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【新製品レビュー】

“最高峰ウォークマン”の音質/画質、使い勝手を試す

−有機EL+タッチUI+ネットの新体験。ソニー「NW-X1050」


4月25日発売

標準価格:オープンプライス

実売価格:39,800円(NW-X1050)
     49,800円(NW-X1060)


 「ウォークマン最高峰」と銘打ってデビューした新モデル「Xシリーズ」。「音質」、「画質」、「操作」、「コンテンツ入手」の4つの体験変革を図ったという意欲的なフラッグシップシリーズとなっており、新機能や魅力的な特徴が多い。

 オーディプレーヤーやビデオプレーヤー、ワンセグTVなどさまざまなメディアに対応しているが、主な特徴を列挙すると以下のとおりとなる。


  • 3型有機ELディスプレイ
  • ソニー独自のデジタルアンプ「S-Master」
  • デジタルノイズキャンセル機構
  • タッチパネル+ボタンの「ハイブリッドオペレーション」
  • ドラッグ&ドロップ転送対応
  • 無線LAN
  • ブラウザ/YouTube機能
2色のカラーバリエーションを用意

 無線LANの搭載や、大型ディスプレイ/タッチパネル採用、動画対応など、直接の競合として真っ先にイメージするのは「iPod touch」だろう。ただし、ワンセグチューナ搭載など、日本向けウォークマンならではの機能もある。もちろんS-MasterやデジタルNCなど、独自技術の活用もソニーならではのことだ。

 注目したいのは、ドラッグ&ドロップ対応という点。1月のCESで、ハワード・ストリンガーCEO基調講演で、「標準技術によるオープン化」を強く打ち出した、ソニーの戦略を体現するものともいえる。

 ラインナップは、内蔵メモリ16GBの「NW-X1050」と32GBの「NW-X1060」の2製品で、ボディカラーもブラックとレッドの2色を用意。実売価格はX1050が39,800円前後、X1060が49,800円前後で、iPod touchの16GB 35,800円、32GB 47,800円とほぼ同じ価格帯となっている。今回、16GBモデルで”史上最高峰”ウォークマンを体験した。


■ デザインにこだわり。「鉱物をイメージ」した独特の質感

主な同梱品

 ボディは、「永久不変の価値。鉱物をイメージした」という独特の質感のもので、側面はザラザラと石のような手触り。指に引っかかる感覚は普通のポータブルプレーヤーと一線を画している。

 ディスプレイ部は、3型/240×432ドットの有機EL。コントラスト1万:1という性能をいかしたワンセグやビデオの再生が可能となる。前面にHOMEボタンを装備。表面および背面は、光沢仕上げで、前面にはガラスパネルを張り、内部にラメを施したデザインを採用している。側面のざらざら感と表面のつるっとした印象が、独特の雰囲気を感じさせる。

 側面のざらっとした質感が苦手な人にはSonyStyleモデルで対応。職人による磨き仕上げの「アイスブラック」ボディとのことで、クロムをレーザービームで蒸発させ、その成分を筺体の前面や背面に蒸着させることで光沢感のある筺体を実現。本体側面にはアイスブラックのメッキ加工を施して、丁寧に研磨したという。

 右側面にはボリュームボタンと、NC ON/OFFボタン、上面に再生/停止とスキップ/バックボタン、背面にHOLDスイッチを備える。タッチパネルも採用したウォークマンXだが、音楽再生時を中心に画面を見ることなく基本操作が行なえるというのも「ハイブリッドオペレーション」の特徴だ。下面にはWM-Portを備えている。

 外形寸法は97.4×52.5×10.5mm(縦×横×厚み)、重量は約98gで、機能的に近いと思われる第2世代iPod touch(110×61.8×8.5mm/115g)と比較するとかなり小ぶりだ。


