レビュー

家を建てたら4Kでしょ! 55型4K VIERA「TH-55CX800」体験記

大きくてきれいなのはいいことだ

新築した我が家に、55型VIERAを導入

 6月に着工したニュー我が家が、ついにこの11月、ほぼ完成した。「ほぼ」というのは、まだ細かい修正なり外構工事なりが残っているからだが、それはともかく、新居に住み始めたら真っ先に導入したいと思っていたことがあった。それは、デカい最新テレビに替えること。4年前に購入した37インチのフルHDテレビは、これまで住んでいた部屋の広さから考えれば、機能、性能、サイズのいずれも特段不満はなかったのだけれど、新居となるとやっぱり新調したくなるわけで。

 ただし、こぢんまりとしたささやかな一戸建で、部屋がすごく広くなるわけでもない。なので、単にデカいよりは最新であることが重要。つまりは「家を建てたら4Kでしょ!」ということで、そんな話を編集部にしたところ、引っ越しから1週間、荷物整理が半分も終わっておらずカオス状態の我が家に、パナソニック最新の55型4KテレビVIERA「TH-55CX800」が送られてきた。

「VIERA TH-55CX800」がやってきた!

開梱後、15分でセッティング完了

 VIERA TH-55CX800は、カタログ上はAX900シリーズに次ぐ4K対応のVIERAのうち中級機に位置付けられるCX800シリーズ。センターにあるスリムなスタンドでまっすぐ自立させる「フラットデザイン」タイプだ。兄弟機としてCX800Nという型番の製品もあり、そちらは脚がテレビ本体の左右端に固定され、上向きに3度の傾斜が付いている、低い場所に置いて見るのに適したモデル。そういう意味では、今回のCX800は性能的にもデザイン的にも、4K VIERAど真ん中の中核モデルだ。

CX800のスリムで目立たないスタンド

 液晶は、視野角の広い高輝度IPS。明るい色、暗い色、淡い色まで忠実な色再現を実現するパナソニックの独自技術「ヘキサクロマドライブ」に加え、引き締まった黒や高コントラストを再現するバックライトエリア制御により、画質は上位機種に迫るレベル。
 地上/BS/CS110度デジタルチューナを各3個ずつ内蔵し、外付けHDDを接続して2番組同時録画も可能となっている。

 4K放送のチューナーは内蔵していないが、スカパー! 4Kなどは別途チューナーを用意することで受信でき、その他YouTube、アクトビラ、Netflix、ひかりTV 4Kといった4K対応の動画配信サービスも本体だけで利用できる。dTVにも後日対応予定

意外に重すぎないぞ、CX800。でも壁もテレビも傷つけたくないので、慎重に

 そんなわけで我が家へやってきたVIERA、配達されてきたものは当然ながら以前使っていたテレビよりも明らかに大きく、とりあえず1階の部屋に仮置きしたところで途方に暮れてしまった。しかし、とにかく我が家で初の4Kテレビ体験を始めるには、リビングのある2階へ運ばなければならない。かなりの重労働が予想されたが、55インチの巨体を持ち上げてみると意外や意外、難儀するような重さではなく、1人で余裕で運べるレベルだった。

 カタログ重量の約22kgという数字から想像するずっしりさはそこまで感じられず、ちょっぴり拍子抜けするくらい。とはいえ、落としたり壁にぶつけたりしないよう慎重に運ばないとならないので、力はそれなりに必要だ。ただし、いずれは部屋を模様替えしたり、ちょっと位置調整したいような時にも、このやや控えめな重さはメリットになりそう。

 リビングに運んだ後はセッティング。既存のテレビで使っていたアンテナケーブルの長さが少し足りなかったので、新たにアンテナケーブルを作り直すという手間はかかった(わざわざ手間をかけた)ものの、それを除けば梱包を解いてからスタンドを本体にネジ留めし、電源を入れるまで、カメラで随時撮影しながらでもたった15分しかかからなかった。購入した店舗によっては設置サービスもあるだろうし、今回のように自力でセッティングすることになってもそれほど苦労することはないはずだ。

アンテナケーブルを作ってみる。といっても好きな長さにカットしたケーブルの両端に接栓を取り付けるだけなのだが、既製品とは違い、必要な分だけの長さにできるのが利点
地上デジタル放送用とBS/CS110度デジタル放送用のケーブル2本が完成!
脚をネジ留めしているところ。プラスドライバー1本でOKだ

