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スマホ/PC/STB対応の動画専用クラウド「RealPlayer Cloud」

RealPlayer Cloudの概要

 リアルネットワークスは、スマートフォンやパソコンなどでの動画再生に利用できるクラウドストレージサービス「RealPlayer Cloud」の提供を4月16日より開始した。2GBまでの利用は無料。容量を追加できる有料プラン(25GBで月額499円~)も用意する。パソコンやスマートフォンなどのWebブラウザから利用できるほか、iOS 6.0以降、Android 4.0以降のスマートフォン/タブレット用アプリも提供する。

 「RealPlayer Cloud」は、スマホやビデオカメラなど、自分で撮影した動画ファイルの再生・保存・共有が行なえるクラウドストレージサービス。2013年9月より米国でサービスを開始していたが、新たに日本語にも対応した。動画に特化しており、写真やテキスト、音楽ファイルなどのアップロードはできない。

 クラウドにアップロードしたファイルは自動的にフォーマットやビットレートの変換が行なわれ、機種や回線速度を意識せずに動画の再生や共有が可能。また、同一ネットワーク内のデバイス間では、クラウドを経由せず無線LANを通じて直接ファイルの再生が行なえ、パソコンの内蔵HDDに保存している動画ファイルをタブレットなどから視聴することもできる。

マルチデバイス対応
スマホやタブレットなどで機種や通信環境の違いを意識せずに動画再生を楽しめる
STBなどを利用してテレビで見ることも可能

 電子メールやLINE、Twitter、Facebookなどを利用して動画の共有も可能。Webリンクを発行する方法を採用しているため、電子メールにサイズの大きな動画ファイルを添付する必要がなく、RealPlayer Cloudに登録していない相手とも共有ができる。また、誤って共有してしまった場合には、後から共有を外すことも可能。

 アカウントの作成は無料で、2GBのクラウドストレージが利用可能。ストリーミング時の通信帯域は500kbps~1.5Mbpsとなる。容量の追加や、通信帯域の増幅が行なえる有料プランも用意。月額499円の「Silver」は、ストレージ容量が25GBで、通信帯域は最大2.5Mbpsまで利用可能。月額999円の「Gold」(容量100GB/通信帯域3.5Mbps)や、月額2,999円「Pro」(容量300GB/通信帯域4.5Mbps)も用意する。有料プランに登録すると、パソコン用動画再生ソフト「RealPlayer」で、高速ダウンロードやDVD作成などのプレミアム機能(通常4,500円)も追加料金無しで使用可能となる。

 また、無料でストレージの容量を増やす方法も用意。招待した友人がRealPlayer Cloudのアカウントを作成すると、双方に1GB追加。スマホやタブレットなどデバイスを追加し、所有しているアカウントに連動させると1台ごとに250MB追加(最大4台まで)。クラウド上に動画をアップロードしたり、動画を共有すると、初回のみそれぞれ250MBずつ追加される。これにより、無料利用でも3.5GB程度まで容量を拡張できるという。

各プランの内容
無料でストレージを増やす方法

米国では34%がChromecastを使いテレビで再生

デモの様子

 サービス開始に合わせて行なわれた発表会では、スマートフォンやタブレット、ノートパソコン、AmazonのSTB「Fire TV」やGoogleのHDMIスティック型端末「Chromecast」など、様々なデバイスを用いたデモが披露された。初めに行なわれたのは、iPhoneで撮影した発表会の動画を、4Gの通信ネットワークを通じてクラウドにアップし、それをネットワークに接続したAndroid OSのSTBを介してテレビで視聴するというもので、10秒程度の動画が数分でクラウドにアップされ、STB経由で視聴できた。このほか、LANに接続したSTBから、同一ネットワーク内のHDMIデバイスを接続したプロジェクタに動画を伝送したり、異なるアカウント間で動画を共有するといったデモが行なわれた。

ノートパソコンやタブレットなど様々なデバイスが用意された
直前にスマホで撮影した発表会の様子を、その場でクラウドにアップしSTB経由でテレビで視聴
別のアカウントに動画を共有すると、すぐに通知される

 同社のチャン・ホ代表取締役は、昨年から提供が開始されている米国などでの利用データを分析し、RealPlayer Cloudの使われ方について説明した。利用デバイスとして最も多いのはスマートフォンだったが、同社ではテレビに接続するSTBなどのデバイスに注目しているという。チャン代表は、「GoogleのChromecastに対応した後、Android OSからのアクセスが急増し、Chromecastを通じてテレビで動画を視聴するという視聴方法が全体の34%を占めた。このように次々に出てくる新しいデバイスに迅速に対応することが、他のサービスとの差別化に繋がる」とした。

 また日本でのサービス開始について、「日本はスマホが普及しており、インターネット回線も安定していることから、RealPlayer Cloudを利用できる環境が整っている。また、日本のRealPlayer利用率は世界で最も高く、1人当たりの平均セッション数や、動画・音楽再生数はアメリカの2倍となっている。RealPlayer Cloudも、日本市場で最も利用されるクラウドサービスになると確信している」と、新サービスの成功に期待を寄せた。

チャン・ホ代表取締役
Chromecast対応後、テレビでの視聴が急増したという
日本での成功要因を説明

(一條徹)