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スカパー、ソチ パラリンピックを200時間以上連続放送

5競技72種目を専門チャンネルで。ゴスペラーズも登場

手前左からIPC国際パラリンピック委員会・山脇理事、日本パラリンピアンズ協会・大日方副会長、クロスカントリースキー日本代表・新田選手、スカパーJSAT・高田代表取締役社長。奥:ゴスペラーズ

 スカパーJSATは、2014年3月に開催される「ソチ 2014 パラリンピック冬季競技大会」について、日本初となる24時間パラリンピック専門チャンネルを開局し、生中継を含む200時間以上の放送を行なうことを発表した。また、スカパー!ソチ 2014 パラリンピックのテーマソングを、ゴスペラーズの「3月の翼」に決定した。

 スカパーでは、3月8日~16日の期間、スカチャン0(CS 800)にて、ソチ 2014 パラリンピックの競技の模様を、生中継60時間以上を含む200時間以上連続で放送。メダル対象種目5競技(アルペンスキー、バイアスロン、クロスカントリースキー、アイススレッジホッケー、車いすカーリング)・72種目に加え、デイリーでのハイライト番組も放送する。さらに、24時間専門チャンネルは、動画配信サービスのスカパー!オンデマンドでも配信され、PCやスマートフォンなどからも視聴できる。

 パラリンピック特集サイトも開設し、選手や競技の情報など、大会をより楽しむためのコンテンツを用意。大会開幕前の3月6日には、BSスカパー!にて「ソチパラリンピック明日開幕SP」を生放送するほか、大会終了後の3月23日には、日本選手団の健闘を振り返る「ソチ 2014 パラリンピック総集編」の放送も予定するなど、大会を盛り上げる番組をラインナップする。

ゴスペラーズが生歌で選手にエール

スカパーJSATの高田真治代表取締役社長

 28日には都内で記者発表会が開かれ、今大会に出場するクロスカントリースキー日本代表の新田佳浩選手や、テーマソングを歌うゴスペラーズが登場し、ライブやトークセッションを行なった。

 スカパーJSATの高田真治社長は、「社会福祉的、ドキュメンタリー的な伝え方ではなく、スポーツ選手のありのままの姿を伝えたい」と、スカパーの番組制作の姿勢について説明。「2020年に行なわれる東京パラリンピックでも、ロンドンのときのように会場を観客で満員にできるよう、これからも障がい者スポーツの放送に取り組んでいく」と述べた。

国際パラリンピック委員会の山脇康理事

 来賓として招かれた国際パラリンピック委員会の山脇康理事は、「パラリンピックは障がい者のスポーツではなく、人間の可能性を追求するもう一つのスポーツ大会」とし、スカパーのパラリンピック放送への取組みに賛同した。

 今回の放送で、競技の解説などに協力する日本パラリンピアンズ協会から、河合純一会長と大日方邦子副会長がサポーターとして登場し、大会の見どころなどを紹介した。河合会長は、「放送を通じてパラリンピックの魅力を伝えられると期待している。我々も、競技の見どころやルール、使用する道具などについて解説し、感動を伝えていきたい」と抱負を述べた。大日方副会長は、「パラリンピックは、ダイジェストなどで見ることはあっても、競技の模様を最初から最後まで見ることはあまりない。今回のスカパーの放送では、競技の全てを余すことなく見ることができる。出場する選手たちが、失ったものではなく、残されたものを活かしてスポーツに取り組んでいる姿を見て欲しい」とコメントした。

 今大会に出場する選手の代表として、2010年のバンクーバーパラリンピックで日本選手団主将を務め、2個の金メダルを獲得した新田佳浩選手も発表会に駆けつけた。新田選手は、「障がい者でかわいそうと思われるのではなく、障がいがあっても、努力することでこれだけすごいパフォーマンスができるんだ、かっこいいよねと思われるように頑張りたい。メダルを目指して頑張ります」と意気込みを述べた。

日本パラリンピアンズ協会の河合会長。水泳元日本代表で、パラリンピックでは金5個を含む21個のメダル獲得した経歴を持つ
大日方副会長はアルペンスキー元日本代表で、パラリンピックでは金2個を含む10個のメダル獲得している
クロスカントリースキー日本代表の新田佳浩選手

 続いて、今回の放送でプロデューサーを務める羽中田昌氏が登壇し、今大会のキャッチコピー「何一つあきらめない。だからその人は強い。」を発表した。また、テーマソングを歌うゴスペラーズを起用した理由について、「彼らの歌い続ける姿にアスリートの魂のようなものを感じた」と述べ、ゴスペラーズを紹介した。

羽中田昌プロデューサー
発表されたキャッチコピー

 ステージに登場したゴスペラーズは、テーマ曲「3月の翼」を披露。明るくアップテンポな曲調を、得意のコーラスを交えて歌い上げ、会場を沸かせた。ステージの後には、新田選手を交えたトークセッションが行なわれた。作詞/作曲を担当したゴスペラーズの安岡優さんは、今回の曲について「一方的に頑張れというような歌にはしたくなかった。アスリートの頑張る姿を見て得られた元気を、音楽を聴く人に渡せるような歌にした」と説明。新田選手は、「歌詞の中に『不可能なんてありえない』という部分がある。不可能とは可能性だ、という自分の座右の銘と同じだと感じた」と、曲の感想を語った。

生歌を披露したゴスペラーズ
作詞/作曲を担当した安岡優さん
トークセッションの様子

(一條徹)