ミニレビュー

話題沸騰のアップル純正iPhone 6sケースを買ってみた。イヤフォン選択に注意

 12月8日、アップルからiPhone 6とiPhone 6sに対応するバッテリー内蔵型ケース「iPhone 6s Smart Battery Case」が発売された。iPhone用ケースやバッテリ内蔵ケースは、世の中に溢れているが、このケースの最大の特徴といえるのは「アップル純正」であることだ。

iPhone 6s Smart Battery Case

 iPhone総本家による初のバッテリ内蔵ケースの登場にネット上は騒然となった。いや正確には、「そのデザインに騒然となった」という表現が正しいのだろう。

「何だこのデザイン?」、「ほんとに純正?」、「ジョブズが見たら怒り狂いそう」等々。ポジティブな意見はあまり見られなかった。デザインについての意見は人それぞれと思うが、個人的にも、背面にポコッと出っ張ったバッテリ部に、これまでのアップル製品のようなこだわりは感じられなかった。「デザインのアップル」への期待の高さゆえかもしないが、「なにこれ? 」という驚きと、「アップルらしくなさ」に興味を持った。

 となれば、今のところバッテリに別段困っているわけではないのだが、iPhone 6sユーザーとしては抑えておかねばならない。表参道のApple Storeで早速購入してみた。価格は11,800円。カラーはホワイトとチャコールグレイの2色だが、今回はホワイトを選択した。

シンプルな外装。通知センターでバッテリ確認

パッケージ

 対応機種はiPhone 6sとiPhone 6。パッケージの中身は、iPhone 6s Smart Battery Case本体と説明書のみだ。

 デザイン上で特徴的なのは、見ての通りだが背面の「出っ張り」で、その中央にアップルのロゴマーク。外装は一般的なシリコン製だが、手触りは良い。背面のカメラ部がくり貫かれているほか、サウンドオン/オフボタンや、ヘッドフォン出力、Lightning端子用の穴があるという一般的なもの。

 内側にはマイクロファイバーの裏地を採用し、iPhoneをしっかりホールドする。また、アップル純正ということで、ケースを装着した状態で、iPhone Lightning Dockなど、Lightningアクセサリーが利用できるように配慮されている。

本体と説明書だけ
本体
右側面に電源ボタン
左側面はボリュームなど
Lightningで充電。ヘッドフォン出力用の穴も
Lightning端子でiPhone 6/6sに装着

 バッテリ容量は1,877mAh。iPhone 6/6sは単体で4G LTE通信が最大10時間、HDビデオ再生が最大11時間とされているが、iPhone 6s Smart Battery Caseを装着することで、LTE通信が最大18時間、ビデオ再生が最大20時間になる。

特徴的な背面デザイン
iPhone接続には見えないが、ケース内に充電中のインジケータ。

 本体とケースを合体すると、ロック画面と通知センターに、本体とケースそれぞれのバッテリ残量が表示される。ケース利用時は、ケース側を充電すれば、iPhone本体側の充電も行なわれる。

ロック画面にバッテリ残量
通知センターにも

出っ張りよりも気になる重さ。ヘッドフォンは刺さらないものも

 ケースは、iPhone 6sを上から差し込むということだけ覚えておけば、さほど戸惑うこと無く装着できる。

上部が柔らかくなっており、上から差し込むように装着

 写真を見た時は、背面バッテリの分だけ厚みが気になりそう、と思っていたが、実際に手に持ってみるとそれほどでもない。確かに厚くはなっているが、ケースのシリコン素材により、iPhone 6s本体よりも滑りにくく、片手で持ってホームボタンを押す場合のバランスも悪く無い。

 それより気になったのは重量だ。Smart Battery Case本体の重量は約100g。iPhone 6sとあせると約242g。数値上は100gの違いだが、iPhone 6s本体に慣れていると、この重量差が大きな違和感に繋がる。自分がスマホと認知している物体より明らかに重いので、慣れるのはなかなか難しそうだ。また、ケースが付いているとはいえ、重くなった分の落下時の不安は残る。

 ケースでは、iPhone 6sのLightning端子脇のスピーカーを塞いでしまうことになるが、音をケースの前面に出すためのスリットも付いている。Apple Musicで音楽を聞いてみたところ、ケースを付けると、若干音の勢いがなくなり、音の広がりもなくなる。iPhone単体だと全方位でそれなりに広がるのだが、ケースを付けると前面中心に音が広がるという印象だ。ただ、音量はきっちり出ており、BGM的に使う分には問題無いだろう。

 また、純正のDockなど、Lightning接続のアクセサリー接続を考慮している点は、それら周辺機器ユーザーには魅力的だ。

MDR-1Aは刺さらない

 最も注意したいのは、ヘッドフォン端子について。というのも、ヘッドフォンのプラグ後端が太いものは刺さらない場合があるためだ。

 ケースのヘッドフォン端子部の開口部は約7mmとなっており、さらに、ケースの端子部からiPhone 6sのヘッドフォンジャックまで、10mm弱の空間がある。そのため、プラグの後端が太いイヤフォン/ヘッドフォンだと、ケースに邪魔されてプラグがiPhone側のジャックまで届かないのだ。

 例えば、ソニーのヘッドフォン「MDR-1A」はプラグ後端が太すぎて刺さらない。基本的にL字プラグのイヤフォンはかなり厳しいようだ。

プラグからジャックまで10mm弱

 もちろん、iPhoneの純正イヤフォンは大丈夫だし、ボーズ「SoundTrue Ultra in-ear headphones」も問題無し。多くのイヤフォンは利用できると思うが、お気に入りのイヤフォン/ヘッドフォンが、iPhone 6s Smart Battery Caseで使えるかどうかは事前に確認しておきたい。ソフトバンクセレクションの「SE-1000」はL字プラグでも利用できた。

iPhone純正イヤフォンは問題なし
SoundTrue Ultra in-ear headphonesもOK

 バッテリ駆動時間については、少なくともまる1日不安無く使えるという意味では、十分満足できるし、あまり使わないと1日中100%表示なのは気分がいい。ただ、モバイルバッテリを併用している人にとってはさほどメリットはないかも知れないし、重量とのトレードオフをどう考えるかがポイントになりそうだ。

臼田勤哉