3型/240×432ドットの有機ELディスプレイを装備。前面にHOMEボタン 前面にガラス加工とラメを配している 右側面にNCスイッチとボリュームボタンを装備
側面の加工は凹凸を活かし、鉱物をイメージしたデザイン 上部にヘッドフォン出力や、スキップ/バック、再生ボタン HOLDスイッチ
背面には光沢加工を施している クレードル用アタッチメントも付属 SonyStyleモデルの「NW-X1060/BI」

 イヤフォンは、13.5mm径のマイク付きノイズキャンセル対応「EXヘッドフォン」。このイヤフォンは「NW-X1000シリーズ以外では利用できない」、とニュースリリースには書いてあるが、iPod touch(第1世代)に接続したところ、NCは効かないものの普通に音楽を再生することができた。

 ケーブル長は105cmで、ワンセグ用のヘッドフォンアンテナを利用すると、若干長くなる。ヘッドフォンジャックも新開発し、従来のNC対応製品より小型化したという。通常のイヤフォンももちろん利用可能だ。なお、付属イヤフォンのケーブル被膜のぶよぶよとした質感は、従来のウォークマンと異なっているように感じた。

第2世代iPod touch、iPhone 3G(右)との比較 iPod touchとの比較

 


■ 楽曲転送はシンプルに。操作性に優れた新インターフェイス

 まずは、ウォークマンの基本と言える音楽再生機能から試してみよう。対応オーディオ形式はMP3/HE-AAC/AAC/WMA/リニアPCM/ATRAC/ATRAC Advanced Lossless。注目したいのがドラッグ&ドロップ対応ということ。今回も転送ソフトとして「SonicStage V」が付属するが、これを使わなくても楽曲転送が可能となった。

エクスプローラからウォークマンのMUISCフォルダにコピーするだけで転送完了

 つまり、Windowsであればエクスプローラからウォークマンの[MUSIC]ファイルコピーが行なえる。それだけでなく、Mac OS Xからも同様にファイルコピーが可能だ。SonicStageも自動アルバムアート取得などの機能が豊富で、使い勝手は向上しているのだが、転送速度の遅さなど解消されない問題も多い。これを“使わなくてもよい”ということになったのはユーザーの選択肢を広げるという点で、非常に大きな前進だ。

 まずは、ドラッグ&ドロップ(D&D)で実際に転送してみた。転送速度はSonicStageに比べるとはるかに高速だ。なお、D&D転送の場合は、MUSICフォルダ以下の最大8階層までのフォルダに記録したファイルを認識/再生できる。ただし、プレイリストは転送できない、著作権保護付きファイルの転送ができない、SonicStageからは管理することはできないなどの制限がある。

 また、フォルダ階層をそのまま表示して、検索するようなフォルダ管理機能はなく、楽曲のタグ情報を元に管理しているようだ。なお、Macintosh(Mac mini)でも楽曲転送を試したが、問題なくウォークマンに転送でき、認識もされた。

ドラッグ&ドロップ時の動作について ドラッグ&ドロップでできることと注意事項 Mac miniにウォークマンXを接続。問題なく楽曲を転送できた
SonicStage Vも利用可能

 ドラッグ&ドロップ対応とともに気になるのは、他のプレーヤーソフトでも利用できるのか、ということ。まずは、Windows Media Player 11で転送してみたが、全く問題なく[MUSIC]フォルダに転送できた。ドラッグ&ドロップの場合、楽曲数が増えると管理がかなり大変になる。手持ちのパソコン用プレーヤーソフトを活用できるというのはかなり大きい。

 もちろんソニーのサポート対象外の使い方になるが、個人的にはWMPを使ったほうがよさそうと、と感じた。ただし、WMP11で作成したプレイリストについては再生できなかった。

 iTunes 8.1については、残念ながら転送先にウォークマンが出てくることはなかった。ただし、iTunes上のアルバムアートや楽曲を選択し、ウォークマンの[MUSIC]フォルダにドラッグすると、楽曲のコピーは行なえた。この場合フォルダ構造などは引き継がないので、すべてのアルバムを選択してコピーすると1フォルダに1,000以上の曲ということにもなってしまうが、運用次第ではiTunesを活かしたウォークマンの使いこなしも可能だろう。

