲へのリンクを貼り付ける事も可能。他のユーザーは、そのリンク先から無料試聴、1曲フル再生、ダウンロード購入のいずれかで、音楽を楽しむ事ができる。

 ユーザー自身のタイムラインも存在し、そこに「Aの新譜がGroovyで配信開始」といった情報も流れる。

アーティストのファンページ
タイムライン上では、フォローしているユーザーの動向が表示される
コメント投稿時に、Groovyで配信している楽曲へのリンクを貼る事ができる

 さらに、気になるユーザーを見つけた場合は、そのユーザーのプロフィールをチェック。どんな曲を聴いているかなどを見る事ができ、気に入った場合は、Twitterのようにフォローする事ができる。フォローしたユーザーの情報は、前述のタイムラインに表示されるようになり、そのユーザーが現在、何を聴いているかといった情報も流れる。

無料の45秒試聴か、1曲を1回フル再生、ダウンロード販売から選べる
気になるユーザーのページを見る事も可能。ここから他のユーザーをフォローできる
プレイチケットは新規入会すると10枚貰える

 これを繰り返す事で、好みの曲に次々と出会えるほか、同じような音楽的趣味を持つユーザーと気軽に出会えるようになるという。

 なお、GroovyにはTwitterやFacebookのアカウントでログインする事もでき、既にこれらのSNSで交流している友達をGroovyに誘ったり、既にGroovyを使っている友人を探してフォローする事も可能。「次のフェーズでは、Groovyのタイムラインに投稿すると、TwitterやFacebookにも同じものを投稿できるような機能も実現していきたい」(島田室長)という。

「新しいヒット曲やアーティストを生み出すサービスへ」

守安功社長
島田室長

 DeNAの守安功社長は、Groovyの特徴として「まず音楽プレーヤーとして魅力的なものであり、その上で、好きな曲、好みにマッチする曲がどんどん集まる」と、ミュージック・インタレストグラフ機能を説明。

 さらに、再生は1回のみとなるが、ダウンロード購入よりも低価格に楽曲が楽しめるストリーミングのフル再生機能を設けた事で、幅広い層に向け、音楽にお金を支払い、オンライン経由で再生するという体験のハードルを下げる狙いもあるという。

 島田室長は、定額制聴き放題のサブスクリプション形式のサービスにしなかった理由として、「聴いても聴かなくてもお金をとられるよりも、気に入った曲だけにお金を払う方が満足度が高いという調査結果もある」と説明。ユーザー同士の交流が活発化していく事で、「ここから新しいヒット曲やアーティストを生み出すようなサービスにしていきたい」と意気込みを語った。

 参加レコード会社および音源提供会社

  • アップフロントワークス
  • アミューズ
  • EMIミュージック・ジャパン
  • イーライセンス
  • エイベックス・マーケティング
  • A-Sketch
  • エグジットチューンズ
  • ガルル・レコード
  • キングレコード
  • KSR
  • シンコーミュージック・エンタテイメント
  • スクウェア・エニックス
  • スペースシャワーネットワーク
  • SMOOTHNOTES PUBLISHING
  • ソニー・ミュージックエンタテインメント
  • チューンコアジャパン
  • テイチクエンタテインメント
  • デンジャー・クルー・エンタテインメント
  • トイズファクトリー
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • ドリーミュージック
  • ナクソス・ジャパン
  • 日本クラウン
  • 日本コロムビア
  • バップ
  • ビーイング
  • BMP Broken Music Publishing
  • ビートインク
  • ビクターエンタテインメント
  • ヒップランドミュージックコーポレーション
  • ポニーキャニオン
  • メディアファクトリー
  • ヤマハミュージックコミュニケーションズ
  • ヤマハミュージックパブリッシング
  • ユニバーサル ミュージック合同会社
  • ライツスケール
  • ランティス
  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 渡辺音楽出版

(山崎健太郎)