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デノン、HDCP 2.2対応最上位AVアンプ「X7200WA」。従来機は無償対応。DTS:Xも

 ディーアンドエムホールディングスは、デノンブランドの9.2chフラッグシップAVアンプの、HDCP 2.2対応バージョン「AVR-X7200WA」を5月下旬に発売する。価格は355,000円。カラーはブラック。

HDCP 2.2対応の9.2chフラッグシップAVアンプ「AVR-X7200WA」

 1月に発売した「AVR-X7200W」(35万円)を、4K映像コンテンツに使われている著作感保護技術のHDCP 2.2に対応させたモデル。なお、AVR-X7200Wのユーザーに対しては、無償でHDCP 2.2に対応させるアップグレードサービスを5月下旬より実施。このアップグレードにより、AVR-X7200WAと同等の仕様となる。メーカーでの基板交換が必要で、受付開始日は5月14日、実施期間は5月21日~ 11月20日まで。申し込み用紙などはデノンのWebサイトに5月8日に掲載掲載予定。

 どちらのモデルもDTSの最新サラウンドフォーマット「DTS:X」への対応も予定。対応時期、方法などの詳細は「決定し次第発表する」としている。

 AVR-X7200WAは、8入力/3出力のHDMIを備えているが、その全てがHDCP 2.2に対応。衛星放送やインターネットを通して配信される4Kコンテンツに対応でき、4K/60p/4:4:4/24bit、4K/60p/4:2:0/30bit、4K/60p/4:2:2/36bitなどの映像をパススルーできる。ただし、フロント入力は4K/30p/4:4:4/24bitまで。SD/HD映像を4Kへのアップスケーリング出力する事もできる。

 それ以外の仕様は、AVR-X7200WAとAVR-X7200Wで共通。

 定格出力150W×9ch(8Ω)のAVアンプで、オブジェクトベースのサラウンド「Dolby Atmos」に対応。単体で5.1.2ch、5.1.4ch、7.1.2ch、7.1.4ch、9.1.2chの5パターンのスピーカー配置に対応(7.1.4chと9.1.2chでは外部パワーアンプが必要)する。

 様々な環境に柔軟に対応できるのが特徴。9.2chのアンプだが、11.2chまでのプロセッシングが可能で、プリアウトは13.2ch分装備。外部パワーアンプを併用して、Dolby Atmosの多スピーカーをドライブするほか、サラウンドフォーマットに合わせてスピーカーのアサインを自動的に変更する事も可能。

 DACは、旭化成の「AK4490」。専用の独立基板に配置し、メイン基板から分離する事で、HDMI/ネットワーク/CPUなどのノイズや、DC-DCコンバータノイズなどからの影響を防いでいる。

 さらに、独自の回路技術「D.D.S.C.(Dynamic Discrete Surround Circuit)」も装備。32bitプロセッシングを行なう最上位バージョンの「D.D.S.C.-HD32」を採用しており、サラウンド再生に必要な信号処理回路を1つ1つのブロックに独立させ、32bitフローティングポイントDSPなどを用いてディスクリート化。全チャンネル同一レスポンス、同一クオリティを念頭に構成されている。

 USBメモリやDLNAネットワーク経由でのハイレゾ音楽ファイルの再生に対応。AirPlay、インターネットラジオの受信もサポート。AVアンプ本体に無線LAN機能も備えており、2本のロッドアンテナを使ったダイバーシティアンテナも装備。Bluetooth受信もサポートする。

 また、「Denon Link HD」にも対応しており、デノンのBlu-rayプレーヤー「DBT-3313UD」と組み合わせる事で、AVアンプのDACを動作させるマスタークロックをプレーヤーに供給。互いに同一のクロックを共有しながら動作し、ジッタを低減した伝送を実現。付属の測定用マイクで、スピーカーを自動セットアップする「Audyssey MultEQ XT32」にも対応する。

 HDMI以外の入力端子は、コンポジット×5、コンポーネント×3、アナログ音声×8、7.1ch入力×1、光デジタル×2、同軸デジタル×2。出力端子は、コンポジット×2、コンポーネント×2、13.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドフォン出力×1を装備。Ethernet、Denon Link HD、USB、RS-232C、DCトリガー端子なども備えている。

 消費電力は780W。外形寸法は434×427×196mm(幅×奥行き×高さ)。重量は17.8kg。

(山崎健太郎)