Windows Media Player 11からも問題なく転送できた iTunesからはウォークマンが検出されない iTunesからウォークマンのMUSICフォルダにコピー

・新UIの操作性は良好。レスポンスも良く、専用ボタンに魅力

メインメニュー

 ホームメニューから、音符のアイコンをクリックすると、ミュージック機能が立ち上がる。音楽再生時や楽曲検索は基本的に縦位置で操作する。画面下の4つのアイコンで、「全曲検索」、「検索モード選択」、「おまかせリンク」、「設定」を選択できる。

 検索モードは、全曲/アルバム/アーティスト/ジャンル/リリース年/プレイリストが用意されている。基本的なメニュー構成やデザインは、2008年モデルの「NW-A820」などとあまり変わらないのだが、アイコンを見ながら検索モードやアルバムなどの項目をタッチしていくという、タッチパネルを活かした操作体系になり、より直観的に曲を選べるようになった。また、操作レスポンスの良さも特筆に値する。メニュー移行速度も早く、小気味よい楽曲検索が検索が行なえる。地味な改善にも感じるが、最も利用頻度の高い機能だけに重要なポイントだ。


ブラウズモードから検索方法を指定 全曲検索 アーティスト検索 音楽再生画面 再生中に音質調整も可能

 また、新搭載の「ジャケット写真スクロール」が気持ちいい。音楽再生画面でジャケット写真をタッチし、上下に振るとなめらかにジャケット写真をスキップして表示してくれる。iPod touch/iPhoneの「CoverFlow」への対抗意識がうかがえるインターフェイスだが、指の動きにあわせて若干斜め方向に傾きながらスクロールするなど、立体感を見せる工夫を感じさせるのがおもしろい。使い勝手という意味でも優れており、縦方向になぞった速度にあわせて、早くなぞれば高速に、ゆっくりとなぞるとゆっくりとスクロールし、通常のアルバム検索モードとして十分利用できる。

ジャケット写真スクロール

再生画面にもスキップやバック、停止などのアイコンがオーバーレイ表示される HOLDスイッチの適用範囲を「全操作無効」と「タッチパネルのみ」から選択できる

 再生画面には、楽曲名/アーテイスト名/アルバム名、アルバムアート、再生時間、再生モードなどを表示。再生モードはシャッフル/リピートなどを一通り装備。また、画面をタッチするとアルバムアートにオーバーレイする形で、スキップ/バックや停止のアイコンが現れ、操作が行なえる。

 楽曲検索は、タッチパネルを利用することになるが、ボリューム操作は本体右脇のボタンを利用。停止やスキップなどの基本操作は本体上部の専用ボタンも利用できる。停止したい時などにわざわざ画面を見なくても、操作できるというのは魅力的だ。

 ただし、タッチパネル動作しないようHOLDにしているとボタンを押しても動かないので、ちょっとした操作時に、「解除」、「ボタンを押す」、「再びHOLDする」と、3ステップの操作が必要になる。こうした問題を回避するために、HOLDスイッチの適用範囲を、タッチパネルを含む「全操作無効」と「タッチパネルのみ」から選択できる。「タッチパネルのみ」にしておけばタッチパネルだけをHOLDし、再生/停止、ボリュームなどのハードウェアスイッチはそのまま使えるなど、この操作系の搭載にあたり細かい配慮がなされている。今後は、iPhoneなどで実現しているイヤフォンリモコンのような提案も期待したいところだ。

【訂正】
記事初出時にHOLDスイッチの動作について「全操作無効」についてのみ記載しておりましたが、タッチパネルのみのHOLDも可能なため、追記しました(6月5日追記)


