フジテレビ、放送に同期して4K映像を配信する実証実験

　フジテレビジョンは12日午前4時40分の「4Kラウンドスケープ」において、放送と同時に4Kインターネット配信映像を同期再生する実証実験を実施した。ハイブリッドキャストに新たに加わった4K動画配信技術を用いた世界初の事例という。

対応テレビで視聴時に4K配信への切り替えボタンを表示

　同番組では、対応受信機での番組視聴時に、4Kへの切り替えを促す表示を行ない、2K地上放送でありながら4K映像を体験可能とした。放送映像と同期して4K映像を配信。ビットレートもネット回線の状況に応じて適応的に切り替えて、配信終了後には放送に復帰する。

　IPTVフォーラムは、2014年12月に「ハイブリッドキャスト技術仕様」を改定し、ネット回線の状況に適応した動画再生が可能なMPEG-DASH方式に対応した(IPTVFJ STD-0013ハイブリッドキャスト運用規定2.0版)。現在、同方式に対応した4Kテレビの一部市販が始まっている。

　今回の実証実験では、MPEG-DASHによる4K配信とハイブリッドキャスト(Hybridcast)の放送通信連携機能を活用。NHKによるMPEG-DASHプレーヤーと、番組中に自動起動する連動Hybridcastアプリにより、放送と4K配信の同期を確立。配信終了後にシームレスに放送に戻るようにした。また、緊急ニュース発生時に放送からの信号により自動で放送映像に戻す仕組みも備えている。

　フジテレビは、同技術を現行2K放送のままで4K品質の映像を提供する有望な手法の一つと考え、IPTVフォーラムに参画。Hybridcastでの動画再生技術についてNHKと協力して研究・開発を推進し、将来に向けた本技術の確立を目指ざすとしている。

　「4Kランドスケープ」は、12月12日の午前4時40分～4時45分に関東ローカルで放送。4K制作された「タイムトリップ軍艦島」、「TOKYO ILLUMINATION TOUR」や4K撮影の「長崎教会群」のダイジェストをハイビジョン映像に変換して放送した。

放送映像と4K配信映像の切り替え視聴イメージ

緊急ニュース等での4K配信映像から放送映像への緊急復帰イメージ