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MSB、27bit分解能の410万円DACやトランスポートなど「V」シリーズ

 アクシスは、米MSB Technologyの新しい「V」シリーズ5製品の輸入販売を9月より行なう。「IV」シリーズから回路・構成を改良し、デザインも一新したフルモデルチェンジとなる。ラインナップと価格は、27bit分解能のハイエンドDAC「Diamond DAC V」が410万円、26bit分解能の「Signature DAC V」が275万円。

Diamond DAC V

 Netflixなどの映像配信視聴やネットワーク再生にも対応するBD/USBトランスポートも用意。Darbee Visual Presenceテクノロジー採用の「Signature Universal Media Transport V」が165万円で、非採用の下位モデル「Universal Media Transport V」が95万円。

 DVDに記録された最大384kHz/32bitのハイレゾ音源再生が可能なCDトランスポート「Signature DataCD V」が110万円。

 すべて電源部は別売で、各製品の下に重ねて使用できる。カラーはいずれもMatte WhiteとMatte Blackの2色を用意。特注でカスタムカラーに変更も可能。

Diamond DAC V/Signature DAC V

 最大384kHz/32bitのPCMと、2.8/5.6MHzのDSD再生に対応するハイエンドDAC。入力はBNC、同軸デジタル、光デジタル、AES/EBU、MSB PRO I2Sを搭載。オプションの「USB2モジュール」追加で11.2MHz DSDの再生に対応する。さらにアナログXLR端子も備え、ボリュームコントロール・プリ機能(別売)を搭載し、プリアンプとしても利用可能。

Diamond DAC V(Matte White)
Diamond DAC V(Matte Black)

 Diamond DAC Vは、ディスクリート・サインマグニチュード26bit DACモジュールを片チャンネル×2基、計4個を搭載し、27bit分解能を実現。マルチビットで発生しやすいゼロクロス歪みを極力回避している。ディスクリート・ロジック/抵抗素子をDACモジュール内に搭載し、補償回路なしでダイレクトに電圧出力する。SN比は160dB。

 DSPは80bit演算能力の「Sharc DSP」を2基搭載。入力デジタル信号の384kHz/32bitアップサンプリング処理などが行なわれる。アップサンプリングはオン/オフも可能。

ディスクリート・サインマグニチュード26bit DACモジュールを計4個搭載
オプションの「USB2(Signature 384)」(左)と「USB2(Quad DSD)」(右)

 クロックは「Femto 140」で、オプションで「Femtosecond Galaxy」や「Femto 33」へのアップグレードも可能。PRO I2S端子を備え、DACからトランスポートにマスタークロックを供給可能。低ジッターなD/A変換を可能とする。PRO I2S端子を使用しなくても、入力信号にリ・クロッキングをかけることが可能。

 そのほか、低誘電の特殊なコーティング処理が施された高信頼性基板やパーツを採用し、音質を高めたとする。電源は別売の「Diamond Power Base V」(68万円)で、本体と重ねて使用できる。

背面
専用電源の「Diamond Power Base V」(82万円)
Signature DAC V(Matte Black)

 Signature DAC Vは、上位モデルのDiamond DAC VとDAC構成が異なる。ディスクリート・サインマグニチュード25bit DACモジュールを片チャンネル2基の計4個を備え、26bit分解能を実現。DSPは80bit演算の「Sharc DSP」×2を装備。クロックは「Femto 140」で、オプションで「Femtosecond Galaxy」や「Femto 33」へのアップグレードも可能。電源は別売の「Diamond Power Base V」(68万円)。

Signature DAC Vはディスクリート・サインマグニチュード25bit DACモジュールを計4個搭載
専用電源の「SignaturePower Base V」(68万円)

Signature Universal Media Transport V/Universal Media Transport V

 OPPO製ディスクドライブを備え、BD/DVDやDVDオーディオのほか、CD/SACDも再生可能なトランスポート。Ethernet経由でネットワーク再生が可能。映像配信視聴にも対応している。最大192kHz/24bitのPCMと2.8MHzのDSD再生が可能で、PRO I2S端子経由でMSBのDACと接続すると32bit PCMにも対応。USB端子を備え、USBメモリやUSB HDDにも対応する。

Signature Universal Media Transport V(Matte White)
Universal Media Transport V(Matte White)

 上位モデルのSignature UMT Vは「Darbee Visual Presenceテクノロジー」を採用し、4K/2Kや3D映像の出力に対応。オーディオ回路とビデオ回路には独自のアイソレーション機構を設け、電気的・電磁的干渉の極限までの抑制を追求している。

 出力端子は共通で、映像がHDMI×2。オーディオ/ビデオの分離設定に対応する。音声は同軸デジタル×3と光デジタル、AES/EBU、PRO I2S。HDMI出力は最大7.1chまでのサラウンド再生に対応するほか、上記の音声出力端子に各チャンネルの音声を振り分けて出力できる。

オーディオ回路/ビデオ回路の間にアイソレーション機構を備える
背面

Signature DataCD V

Signature DataCD V

 CD、CD-Rの再生や、DVD-ROMの最大384kHz/32bitまでのWAVファイル再生に対応するトランスポート。MSBのDACとPRO I2S端子経由で接続し、マスタークロックを同期可能。出力端子は同軸デジタル、光デジタル、AES/EBU。

 搭載ドライブは「MSB Signature ROM Drive」。読み取ったデータをメモリに取り込み、光学系と独立した高精度マスタークロックを利用して出力。低ジッターでビットパーフェクトのデジタル伝送を実現するという。

(庄司亮一)