おまかせリンクを呼び出し

 また、無線LAN機能を生かした楽曲関連情報/ビデオ検索機能「おまかせリンク」も装備。楽曲再生画面で下の地球儀のようなアイコンをクリックすると、おまかせリンク画面になり、アーティスト/アルバム/曲名のいずれかの情報をもとに、「Microsoft Live Search」と「YouTube」からキーワード検索ができる。

 Live Searchを選ぶと、楽曲やアーティストなどの関連情報Webサイトの検索結果を、YouTubeを押すと関連PVなどの検索結果を表示する。つまりプレーヤーから直接、楽曲関連のコンテンツをさらに詳しく調べるという、出会いの機会を演出する機能だ。面白いのはYouTube。特段フィルタリングを行なっているわけでもないので、時には大きく外す結果になることもあるのだが、特にライブパフォーマンスやPVなどが画面から直接呼び出せるというのは、なかなか面白い。

 もちろん、同じコンテンツをパソコンのYouTubeから見ることもできるのだが、音楽プレーヤーからダイレクトに検索できるというのは新鮮で、ついついいろいろな曲やアーティストで検索したくなる。ただし、YouTubeにアクセスすると自動的に音楽がOFFになってしまうのが残念。結果として見たいコンテンツがあればいいのだが、そうでもない時に音が途切れてしまい、まだ再生画面に戻るというのは寂しい。それでも、ライブラリの曲に飽きてきた時や、単なる暇つぶしとしても十分楽しめる。今後の展開にも期待したい機能だ。

Live Searchで検索結果を表示 YouTubeで検索結果を表示 YouTubeのおすすめや再生回数の多い動画にもアクセスできる 文字入力機能を使った検索も可能
横位置でYouTubeを再生

 YouTube画質はアップロードされたものに依存するが、有機ELのコントラスト感や黒の深みのインパクトは強い。ストリーミング視聴となるが、回線環境がきちんとしていれば、スキップやバックなどの特殊操作も可能で、レスポンスも良好。実用度は高く、ソニーがアピールする「コンテンツ入手」の変革の最初の取り組みとして、かなり完成度は高いと感じた。



■ 最高峰を感じさせるS-Masterの音質。デジタルNCも効果は大きい

S-Masterの特徴

 また、4つの特徴のひとつに挙げられているのが「音質」だ。ソニーのピュアオーディオや高級AVアンプと同じフルデジタルアンプ「S-Master」を搭載している。

 付属のイヤフォンやソニーのEXモニター「MDR-EX500SL」で、ノイズキャンセルをOFFにして視聴したが、確かに高音質。全帯域にわたる解像感の高さと、セパレーションの良さがすぐに感じ取れる。

  ポップス系では、それぞれの音がきっちりと離れて立体的な音像が体験できる。スネアドラムの硬い響きがキレ良く止まる制動力や、ウッドベースの弦の震え、ジャズピアノのタッチの硬さやニュアンスの違いなど、情報量の違いを確かに体験できる。音場表現もしっかりとしており、クラシックなども楽しめた。抜けが良すぎて好きではないという人もいるかもしれないが、個人的にはとても好印象だ。

 ソースにもよるが高域補間のDSEEは、あまり大きな違いは感じず、正直ON/OFFで聞き分けられる自信はないはあまりないが、クリアステレオはある程度効果が感じられる。音像がきっちり出てくるのでポップス系はONでいいと思う。ライブ盤など再生時の曲間ギャップは若干感じられる。

付属イヤフォン プラグは6極の特殊形状 プレイモードやDSEE、VPTなどを選択できる


 「音」に関するもう一つの大きなポイントはデジタル方式のノイズキャンセル機構を搭載したこと。これは、同社のデジタルNCヘッドフォン「MDR-NC500D」の技術を応用したもので、従来のアナログ方式では約75%のノイズカットが可能だったが、X1000シリーズでは約98%のノイズをカットできるとする。

