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ソニー、微細なLED素子を使う新ディスプレイ技術「CLEDIS」
Crystal LED Displayが実用化。400インチ8K/2Kなど
(2016/5/19 13:37)
ソニーは、微細なLED素子を光源とする独自開発の高画質ディスプレイ技術「CLEDIS(クレディス)」を用いた新方式ディスプレイシステムを2017年1~3月に発売する。ディスプレイユニット「ZRD-1」とコントローラ「ZRCT-100」から構成され、価格はオープンプライス。価格は設置事例によって異なる。
CLEDISは、2012年に開発発表を行ない、CESにも出展した55型フルHDの「Crystal LED Display」の技術をベースに開発したディスプレイシステム。画面表面にRGBの微細なLED素子を配置した画素を、画素毎に駆動させる自発光のディスプレイ方式を採用。光源サイズが0.003mm2と微細なため、画面表面の黒点が占める割合を99%以上に高められ、素子の広配光性能などと組み合わせることで、高コントラスト、広視野角、広色域の映像表現を可能とする。また、独自の画素駆動回路により、動画応答性能にも優れており、最大120fpsのフレームレートで表示できる。
広大なキャンバスに画を描くように映像を表現できるというスケーラブルなディスプレイシステムで、320×360ドットの画素を持つディスプレイユニット「ZRD-1」を、表示したいコンテンツなどに応じて組み合わせることで、サイズや解像度が決まる。4K/2Kの場合、72枚のZRD-1用いて220インチを実現できる。
1ユニットのZRD-1の外形寸法は403×453mm、輝度は最大1,000cd/m2、視野角はほぼ180度、コントラストは100万:1以上、表示可能色域はsRGB比約140%、フレームレートは最大120fps以上。
4K/2Kを実現するためには72枚のZRD-1を組み合わせて、その際のインチサイズは220型で、横幅が4.8m、縦が2.7m。8K/2Kの場合は、ユニット144個で400インチを実現。横9.7m、縦2.7mとなる。フルHDでは18枚利用し、横2.4m、縦1.35m。
高精度な組み立て・補正技術を適用することで、あたかも単一パネルのような目地のない大画面を実現できるという。
コントローラ「ZRCT-100」は72台までのZRD-1を制御できる。8K/2Kの場合、2台のZRCT-100を利用する。ZRCT-100の入力端子はDisplay Port×2、DVI-D(Single Link)×4。外形寸法は440×349×65mm。
豊かな色調や滑らかな動画像の再現など、既存のディスプレイでは表現しきれない映像体験が実現可能で、医療等の研究機関や博物館、管制室など精緻な映像表現が求められる用途や、工業デザインや建築デザインなど、よりリアルな映像でのシミュレーションが必要とされる用途に提案していくという。
CLEDISは6月8日に米国ラスベガスで開催される「InfoComm 2016」で初披露。8K/2KのCLEDISをアピールする予定。