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【CEATEC 2013】インテル、Ethernetを使ったスピーカー
京セラはピエゾフィルムスピーカーを展示
(2013/10/3 21:44)
10月1日に開幕した「CEATEC JAPAN 2013」から、Ethernet-AVBを使ったデジタルスピーカーや4K映像配信のデモ展示を行なっていたインテルのブースと、厚さ1mmのピエゾフィルムスピーカーなどを展示していた京セラのブースをレポートする。
Ethernet-AVBによるデジタル伝送システムや4K映像配信など多様な展示のインテル
ライフ&ソサエティステージにあるインテルブースでは、同社の最新技術を、ニューエクスペリエンス、オートモーティブ、4K ソリューションなど7つのテーマに分けて、様々な製品やサービスの展示を行なっている。
オートモーティブのコーナーでは、HTML5アプリケーションを使った自動車向けの車載情報システムなど、自動車向けの最新技術や製品を展示。その一つとして、オンキヨーのスピーカーユニットを使用した、Ethernet-AVB(Audio Video Bridging)というデジタル伝送システムが参考出展されている。
これは、PCの有線LAN接続などに使用されているEthernetケーブルを使い、音声/映像信号をプレーヤーからスピーカーやモニタにフルデジタル伝送するもの。メリットとして、プレーヤーからスピーカーなどの出力デバイスまで信号がデジタルで伝送されるため、劣化の少ないデータ伝送が行なえることや、アナログアンプなどが不要で発熱を抑えられること、Ethernetケーブルからの電力供給(PoE/Power over Ethernet)によりスピーカー側に電源ケーブルが不要なため、配線を簡素化できることが挙げられている。展示されたシステムは、Trigence Semiconductor(トライジェンス)のデジタル信号処理技術と、オンキヨーのスピーカーユニットを使用した、デジタルスピーカーシステムとなっている。
インテルはEthernet-AVBシステムを推進しており、このシステムを利用することで、自動車メーカーなどが独自に車内AVシステムを開発する負担を軽減できるとしている。
このほか、4K ソリューションのコーナーでは、第4世代インテルCoreプロセッサーを搭載したクライアントPCによる4K映像のブラウザ表示デモを展示している。「XJiveスィングウェブエンジン」というGPUエンジンでHEVC/Highの4K映像のデコードを行ない、HTML5対応のブラウザ上で再生するもので、将来的にSTBやスマートTVなど、ネットを利用した4K映像配信などに利用されること想定しているという。なお、展示されている4K映像はローカルファイルに保存されているもので、ストリーミング再生ではない。
"ここでしか聴けない"ピエゾフィルムスピーカーを出展している京セラブース
電子パーツや最先端のIT技術を展示する「キーテクノロジステージ」に設営された京セラブースでは、今回のCEATECで経済産業大臣賞を受賞したピエゾフィルムスピーカーの「スマートソニックサウンド」を中心に、スマートフォンや電子基板など幅広い製品が展示されている。
ピエゾフィルムスピーカーは既報の通り、京セラ独自のファインセラミックスの材料技術と積層技術を使ったピエゾ素子と、樹脂フィルムを組み合わせたスピーカー。電気を流すとたわみや振動を発生するというファインセラミックスの特徴を応用し、ピエゾ素子と樹脂フィルム面全体が振動することによって音を出すため、マグネットコイル式のスピーカーと比較して、軽量/薄型で、広い指向性や速い応答速度などを特徴としている。ブースでは、このフィルムスピーカーを使用した音楽再生のデモが行なわれているほか、ピエゾ素子の振動を利用して、設置面から音を発生させる振動スピーカーが参考出展されている。
目玉としているのは、LGが海外で発売中の55型曲面有機ELテレビに搭載されたピエゾフィルムスピーカーの試聴コーナーで、実際にテレビ画面を見ながらサウンドを聴くことができるほか、ピエゾフィルムスピーカーと一般的なマグネットコイル式スピーカーの聴き比べが可能。1回5分ほどのデモとなるが、仕切られたブースには10~13人程度しか入れないので、ブースの入り口には入場待ちの列ができていた。