 加えて、「バス/電車」、「飛行機」、「オフィス」の3種類のNCモードを用意。利用シーンにあわせて、最適なモードが選択できるようになっている。

 まず驚くのがノイズキャンセルON/OFF切替時の音の変化の少なさ。NC500DはONのときしか音が出なかったので、デジタルNCでON/OFF切替ができる製品は初になるのだが、違和感がほとんどない。効き始めの圧迫感もなく、自然に切り替わるため、すぐにどちらで聞いているのかわからなくなるほど。

 NCオンだとやや中低域の厚みがでてきているようにも感じる。ただ、それほど気にならない。また、「バス/電車」、「飛行機」、「オフィス」の各モードの違いは、確かに聞きはじめはあるように思えるのだが、一様にノイズキャンセルされるので、電車内で「オフィス」と「バス/電車」のどちらでもいいかな、という気になってくる。飛行機は最初の圧迫感を感じるが、それ以外は大きな音質の変化はない。

 地下鉄のモーター音やロードノイズはかなりきっちり削減され、深夜のファミレスで、皿を洗う音もかなり小さく、BGMもはるか遠くに聞こえる程度に。ただし、NCの効果が大きいとはいえ、きっちりとフィットしたイヤーパッドを選ぶことが最も重要だ。

環境設定で3モードを選択 NC効果は30段階で設定可能 外部入力モードの切り替えも可能

 なお、MDR-NC500Dで搭載していた自動モード切替機能「AI」は備えてない。ただ、基本的にはどのモードを使っても問題なさそうだ。また、各モードで±15段階の強度切り替えができる。さすがに+15にすると圧迫感はかなり強くなるので、利用シーンにあわせて設定したい。

 また、飛行機での就寝時などに音楽を聴かずに外部騒音だけをカットする「サイレントモード」も装備。別売の録音ケーブル「WMC-NWR1」を利用して、ウォークマン以外で再生した音楽などにNCをかけることができる「外部入力モード」も備えている。

 


■ 鮮烈な有機ELの画質。ワンセグ系の機能強化が嬉しい

輝度調整機能を装備している

 ディスプレイが有機ELということで、輝度が低いのではないかと想像していたが、そんなことはない。むしろ室内などでは明る過ぎるほどだ。

  5段階で輝度が切り替えられ、5にしておけば日中でも少し手で影を作れば視認できる。やや暗い午前中の電車内などでは目立ち過ぎるほど明るいので、周辺照度にあわせて自動的に輝度を変更するようなモードもほしいと思うほどだ。

 対応ビデオファイルは、MPEG-4 AVC/H.264とMPEG-4、Windows Media Videoで、「VIDEO」フォルダに転送するだけで認識される。また録画したワンセグ番組も視聴可能。さらに、ソニーのBDレコーダ「BDZ-A750/A950」などで録画し、ポータブル機器向けに「お出かけ転送」したデジタル放送番組も再生できる。

 AVCはBaseline Profileに対応し、解像度は最高320×240ドット、ビットレート768kbps、フレームレート30fpsまでのAVC動画が再生できる。 MPEG-4はSimple Profileで320×240ドット/2.5Mbps/30fpsまでのファイルに対応、WMVは、VC1 simple profileで最高480×270ドット/1,700kbps/30fpsまで、main profileで320×240ドット/5,000kbps/30fpsまで再生できる。

ビデオの検索画面。全てのビデオ、ワンセグビデオなどの項目を用意する ジャンル表示 すべてのビデオ 一覧の並び順変更や削除も可能
再生画面は横位置。GUIを表示し、外の矢印でチャプタ送り、中の矢印が早送り/戻しが行なえる

 ビデオの検索画面は、全てのビデオ/ジャンル/ワンセグビデオ/おでかけ転送など/VIDEOの各モードが用意されている。ワンセグ録画番組はワンセグビデオに、パソコンからVIDEOフォルダに転送した場合はVIDEOに収納される。ジャンルはワンセグの番組情報などを取得して分類しているようだ。

