レビュー

Huluをニンテンドー3DSで試す。シンプルで子供に最適

ゲーム機ならではの操作感。画質は今ひとつ

Huluのニンテンドー3DS対応をテスト

 フールージャパンが「今夏予定」としていた動画配信サービス「Hulu」のニンテンドー3DS対応が8月7日に開始された。ニンテンドー3DS向けのコンテンツ配信サービス「ニンテンドーeショップ」から対応ソフトを無料でダウンロードできる。対象機器はニンテンドー3DSおよびニンテンドー3DS LL。

 数ある動画配信サービスの中でも対応機器が充実しているのがHuluの特長で、ゲーム機に関してはPlayStation 3(PS3)、Xbox 360、Wii、Wii Uに対応。今回は新たに携帯用ゲーム機としてニンテンドー3DSに対応したことで、PlayStation Vitaを除く現行ゲーム機をほぼすべてサポートした。これまでのHuluのユーザーであれば、月額980円の料金そのままで、ニンテンドー3DSでもHuluが楽しめるようになる。

 なお、これまでのゲーム機対応は米国が主導で進めていたのに対し、3DS対応は日本が先行して進めているとのこと。

ソフトは無料でダウンロード。サービスも1カ月はトライアルで無料に

 サービスリリース時点では、ニンテンドーeショップへアクセスするとHuluがトップページに表示。また、3DSの「すべてのソフト」または検索からアクセスが可能だ。

ニンテンドーeショップからHuluソフトを表示
ダウンロードに必要なブロック数は123ブロック

 初回起動時は既存ユーザー向けのログインか、新規ユーザー向けの無料トライアルを選択。無料トライアルの場合、画面に表示されるアクティベーションコードを「http://hulu.jp/promo/3DS」へ入力することで期間限定ながら無料でHuluを利用可能。トライアル期間は通常2週間だが、3DSから登録したユーザーはトライアル期間が1カ月に拡張される。

Huluソフト
初回起動時はログインか無料トライアルかを選択
アクティベーションコードを入力すると1カ月無料で利用できる
既存ユーザーはIDとパスワードを手動で入力

 なお、すでにHuluアカウントを持っているユーザーの場合は無料トライアルは利用できず、IDとパスワードでのログインが必要。IDとパスワードを手動で入力する必要がある。

3DSのボタンを活かした操作体系。機能は非常にシンプル

Huluのトップページ

 ソフトを起動すると下画面には動画の一覧が、上画面には動画の詳細が表示され、3DSの2画面を活かした構成になっている。各ボタンにも機能が割り当てられており、Yボタンが検索、Xボタンがドラマなどシリーズ作品の最新エピソードを見ることができる。「続きを見る」機能にも対応しており、PCやスマートフォン、他のゲーム機などで中断した続きを3DSで視聴したり、マイリストに登録した動画を登録した端末同士で共有することも可能だ。

 一方でこうした基本機能以外の設定はほとんどなく、メニューから選べる設定はログアウトだけと非常にシンプル。字幕の表示オンオフや動画のビットレート設定といった、他のゲーム機では設定できる機能が3DSでは利用できない。

メニュー画面。マイリストや視聴履歴、動画のカテゴリーを選択して視聴できる
設定で利用できるのはログアウトのみ

 なお、設定画面には表示されないものの、動画のジャンルで「キッズ」を選択した際には画面上部にキッズロックボタンが表示され、Huluのパスワードがなければキッズジャンル以外の動画を視聴できないよう設定することが可能になっている。子供向けの機能としては非常に魅力的な機能だが、キッズロックを説明する文字が重なって表示されたり、ロックを解除する際に、3DSの文字入力が起動すると画面グレーアウトして文字がほとんど読むことができないなど、細かい点での作り込みが気になった。

「キッズ」動画はメニューの横に「ロック」ボタンが表示される
ロック中はキッズカテゴリの動画のみ視聴可能
ロック中はメニューボタンが非表示となる
ロック解除時は画面上部がグレーアウトされ説明が読みにくい
パスワードを入力してロックを解除すると画面を読むことができる

 Huluソフトの起動や画面表示はさほど高速ではなくサムネイルの読み込み速度も待たされる感はあるが、我慢できないほど遅いというほどでもない。3DSのニンテンドーeショップの動作と比べるとやや遅さを感じる、といった印象だ。

動画の再生画質は低め。2画面を生かし切れていない部分も

 動画の再生時は上画面が動画、下画面が操作エリアとなっており、操作エリアには、映画の概要に加えて早送り、早戻し用のバーが表示される。また、Bボタンを押すと一時停止、Aボタンで再生、十字ボタンの左右を押すと10秒単位でのシーンスキップが可能だ。こうしたボタンを活用した操作はゲーム機ならではの部分で、3DSを使っているユーザーなら直感的に操作できるだろう。

動画を選択
動画の再生画面
スキップ時はサムネイルでスキップ先のシーンを確認できる

 動画再生時の画質は、上画面の解像度が800×240ドットと、横に広いものの縦は240ドットしかないこともあり画面や字幕がややぼやけて表示される。また、字幕に関しては大きめに表示されることもあって十分に認識可能だが、動画の中に登場する新聞や看板といった文字は視認性が低く読みにくい。

 なお、Huluを視聴する際は常にインターネットに接続する必要があるが、回線にフレッツ光、ルータにフレッツ光向けルータ「RV-A340NE」を利用し、10Mbps以上が安定して出る環境でも、動きの速いシーンでは時折ブロックノイズが発生したり、再生が中断されることがあった。

 また、スマートフォンのテザリングを利用して外出中に視聴したところ、実効速度で8Mbps近いLTE環境であれば問題なく視聴できたが、1.8Mbps程度の3G環境ではアプリ自体は表示されるものの動画はエラーが出て再生できなかった。3DS版では画質を変更する機能もないため、ビットレートを下げて視聴することもできない。基本的には通信速度の安定した自宅などで見るのがいいだろう。

 細かな点では3DSならではの2画面を生かし切れていない点も気になった。動画再生中は操作エリアが下画面に表示されるため、動画の上に早送りバーが重なってしまい気がそがれる、ということもないものの、動画を一時停止した際には停止画面が上画面に表示されてしまうため、字幕や画面を止めてしっかり読みたいという時に不便を感じた。

下画面が表示されている時は上画面に「一時停止」のみ表示
下画面が非表示の際は一時停止に加えて説明文を表示。字幕に重なって字幕を読むことが出来ない場合も

画質を気にしなければ使用感は十分。子供向け端末として最適

 ゲームのインターフェイスを利用した直感的な操作や2画面を利用した画面表示などは使いやすい一方、もっとも重要である動画自体の画質が低いのが残念。インターネット接続環境が前提ということもあり、利用シーンも宅内が中心となるため、動画を楽しみたいユーザーであればスマートフォンやタブレットなどを活用したほうが便利だろう。

 一方で、スマートフォンを持っていない子供が動画を楽しむ、という使い方であれば、キッズロック機能を使うことで安心して子供にHuluを見せることができる。動画を視聴する新たな環境というよりも、子供に安心して与えられるHulu視聴端末、という位置付けと感じた。

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、DTCP-IP周りのネット連携や動画配信サービスなどが興味分野。ライター以外にもネット家電ベンチャー「Cerevo」スタッフとして活動中。個人ブログは「カイ士伝」)