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ソニー、エンタテインメント事業の分離提案を拒否

「100%所有がソニーの今後の成功に向けて重要」

 ソニーは6日、大株主のサードポイント LLCからエンタテインメント部門の分離と株式上場を求められていた件にいて、同部門を今後も100%所有し続けるという取締役会全会一致の決議に基づき、返信書簡を発信した。

 ソニーでは、「エンタテインメント事業を100%所有し続けることがソニーの今後の成功に向けて大変重要であり、ライツオファリングや公募による同事業の株式公開は、持続的な収益力の強化及び株主価値の向上を達成するためのソニーの戦略と相容れない」と拒否の理由を説明している

 さらに、「コンテンツの需要そしてその価値は、新たな配信プラットフォームの出現、高性能なモバイル端末、ブロードバンドへのアクセスの普及、といった業界・事業構造のダイナミックな変化の中、さらに増大している。ソニーは、エンタテインメント事業がこのトレンドから今後ますます利益を享受できると考えており、一部にとどまらず全て所有することこそが当社の株主の皆様の共同の利益にもなる。エンタテインメント事業を完全所有することでソニーグループ内の協業の加速、シナジーの促進、より迅速な事業活動が可能になる。ソニーは、グループ内の協業の機会は多数存在し、今後一層増加すると考えている」と説明。

 エンタテインメント部門の分離や株式公開の弊害については、「ライツオファリングや公募による株式公開は、グループ会社間取引においても少数株主への配慮により生じる独立当事者間と同様の関係を保つ必要性等、従来は必要でなかった負担を経営に課すこととなり、結果として、ソニーのコントロール及び戦略の柔軟性を制限することになると考えている」と説明。資金調達についても、「既存の事業計画に基づいてビジネスを行なっていくために適切な資金調達手段を有している」としている。

 ただし、市場参加者がソニーのエンタテインメント事業の業績を分析し、その成果をモニターしやすくなるよう、2013年度第2四半期の決算より、エンタテイメント事業についての情報開示をより充実させていく予定としている。

(臼田勤哉)