目を見張る美しさ。気持ちいい操作感

 以前からテレビを載せて使っていた、幅2mの自作AVラックにVIERAを設置するにあたっては、小型のオーディオスピーカーを脇に避ける必要があったものの、VIERA自体は余裕で載せることができた。とはいえ、やはり従来の37型テレビとは全く次元の異なるサイズ。写真ではなかなかそのインパクトが伝わりにくいので大げさと思われるかもしれないけれど、間近で見るともはや壁の半分くらいがディスプレイになったかのよう。反対に37型の方は、とたんに寝室用のセカンドテレビっぽい雰囲気になってしまった。

これまで使っていた37インチフルHDテレビと並べてみる。大きさの違いは歴然
こちらは37型
こちらは55型の「TH-55CX800」
今度は子供の大きさと比べてみよう。こちらは37型
55型。その大きさに呆然としているのか、わが娘よ

 アンテナケーブルと電源ケーブルをつないで、ついでにインターネットアクセスのためのLANケーブルも接続し、いざ電源オン。もちろん最初は初期のチャンネル設定を行なわないと何も映らないので、リモコンの「メニュー」から「設置設定」を選び、チャンネルスキャンを実行する。

 ここでまず驚いたのが、地上デジタル放送のチャンネルスキャンにわずか40秒程度しかかからなかったこと。電源を入れた後、ほとんど待たされることなくテレビを見始められるのは、けっこううれしい。

アンテナケーブルを2本接続
チャンネルスキャンを開始。コーヒーでも飲んで待つか、と思ったら、40秒ほどで完了
ついでに録画用の外付けHDDも取り付けておこう

 また、チャンネル切り替えボタンを押してから実際に映像が表示されるまでのタイムラグは1秒弱、さらに電源投入から映像が表示されるまでの時間に至っては、なんとたった2秒程度と超高速。メニュー操作のレスポンスについても、もたつくところが一切ないので使っていて気持ちがいいなあ、というのが最初の印象だ。

 最新のテレビを、4〜5年前の製品と比べてみると、こうした細かいところでの進歩が、結果的にストレスの少ない使い勝手に繋がっているように思う。

映った!
映った!(大切なことなので2度言いました)
メニュー操作もサクサク快適

 そしてテレビ放送の映像は言うまでもなく美しい。視聴したのは、主に地デジ放送やBDビデオだが、フルHD以下の映像ソースも美しく4K化されており、55インチの大画面に近づいて見ても、テレビ映像のざらつきはあまり感じられない。

 特に分かりやすいのが、テロップのエッジ。本来なら階段状にガタガタのドットが見えるであろうその部分が、ナチュラルに処理されていることに気付く。それでいて輪郭がぼやけているわけでもないのが不思議なところ。以前は「テレビ放送が4Kじゃないのに、4K対応テレビなんて意味がない」という議論もあったが、従来以上の画質でテレビが見られるのなら、そこに十分な価値があると思える。

映像設定は素直に「リビング」モードを選択。スタンダードより抑え気味で、自然な発色に感じる

 真夜中に、映像設定をいくつか試しながら地上デジタル放送をしばし堪能。視界一杯に広がるかのような画面に、小1時間引き込まれてしまった。明暗のコントラストの大きい場面、ビビッドかつカラフル色、きめ細かな風景、アニメーションの繊細で滑らかなライン、どこを見てもイイ。一度、大画面4K化してしまうと、37インチには戻りたいとは思えない。

 この大迫力に子供は驚くのでは? と思っていたのだが、どうやらそれほどでもなく。最初は見上げるように見ていたが、すぐに慣れたようだ。新居に引っ越したばかりで、いろいろ環境が変わっている中なので、当然のように受け入れているのだろうか。ただ、VIERAの狭額縁なデザインは、インテリアの馴染みもよく、この辺りも最新テレビならではの洗練といえるのかも。

 ちなみにCX800はオープンOSのFirefox OSを採用しているのも特徴だが、テレビとして使っている限りそんなことは全くと言っていいほど意識することがない。せいぜい「アプリ」ボタンで内蔵のさまざまな機能を実現するアプリを一覧できたり、その中に見慣れたWebブラウザのレッサーパンダアイコンを目にした時に、「これはFirefox OSなんだなあ」と思い起こさせてくれるくらいだ。

「アプリ一覧」というワードはやはりスマートテレビっぽさを感じさせる。見慣れたFirefoxのアイコンもある

気になる4Kネイティブコンテンツ、その映像のスゴさとは?

