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ソニー、NAB 2014で4Kライブカメラシステムなど提案

30型4K有機ELは年度内発売。XDCAMはXAVC対応

 ソニーは、米国ラスベガスで7日から開催される国際放送機器展(NAB 2014)に向け、最新の4K映像ソリューションなどを発表した。CineAlta 4Kカメラ「F65」を使った4Kライブカメラシステムや、4K動画撮影対応のデジタル一眼レフカメラ「α7S」などを展示する。α7Sについては別記事で詳しく紹介する。

4K映像制作

 4K映像制作については、CineAlta 4Kカメラ「F65」で、ライブ制作を可能にする「4Kライブカメラシステム」を発売。F65専用アダプタ「SKC-4065」と、カメラシステムアダプタ「CA-4000」、ベースバンドプロセッサ「BPU-4000」から構成され、このシステムにHD/4Kライブサーバーの「PWS-4400」を組み合わせることで、4Kで120fpsのハイフレームレート撮影/収録が可能になる。これにより、動きの早いスポーツでも選手の動きをなめらかなスローモーションで再現するなど、効果的な映像表現が実現できるとする。

左がF65とSKC-4065、カメラシステムアダプタCA-4000。中央はBPU-4000、カメラコントロールユニットHDCU-2000、右が「PWS-4400」

 また、4K/4,096×2,160ドットの高解像度かつ、ITU-R BT.2020に迫る広色域を実現したという30型4K有機モニターも技術展示。2014年度中の発売を目指すとする。

 4K活用したHDソリューションも多数紹介。4Kカメラ「PMW-F55/F5」に取り付けて、ショルダータイプのカムコーダと同様のオペレーションを可能にするEFP-スタイルビルドアップキットを開発。PSW-4400は、新たにPMW-F55で撮影した360fpsのHD映像の収録/スローモーション再生に対応する。また、4K映像技術の応用として、F65でRAW記録を行ない、そこから8K×2Kのパノラマ映像を生成し、4Kプロジェクタ2台で投射する技術なども紹介する。

SDIとIPを融合した「IPライブプロダクション」

 IPライブプロダクションについては、新開発のAVオーバーIPインターフェイス技術により、SDIとIPネットワーク技術を融合。従来複数のケーブルで行なっていた機器内の映像/音声/メタデータと同期信号、制御信号の伝送を、汎用ネットワークスイッチを用いてネットワークケーブル1本で実現する。遠隔地の機器同士をつないで、双方向伝送を行なうリモート制作システムにも展開できるという。

 AVオーバーIPインターフェイス技術の他社へのライセンスプログラムも2014年夏から開始予定。同技術を搭載したソニー製LSIやFPGA向けIPコアの製造許諾を供与する。

XDCAMをXAVC対応に

PXW-X180

 また、放送向けけフォーマット「XDCAM」で新たにXAVCをサポート。ハイフレームレートから低ビットレートの制作までをカバーする。

 新たにXAVCにも対応したハンディ型のXDCAMメモリーカムコーダー「PXW-X180」を8月に発売。価格は未定だが、従来のMPEG HD422(50Mbps)やAVCHDだけでなく、XAVCに対応したことが特徴。ソニーの業務用カムコーダーとしては初めて、可変型のNDフィルターを搭載。電子制御により濃度を変えられる新しいフィルターデバイスにより、簡単なダイヤル操作により1/4~1/128の値で連続的に設定変更が行なえる。

 新開発の広角26.0mm、光学25倍(35mm換算 26mm~650mm)のGレンズを搭載し、イメージセンサーは有効画素約207万(16:9)の1/3型、3CMOS。同梱のワイヤレスLANモジュールを使用して無線LANに対応し、スマートフォンなどからの操作も行なえる。

 XDCAM HD 422カムコーダー「PDW-850(320万円/税抜)」や「PDW-750(420万円/税抜)」を発売。XAVC HD対応のレコーダー「PDW-HD1550(250万円/税抜)」も10月に発売するなど、XDCAMのラインナップを強化する。

PDW-850
PDW-HD1550

 青紫色レーザーを用いた放送/業務機器用の光ディスク「プロフェッショナルディスク」については、三菱化学メディアとの製造ライセンス契約を締結。三菱化学メディアは2014年後半から販売を予定しており、これによりディスク供給の安定化を目指す。

 また、アーカイブ用ソリューション「オプティカルディスク・アーカイブ」の容量拡大に向けたロードマップも発表。業務用次世代光ディスク技術「Archival Disc」の技術を活用することで、現在のカートリッジあたり1.5TBから、第2世代では3.6TB、第3世代では6TBを目指すという。

(臼田勤哉)