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オンキヨー、パイオニアAV事業のPHEを約17億円で取得へ

両ブランド継続と強化。パイオニアは第3位の株主に

 オンキヨーは13日、パイオニアのAV事業を手掛けるパイオニアホームエレクトロニクス(PHE)との経営統合に向け、パイオニアを割当先とした新株式発行により資金を調達し、PHE全株式を取得すると発表した。

 オンキヨーは、3月2日を払込期日とする新株発行により、16億7,956万4,500円を調達。この全株式をパイオニアに割り当てることで、パイオニアはGibsonに次ぐ第3位のオンキヨーの主要株主(持株比率14.79%)となる。

 同日に、オンキヨーはこの調達資金で現在パイオニアの100%子会社であるPHEの全株式を取得して傘下に収め、オンキヨーのAV事業と統合。両社のブランド力や製品開発力の向上、コスト競争力の改善などで経営基盤強化を図る。なお、統合後もオンキヨーとパイオニアの両ブランドは継続する。

 第三者割当による株式発行を選択した理由についてオンキヨーは、「統合後の事業展開においては、パイオニアブランドを継続・発展させる方針であることから、パイオニアと強固な関係を構築することが必須。パイオニア対象事業の取得のため迅速かつ確実性のある資金調達が必要と判断した」と説明している。

 なお、オンキヨーは同日に第3四半期の決算も発表。消費税増税後の国内需要低迷と開発遅延による新製品の市場導入の遅れ、ドルビーアトモス対応の映画ソフトが年末商戦に出揃わなかったといった要因があったものの、売上高は円安による為替換算の影響などで、前年同期比4億6,200万円増収の256億2,500万円となった。一方、営業損益は円安による原価率の上昇などで2億8,100万円減益となる17億6,700万円の赤字、当期純損益は10億6,500万円悪化の28億9,700万円の赤字となっている。

(中林暁)