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フィリピンが地デジ日本方式採用を再表明。政権交代で再検討も日本方式に決定

 フィリピン共和国は5日、同国における地上デジタルテレビ放送日本方式(ISDB-T)採用の再表明を行なった。

 フィリピンは、2010年6月にアロヨ前政権において地デジ日本方式の採用を決定した。しかし、同月就任したアキノ政権下でその決定に関する再検討が行なわれることとなった。その結果5日に、フィリピン大統領府より政府内における再検討の結果として、地デジ日本方式を採用することが表明された。

 日本政府では、「この決定は、日本政府がフィリピン共和国に強く働きかけを行なった結果」としており、「特に7月27日及び10月9日に実施された日・フィリピン首脳会談の際には、安倍総理からアキノ大統領に対し、地デジ日本方式採用に対する強い期待を表明し、採用の再表明に向けた働きかけを実施した」としている。

 日本政府は、フィリピン共和国の再表明を歓迎するとともに、フィリピンのISDB-T方式の円滑な導入を支援していく。また、フィリピンはASEANで唯一のISDB-T採用国となるため、「日本から地理的に近く、人口も9千万人を超えるフィリピン共和国が日本方式を採用することは、日本企業の海外展開促進の面でも大きな意義を有する」としている。

 現在日本方式の採用を決定しているのはブラジル、ペルーをはじめとする15カ国。今後はブラジルなどとも連携し、いまだ方式決定していない、アジア、中米諸国にも採用を働きかける。

(臼田勤哉)