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コニカミノルタ、世界初の単眼8Kプラネタリウムシステム

ネイティブコントラスト比1万:1。D-ILAとe-shift採用

 コニカミノルタプラネタリウムは、世界初となる単眼式による8K解像度映像(ドーム直径部で4,800ドットの円形映像)の投写ができる全天周デジタル映像システム 「Media Globe Σ(メディアグローブ シグマ)」を開発し、販売を開始した。

Media Globe Σ

 全天周デジタル映像システム「メディアグローブ」シリーズは2001年より販売開始され、国内や南北アメリカ、アジア各国の計120カ所以上の施設に導入されている。「メディアグローブ シグマ」はその最新鋭システムで、第1号機は3月にリニューアルオープンされる加須未来館(埼玉県加須市)に納入することが決定。今後は全世界に向けて販売し、ドーム径や仕様の要望に合わせたバリエーション展開を行なうという。

 投映部のプロジェクタは8K(8,192×4,800ドット)に対応し、ドームスクリーンでは直径部4,800ドットの映像を、スクリーン全天に投写可能。これまで複数台のシステムで8Kを実現したシステムはあったが、単眼(1台)の投写でドーム全天に8Kで投写できるのは世界初としている。

 なお、8K解像度は、JVCケンウッドの1,000万画素の1.27型4K2K D-ILAデバイスと、画素ずらしの「e-shift」技術を用いた光学エンジンにより実現。プロジェクタ投写映像の短辺側をドームスクリーン直径とする円形の画像になり、投映ピクセル数は8K解像度の短辺側の4,800ドットとなる。

 ネイティブコントラスト比(絞り機構なし)は10,000:1で、「漆黒の宇宙とシャープで明るい星像を両立して再現する」としており、コニカミノルタのコア技術である光学技術を駆使して開発したレンズとの組み合わせにより、「映像素材の品質を落とすことなく、階調性豊かで高精細な全天周映像をドームスクリーン全体に描写する」としている。

Media Globe Σ(右下)と、投写イメージ(太陽系誕生)

 NASA(アメリカ航空宇宙局)の持つ地球環境に関するデータを、地球のイメージ映像に合わせマッピングして投写する機能も搭載。地球を俯瞰しつつ、世界の気候や自然などのデータやビジュアル資料をドームスクリーンに映すといったこともできる。

 使いやすさに定評があるという操作系を継承。「太陽系の惑星を巡る宇宙旅行や紀元前100万年前の星空へタイムスリップする」といった高度な演出をよりしやすくするGUIを新開発。さらに、Windows 8のタブレット端末を操作端末として利用でき、ドーム内のどこからでも、タッチパネル入力で制御できるという。双方向コミュニケーションツールとして、「DOME THROW(ドームスロー)機能」も搭載。星空解説の時に観客の理解をより深めるために、タブレット端末を活用して、様々な映像や画像、イラストなどのビジュアル資料をドームスクリーンの任意の位置に簡単に表示させるといったこともできる。

操作GUIの例

(中林暁)