 ビデオ再生時は横位置表示に固定。音楽再生時と同じく、パネルに触れると操作パネルがオーバーレイ表示され、早送りや停止などの操作が行える。またワンセグ録画やおでかけ転送番組で自動付与されたチャプタも認識。CMスキップが可能なチャプタスキップ用ボタンも用意されている。

 画質はポータブルプレーヤーとしては際立っており、黒の沈み込みとコントラスト感、色純度など、有機EL採用のメリットをそこかしこに感じられる。ワンセグの場合はフレームレートが15fpsと物足りず、多くの機器では画質に不満を感じることがおおいが、X1000では小型サイズということもあるが、かつ強烈なコントラスト感と色表現で、ワンセグと思わせないほどだ。

シーンスクロールも装備 音声付早見も可能となっている

ワンセグ利用時

 ワンセグチューナやFMチューナも装備。ワンセグ用に番組表も装備しており、録画予約も可能だ。感度はauの携帯電話「W51CA」よりもやや良い程度で、京王線内ではある程度途切れるが内容は大体確認できるという印象。字幕表示機能やズーム機能、さらに、録画番組の1.5倍速までの音声付早見機能も備えている。

 受信状態が良い場合のチャンネル切り替え時間は約3秒。ワンセグ機器としては高速な部類だろう。また、録画機能も充実しており、直接録画やタイマー予約、番組表からの録画予約などが可能。また、毎回録画や上書き録画などの設定も行なえる。

 ワンセグ放送のCM部を自動認識し、チャプタ設定する機能も新搭載しており、この使い勝手も非常に良い。さらに、30秒/1分/2分/5分など、任意の時間でシーンを分割し、サムネイル表示する「シーンサーチ」機能も搭載しており、長時間コンテンツなどの視聴時には重宝する。

チャンネルリスト 番組表 番組予約画面 FMチューナも備えている
フォトビューワ機能も備えている

 なお、2008年発売の「NW-S630F/S730Fシリーズ」ではビデオ再生時に横位置で左右回転表示が可能となっていたが、X1000シリーズではできなくなっている。

 写真はエクスプローラから「PICTURE」フォルダに転送するだけで、ウォークマンから閲覧できる。サムネイルの一覧速度などはなかなか高速だが、1,000万画素超のJPEG画像を送ると、さすがに描画にはやや時間がかかる。スライドショーや回転表示機能は省かれている。




■ ネットワーク機能は面白いが、ブラウザはもう一歩の洗練を

アクセスポイントを選択し、パスワードを入力

 IEEE 802.11b/gの無線LAN機能も装備。無線設定機能は「AOSS」には対応していないが、「WPS」に対応。WPS対応のルータであれば、ワンタッチで指定できるという。また、文字入力も可能なため、無線LAN用のパスワードを予測変換機能を利用して、入力することも可能だ。

 今回はアクセスポイントを検索し、パスワードを入力する方法で登録したが、ルータで設定したパスワードを入力するだけで利用できた。パソコンで無線LANを使っている人にとってはそれほど設定は難しくはないだろう。

 また、「BBモバイルポイント」など、公衆無線LANでの設定を省力化するなど、無線LAN機能を活かした工夫を多数施している。


ブラウザはNetFront。表示はしっかりしているが動作は遅い ズーム倍率を上げるとフォントが出ない

 ブラウザはNetFrontで、PC用のページも表示できるが、動作速度はかなり緩慢で、快適なブラウズ環境とは言い難い。画面表示モードも3種類を用意しており、画面を読み込みさえすればしっかりと内容を確認できるが、iPhone/iPod touchのようなレスポンスの良さ、表示のスムーズさはなく、ややストレスを感じる。

