ミニレビュー
安くて高音質! 5千円程度で買える人気イヤフォンを聴く【Auglamour R8】
2016年6月21日 09:20
低価格だが音の良いイヤフォンを紹介する企画。だが、2日目にしていきなり“高そう”な製品の登場だ。Auglamour(オーグラマー)というブランドの「R8」というモデルで、この見た目ながら、価格は4,500円だ。
イヤフォン・ヘッドフォン専門店のe☆イヤホンで独占販売されているもので、同店の人気イヤフォンランキングでも常に上位にランクインしている。カラーはブラックとシルバーの2色。
AUGLAMORは、2013年にイヤフォン事業を開始した若いメーカー。中国の深センを拠点にしており、'14年に「R1」というモデルを販売、1万本以上の人気モデルとなり、培った経験を踏まえて開発されたのが「R8」だという。
前述のとおり、最大の特徴は“安いのに安っぽくない”ところだ。メタル合金のハウジングは手にするとひんやりと冷たく、適度な重さがある。表面はなめらかで光沢もあり、とても5,000円以下の製品とは思えない。何も知らずに手渡されて「幾らか?」と聞かれたら、「19,800円か、25,000円くらい?」と答えてしまいそうだ。
仕様も凝っている。この価格ながらケーブルの着脱が可能。カスタムイヤフォンなどでよくある2ピンタイプ。昨今のトレンドからするとMMCX端子が喜ばれそうだが、この価格で着脱できるだけでも凄いことだ。長さは1.2mで、ツインツイストケーブルになっている。端子の固定はそれほど強くないので、浅く刺していると何かの拍子に抜けてしまうかもしれないので、しっかりと接続しておきたい。
ドライバは10mmのダイナミック型。再生周波数帯域は10Hz~25kHz。感度は108dBmW、インピーダンスは16Ω。
音を聴いてみる
直線と曲線が組み合わされたような不思議な形状。思いのほか大きいので、耳穴の周囲に筐体が触れるが、表面がつるつるしているので痛いとか、不快な感じはない。冷たいと感じる程度だ。収まりは良く、耳から大きく出っ張るような事はない。
AK Jrと接続、「藤田恵美/camomile Best Audio」から「Best of My Love」(96kHz/24bit)を再生。音が出た瞬間、「え、これってBAだっけ?」と思う。ダイナミック型なのだが、再生音に少し金属質な硬い響きが乗っており、それがBAイヤフォンらしい清涼感を漂わせているためだ。
この響きは、メタルハウジングによるものだ。ナチュラルさを追求するのであれば、響きは少ない方が良いが、R8の場合はダイナミック型イヤフォンらしい低域寄りの音に、金属質な響きが清々しさをプラスしているので、全体のバランスを考えると良い演出だと感じられる。
逆に言えば、素の音としての抜けはさほど良くない。低域の量感や沈み込みの深さはダイナミック型らしいクオリティを持っており、ロックなどパワフルな楽曲を、音量を上げ目にして楽しく聴くのに向いていると感じる。
また、リケーブルが可能なので、例えば銀線のケーブルと組み合わせて、さらにシャープな音に変化させたりしても面白いかもしれない。ただ、ほとんどのケーブルがイヤフォンの値段より高くなるのは間違いないが……。
ダイナミック型らしく、「手嶌葵/The Rose」など、女性ボーカルの声がふくよかで聴きやすい。低域がやや多めではあるが、ボンボンと不必要に膨らむような事はなく、締りもある。ベーシックな再生能力が高い、ハイコストパフォーマンスなイヤフォンだ。