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ビデオリサーチ、視聴率からTVアニメ分析。「エヴァ」から本数増加、「けいおん!」などで維持

 ビデオリサーチは8日、テレビの視聴率調査サービスを活用した企画の事例として、4月にまとめた「視聴率から振り返る『テレビアニメ』の歴史」をWebサイトで公開。「鉄腕アトム」から2012年まで、約50年のテレビアニメの歴史と、近年の動向を紹介している。

 日本初のテレビアニメ「鉄腕アトム」は、約50年前の1963年1月1日に放送を開始。1回目の視聴率は24.8%、最高で40.3%を記録。以降テレビアニメ番組数は増加し、'80年代に全盛期を迎え、'80年代後半から減少傾向となり、2000年には'83年の4割まで減少。「夕方帯の情報番組が枠を拡大し、再放送枠が減ったため」だという。

 しかし、'95年に放送された「新世紀エヴァンゲリオン」のブームや、ビデオソフト売上を収益源とするビジネスモデルが拡がった事で、24時以降の深夜アニメというジャンルが普及。その結果、'90年台後半から18時以降の番組が増加、2006年まで本数の増加傾向が継続。「2006年以降も『のだめカンタービレ』、劇場版もヒットした『けいおん!』などの話題作もあり、比較的多い本数を維持している」とする。

 一方、'90年代後半からは午前帯(5~12時)のアニメも緩やかに増加。「19時台のアニメ枠の減少に加え、小中学校の週休2日制の普及(開始当初は隔週)もあり、土曜午前中にアニメ枠が増加した」という。中でも2012年は増加量が多く、合計番組数は2006年以来となる3,000番組を超えた。

 視聴率の高さでは、「サザエさん」が圧倒的で、'72年から5年ごとのテレビアニメ高視聴率番組のランキングでは、全ての年でトップ。その他では、「ドラえもん」、「ちびまる子ちゃん」、「クレヨンしんちゃん」、「名探偵コナン」などの長寿アニメがランキングの常連。「プリキュア」シリーズも長期に渡って上位にランクインしており、「女の子向けのアニメとしては異例の人気がうかがえる」という。

 ビデオリサーチでは、「50年間放送されてきた中で『テレビアニメ』というジャンルが世間に広く浸透し、深夜アニメなど大人でもアニメを見るということが普通になってきたこともあり、誰をターゲットとするのか、どのような人に見てもらいたいのか、テレビアニメへの想いをより一層深く考えなくてはならない時代を迎えているのでは」と総括。SNSやスマートフォンのアプリとアニメを連動させて楽しむような新たな取り組みにも期待を寄せている。

(山崎健太郎)