 で、いよいよ4K対応テレビの“本領”を発揮させてみたいところ。無料で4K映像を見る方法は、YouTubeの4Kコンテンツにアクセスするか、オンデマンド動画配信サービス「アクトビラ」でスタートしている「4Kアクトビラ」を試すことだろう。

 YouTubeについては「アプリ」ボタンを押してから「YouTube」を選び、検索するだけ。また4Kアクトビラについては、リモコンに専用の「アクトビラ」ボタンがあり、これをワンプッシュするだけですぐにアクトビラにアクセスし、初回のユーザー登録を済ませば、使い始められる。

ネット接続をテストしてから……
「アクトビラ」にアクセス
「4Kアクトビラ」のコンテンツ一覧
思わずテレビに近づいて見てしまう

 4Kのコンテンツ自体はまださほど多くはないものの、無料で視聴できるものもあるので、ひとまず4K本来の実力をチェックしてほしい。当たり前だが、テレビ放送とは別次元の画質のネイティブ4K映像が眼前に広がるはずだ。

 家電量販店などで見るのとは違い、パーソナルな空間の自宅リビングで4K映像をフツーに見ることができるという「違和感」がありつつも、その映像美にはずっと感動しっぱなしだ。慣れてくるとその高画質が徐々に普通のこととして受け入れられるようになってくるが、違和感と感動はなかなか薄れない。

 YouTubeの4K画質は玉石混交だが、デジカメやアクションカメラなどで撮影した4K映像をYouTubeにアップロードすると、やはり大画面ならではの迫力が堪能できるはずだ。

 4Kコンテンツで重要なのは、今年9月に始まったばかりの映像配信「Netflix」だ。Netflixの3つある有料メニューのうち「プレミアム」を選べば、月額1,450円とそれなりに費用はかかるものの、4Kのコンテンツも自由に視聴できる。また、Netflixは1カ月間は無料で利用できるので、この機会にまずは体験してみるといいだろう。

「Netflix」も4K対応コンテンツが充実し始めている
「ULTRA HD 4K」のマークがあるコンテンツが4K対応だ

 Netflixの4K対応コンテンツは、「センス8」や「マルコ・ポーロ」など、Netflix制作の独占配信コンテンツを中心とした海外ドラマがほとんどだ。10話以上の連続ドラマが多いのでじっくりと時間をかけて楽しみたい。

 確かに4Kでみる映像はすばらしい。ただ、幾つかの4Kコンテンツでは、ドラマで使われている背景や小道具の“セット感”が目に付いてしまうものも。おそらくフルHDテレビで見ている分には気付かないのだろうが、その“生々しさ”も4Kならではなのだろう。

文字の滑らかさに感動する
立体感のある映像に感動する
リモコンに、白地に赤い文字の「Netflix」ボタンを備える。ちなみに左上端にあるのが「アクトビラ」ボタン

 ところで、こちらも付属リモコンにNetflix専用ボタンが用意されており、いつでも一発で即Netflixにアクセスできる。この「ボタン一発で」というのがなにげに重要だ。

 例えば別体のメディアプレーヤー利用だと、まずNetflixなどに対応した外部機器に映像入力を切り替える手間が発生し、さらにその外部機器上のメニューから利用サービスを選んで……といった操作が必要になってしまう。でも、VIERAを使い始めてからというもの、いつも見ているお気に入り番組が放送していない時間帯は、とりあえずNetflixボタンを押してみる、というのが習慣になりつつある。

 ボタン操作の手間が省けるだけでこんなにも使いたくなるのか、と思わずにはいられないほどで、毎日のようにテレビを付けてはNetflixで面白そうな番組を検索中。時間さえあれば片っ端から見ていきたいところだが、引っ越ししてから間もないので荷物整理を進めないといけないし、2人の小さな子供の面倒も見なければいけないので、のんびりテレビを見ているヒマがない。だから家族が寝静まった後、毎晩11時から3時くらいまでテレビを見ることになってしまい、寝不足気味である。

最初はソファに座って見ていたのだが
映像の細部が気になるとすぐに近寄ったりしてしまう
しかし慣れてくると、そのうちくつろぎ始め……
すっかりダメ人間になってしまう