 なお、予測変換機能も備えており、URL入力やWeb検索などが可能なため、動作速度さえ我慢すればそれなりにPC向けサイトを閲覧できる。また、Flashは再生できず、コンテンツのダウンロードにも対応しない。YouTube機能と違い、Webブラウズ中も音楽再生ができるなど、良くできているポイントもある。それだけに、動作速度は向上してほしいところだ。

  やはり音楽やビデオ系の洗練された作りに比べると、完成度は高くない。


ブックマークなどの各種機能パネルを呼び出して操作 横位置の表示も行なえる
前述の通り、YouTube再生も可能となっている

 YouTube再生のために専用のアプリケーションも備えており、YouTube内の検索も可能だ。こちらはかなりきびきびと動き、使い勝手はいい。前述の通り「おまかせリンク」を使ったビデオ検索は楽しく、アカウントへのログインはできないのだが、おすすめ動画やランキングなど、いろいろと楽しめる工夫がなされていて好感が持てる。


Media Manager for WalkmanでPodcast設定するのが一番早い

 また、Podcastダウンロードにも対応。「TOKYO FM」、「KISS FM」などのPodcastチャンネルからコンテンツを選べる。ただし、自分でWebページを指定する場合はかなり面倒だ。Webブラウザから任意のページまでアクセスし、登録する必要がある。ブラウザの性能が遅いため、あまりやろうという気が起きない。

 ただし付属アプリケーションの「Media Manager for WALKMAN」上でPodcastを登録してあげれば、ウォークマンと同期後にダウンロード設定などは本体側で行なえる。今のところ、この運用方法が一番使いやすいと思う。

 ネットワーク機能はいろいろ充実しているが、音楽/ビデオ関連の機能に比べると、まだやることは残っていると感じる。機能としての洗練はもちろん望みたいところだし、できればAppleのApp Storeのような広がりを感じさせてくれるといいのだが。


Podcastダウンロードに対応 ポッドキャストダウンロードページ 本体からPodcast更新やダウンロード数など各種設定が可能だ ダウンロード画面

 バッテリ駆動時間は音楽再生時で約33時間。ビデオは再生は約9時間、ワンセグ視聴時が4.5時間、無線LAN/Webブラウザ利用時で約5.5時間、YouTubeでは約4.5時間。

 


■ 史上最高ウォークマンに偽りなし

 音質/画質、操作性といったオーディオ/ビデオプレーヤーの基本要件は非常に高い完成度を誇り、個人的には音質も操作性もベストと感じた。付加機能に頼らず、基本機能だけでも欲しくなる製品だ。それに加えて、デジタルNC、無線LANなどついていない機能を探すほうが難しいほど機能は充実。付加機能の魅力も十分なので、商品力の高さは折り紙つき。ひさしぶりの会心作といえる。

 あえて、付いていないものを上げると、ダイナミックプレイリスト、Bluetooth、それに通話/3G通信機能あたりだろうか。プレイリストにはソフトウェアの対応も必要なので、すぐに対応とはいかないかもしれないが、レコメンデーションやアーティストリンクなどソニーが培った技術も多いはず、ぜひ新たなソニーらしさを感じる提案を期待したい。

 ネット系については、まだやれることがある、と感じるが、音楽機能に取り込んだ「おまかせリンク」のYoutube検索は魅力的。携帯電話網にアクセスでき、いつでもどこでもこの機能が楽しめると、さらに魅力は向上すると思う。

 ドラッグ&ドロップ転送など、ユーザーのアクセスの解放。さらにYouTubeなどの外部サービスとの連携などというオープン化と、S-Master、デジタルNCなどのソニー独自技術を両立しているという点でも新しいソニーの姿を感じさせる。「史上最高ウォークマン」の看板に偽りはない。16GBで4万円。32GBで5万円という価格だけが、躊躇をしてしまう点ではあるが、最高のプレーヤーを求める人とって外せない選択肢が出てきたことは間違いないといえる。


(2009年 4月 17日)


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