ニュース
ソニー、音質にこだわったmicroSDXCカード。「ハイレゾウォークマンに最適」
(2015/2/19 11:01)
ソニーは、ポータブルオーディオプレーヤーでの利用を想定し、音質にこだわったというmicroSDXCカード「SR-64HXA」を3月5日に発売する。容量は64GB。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は18,500円前後。Class 10に対応。カードには「for Premium Sound」という文字がデザインされている。
ウォークマンの新Aシリーズや、ハイエンドモデル「NW-ZX2」など、microSDカードスロットを備えたオーディオプレーヤーで利用できるメモリーカード。カードに記録した音楽ファイルをプレーヤーで読み出し、再生する際に、「より良い音への期待に応えるメモリーカード」としている。
開発にあたり、通常のメモリーカードで重視される高速性、大容量、低価格、信頼性/耐久性などの価値軸ではなく、記録/読み出し時の“質の改善”を計ったという。
具体的には、カードからファイルを読み出す際に発生する、微弱な電気的ノイズに着目。読み出す際に使う電源は、当然ポータブルプレーヤーの電源が使われるが、カードに採用されているメモリコントローラーなどのパーツによっては、電気を多く消費したり、安定度が低いといった“大飯ぐらい”のカードになる事があり、プレーヤー側の電源がそれに揺さぶられるような形になり、電気的なノイズが増加するという。
そこで、耳で聴き比べながらパーツの吟味や、技術的な音質改善アプローチを行なう事で、再生機器の部品や回路に悪影響を与えるノイズを低減したmicroSDXCカードが開発できたとする。あくまで読み出し時に発生するノイズの低減を追求しており、読み出した音楽データ自体は、通常のカードから読みだしたデータと違いはないという。
カードに使用している部品や材料を厳選・管理しているのも特徴。一般的なmicroSDカードは、容量や速度スペックを重視しているため、それらが確保されていれば部品や材料が変更される事がある。
そのため、例えば、ノイズの少ないと話題のmicroSDカードが存在して、それと同じメーカー、同じ型番のカードを購入したとしても、カードに使われている部品が変更されていた……という事も起こりえる。「SR-64HXA」の場合は、部品や材料を厳選・管理し、もし部品を変更する場合も音のチェックなどをやり直し、合格となったものを採用するとしており、「音のクオリティが維持されている業界初の製品」としている。
音質について、ソニーは、「音源ファイルが本来持っているスムーズな音のつながり、澄んだ音場の広がり、1音1音の粒立ちの良さ、みずみずしさを再現できるメモリーカード」と説明している。
ソニーでは今後、「ハイレゾ対応ウォークマンに最適なメモリーカード」としてアピール。ソニー以外のプレーヤーでも効果は期待できるが、プレーヤーの設計によって、その度合は異なるという。
実際に聴き比べてみる
ウォークマンAと、ハイエンドの「NW-ZX2」を各2台、計4台用意。同じ曲を保存した「SR-64HXA」と、ソニーブランドの通常のmicroSDXCカードも各2枚用意。それぞれのプレーヤーに挿入し、ヘッドフォンの「MDR-1A」を接続して聴き比べてみた。
ハイレゾの「リンダ・ロンシュタット/What's New」では、冒頭のストリングスから違いがわかる。SR-64HXAを挿入した方は、SNが良く、弦楽器のしなやかな音がより表情豊かに聴こえる。ボーカルの距離も近くなり、口の開閉など、生々しさがアップする。
CDからリッピングした、ハイレゾではない「TOTO/Rosanna」で聴き比べても違いがわかる。冒頭のドラムで、低域の沈み込みと、中低域の張り出しが「SR-64HXA」の方がパワフルで、切れ味も良い。
静かな環境下で聴き比べれば、大半の人が瞬時にわかるレベルの違いがある。個人的には、オーディオ機器の電源ケーブルを交換した時の変化に近いものを感じた。また、他社のハイレゾプレーヤーである「AK240」でもカードを差し替えて試したが、同傾向の音の変化を実感できた。
なお、「microSDからのデータを読み出す際のノイズ」を低減したとのことだが、内蔵メモリに保存した場合とはどちらが良いのだろうか? ソニーによればウォークマンの場合、内蔵メモリと一般的なmicroSDを比較すると、内蔵メモリから再生した方がノイズの発生は少なく、音質面では有利。しかし、「SR-64HXA」と比べた場合は差が縮まり、「楽曲のジャンルや嗜好によってはSR-64HXAの方が好ましいと感じるケースもある」という。