意外にもサウンドに満足

 ここまで映像について触れてきたが、サウンドの良さも特筆もの。CX800シリーズでは、2つのウーハーと「クアッド・パッシブラジエーター」と呼ばれる4つのスピーカーなどを組み合わせた「ダイナミックサウンドシステム・プロ」を搭載。アンプ出力も、10W×2ch+10W×2chの総合40Wとかなり強力だ。

 VIERAに初めて電源を入れたのが子供たちが寝静まった後だったため、最初はかなり小さめのボリュームで聞くしかなく、その時は「まあこんなもんか」と思っていた。が、昼間、あまり気を使わずにボリュームを上げられる状況で徐々に音を標準的なレベルまで大きくしていくと、印象は全く違うものとなった。薄型テレビから出ているとは思えない響くような重低音と繊細な高音が、気持ちの良いメリハリと透明感で部屋中に広がっていくような感覚が得られたのだ。

 正直CX800のスペックを見た時に、残念だったのが、アナログ音声出力端子を備えていないことだった(光デジタルやイヤフォン出力は装備)。というのも以前のテレビでは、本体スピーカーを諦め、アナログ音声出力からアンプを介して、外部スピーカー出力していため、音質にはそこそこ満足していた。アンプにはデジタル入力が無いため、従来通りアナログ出力して、そのまま使い続けたかったのだ。

 しかし、本体のスピーカーでこのクオリティが得られるのであれば、しばらくはテレビから外部スピーカーに接続して使わなくても良さそう。テレビはテレビのスピーカーで、音楽鑑賞はそれ用のスピーカーで、と、使い分ける形でもいいかな、と思い始めている。少なくとも、本格的なサラウンド環境を構築しない限り、VIERAのサウンドの臨場感で十分楽しめる、と思えるからだ。ちなみに、迫力が欲しい時に多少の大音量でも近所迷惑にならないのは、新築一戸建てならではのメリットかも、などと改めて思ったりもした。

テレビは大きいほど、解像度が高いほど、イイ!

 CX800はテレビとしての性能に加え、各種映像配信サービスに対応するなど、機能面でもポテンシャルの高いスマートなテレビだ。その実用機能を1つ挙げるとすれば、音声認識によるリモート操作が注目ポイント。通常のリモコンの他に、「音声タッチパッドリモコン」というタッチ操作可能なシンプルデザインのリモコンも用意されていて、これに内蔵されているマイク(やテレビ本体にも内蔵されているマイク)に向かって「電源オフ」や「音量アップ」と話すだけで、テレビ本体を操ることが可能なのだ。

従来型のリモコンと音声タッチパッドリモコン
音声タッチパッドリモコンはボタンが少なく、かなりコンパクトだ。ちょっぴり湾曲した形状になっているのもおしゃれ
タッチパッド部分でカーソル操作が容易に行える

 その時利用している画面や機能によって使える音声コマンドは変わってくるが、例えば「○○をYouTubeで検索」としゃべるとYouTube検索を実行することができ、しかも認識率も高い。あまり早口でしゃべってしまうと誤認識することがあるので、単語ごとに区切るような話し方をするのが良さそうだが、ほとんど手ぶらでテレビを操作できるのはなかなかに次世代感があって、ガジェット好きの筆者としてはフルに使いこなしたくなってくる。

 というわけで新築一戸建てに導入してみた4Kテレビ「TH-55CX800」。目の前で見た時の迫力はもちろんだが、55インチというサイズのおかげで、5〜6m離れたキッチンからも番組内容をしっかり把握できるという、大画面のありがたみも再認識している。最初は大きすぎるかな、という気持ちだったのが、慣れと欲というのは限りがないもので、「もっと大画面でもいいかも」なんて思ってしまう始末。テレビというものはおそらく、大きければ大きいほど、良い物なのだ(設置できれば)。

離れたキッチンからしっかり見えるのも、大画面の素晴らしいところ
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TH-55CX800

(協力:パナソニック)

日沼諭史

Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、現在は株式会社ライターズハイにて執筆・編集業を営む。PC、モバイルや、GoPro等のアクションカムをはじめとするAV分野を中心に、エンタープライズ向けサービス・ソリューション、さらには趣味が高じた二輪車関連まで、幅広いジャンルで活動中。著書に「GoProスタートガイド」(インプレスジャパン)、「今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典」(技術評論社)など。