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初の4K/60p HEVC 4:2:2リアルタイムエンコーダ出荷開始
富士通+パナソニックのLSI新会社ソシオネクストが8月量産
(2015/4/6 15:39)
ソシオネクストは3日、放送機器などプロフェッショナル向けの映像エンコーダとして、HEVC/H.265 4K/60pのリアルタイムエンコードに対応した製品をサンプル出荷開始したと発表した。リアルタイムエンコーダLSIの「MB86M31」と、評価ボード「MB86M31-EVB」、ドライバ、アプリケーション開発環境(SDK)が含まれ、同社は「世界で初めて出荷開始した」としている。ソシオネクストは、富士通グループとパナソニックのシステムLSI事業を統合して3月に事業を開始した新会社。
「MB86M31」は、4K/60pのHEVC映像をリアルタイムエンコード可能なLSI。1チップ化したことで、従来のシステムに比べ、体積比で1/20、消費電力は1/50とし、1,000倍の性能比を実現したという。同チップは主にプロフェッショナル/ハイエンド製品向けに2015年8月の量産開始を予定。パッケージはFCBGA-1764(35×35mm)。
4K/3,840×2,160ドットの映像をHEVC/60pでリアルタイムエンコードできるほか、1,920×1,080ドットのフルHD映像4つをHEVC/60p映像にするリアルタイムマルチチャンネルエンコードにも対応。入力フォーマットは、現在のデジタルテレビ放送で用いられている4:2:0に比べ2倍の色情報を持つYUV 4:2:2 10bitのプログレッシブ/インターレース映像をサポートする。
富士通研究所と共同開発したオリジナルのHEVCコーデックコアを搭載し、高画質を維持したまま世界最高クラスの高圧縮を可能としている。HEVCにより、デジタル放送の生中継やインターネット配信などで、4K映像を従来のMPEG-4 AVC/H.264に比べ約半分の帯域で配信できる。
ソシオネクストは、同製品に加え4K HEVCリアルタイムデコーダのSoCソリューションも提供しており、放送機器や医療機器、監視システム、デジタルサイネージなどにおいて、エンコードからデコードまで一貫したシステムを構築可能としている。