【新製品レビュー】

オーテクの新高級イヤフォン4機種を一挙に聴いてみる

-50周年記念の木製や63,000円の「CK100PRO」など


左下から時計回りにアーマチュアの「ATH-CK100PRO」、「CK90PROMK2」、ダイナミック型の「ATH-CKW1000ANV」、「ATH-CKM1000」

 10月に大量の新製品を発表したオーディオテクニカ。創立50周年ということもあり、通常の新製品に加え、50周年記念モデルも多数ラインナップしているのが特徴だ。今回はその中から、イヤフォンの高級モデルに注目する。

 取り上げるのはダイナミック型2モデルと、バランスド・アーマチュア(以下BA)2モデルの合計4モデル。ダイナミック型は「ATH-CKM1000」と「ATH-CKW1000ANV」。型番末尾からも連想できるように、「CKW1000ANV」は「CKW1000」をベースにした創立50周年記念モデルとなる。価格は「CKM1000」が50,400円、「CKW1000ANV」がオープンプライス。発売前だがネットで予約価格を比べてみると、「CKM1000」が39,800円程度、「CKW1000ANV」が45,000円程度で、5,000円ほど記念モデルが高価になっているようだ。

 BAに50周年記念モデルは無く、3基のユニットを搭載した最上位「ATH-CK100PRO」と、デュアルユニットの「ATH-CK90PROMK2」を取り上げる。価格は「CK100PRO」が63,000円、「CK90PROMK2」が26,250円だ。4機種の中で「CK100PRO」だけ頭ひとつ抜けた価格に見えるが、こちらもネットで価格を調べてみると「CK100PRO」が49,800円、「CK90PROMK2」が19,800円程度で予約を受け付けているところが多いようだ。

 なお、発売日は全て11月18日となっている。


型番タイプユニット数価格実売価格
ATH-CKW1000ANVダイナミック1オープン
プライス
45,000円前後
ATH-CKM100050,400円39,800円前後
ATH-CK100PROバランスド
アーマチュア
363,000円49,800円前後
ATH-CK90PROMK2226,250円19,800円前後

ダイナミック型2モデル。左が50周年記念「ATH-CKW1000ANV」、右が「ATH-CKM1000」BAの2モデル。左が「ATH-CK100PRO」、右が「CK90PROMK2」


■ダイナミック型の2モデル

 ダイナミック型から見ていこう。「ATH-CKM1000」と「ATH-CKW1000ANV」に共通する特長は、専用設計の14mm径ドライバを採用する事。筐体デザインや主な仕様も共通だが、大きな違いは筐体の素材。「ATH-CKM1000」はボディにチタンを使い、蓋のようなケース部分にアルミを使ったハイブリッド仕様。「ATH-CKW1000ANV」は、同じくチタンボディに、ウッドケース、つまり木を使っている。

「ATH-CKM1000」はボディにチタンを使い、蓋のようなケース部分にアルミを使ったハイブリッド仕様「ATH-CKW1000ANV」は、同じくチタンボディに、ウッドケースを使っている

 筐体デザインは、豆を人差し指と親指でギュッと潰したような、なんとも言えない形状になっている。この形状は“デザインありき”のものではなく、音質を追求した結果、生まれたものだという。

中央をへこましたような独特の筐体デザインイヤーピースを外したところ「ATH-CKW1000ANV」も筐体形状は同じだ

 変わったデザインだと装着感が気になるところだが、内側の膨らんだ筐体が、そのまま耳穴手前の空間にスッポリ入るため、収まりが良く、異物感は少ない。同時に、耳穴方向に押す力も働いているため、使っていてイヤフォンが抜けてくる感覚もなく、安定感もある。

 ユニットの特徴として、磁気回路にパーメンジュールを使っている。これは、一部のコンプレッションドライバーなどにも使われている高磁性材だ。さらに、音が出てくるノズルの先に、アコースティックレジスターと呼ばれる、いわゆるフィルタを装備。高域特性を改善するためのもので、ステンレス製。音響抵抗を直列配置し、広がりのある再生音を実現するという。

 仕様の比較は下表の通り。数字的なスペックは、出力音圧レベルが若干異なるくらいだ。

モデル名ATH-CKM1000ATH-CKW1000ANV
価格50,400円オープン
ハウジング素材チタン+アルミチタン+ウッド
ドライバ14mm径
ダイナミック型
14mm径
ダイナミック型
出力音圧レベル102dB/mW103dB/mW
インピーダンス17Ω
再生周波数帯域5~30kHz
最大入力200mW
重量(ケーブル除く)約11g
ケーブル0.6m/Y型
(スタッカード撚り線)



■バランスド・アーマチュアモデル

バランスド・アーマチュア・ユニットを3基搭載した「ATH-CK100PRO」

 BAの最上位となるのが「ATH-CK100PRO」。価格は63,000円、実売約5万円と、カナル型イヤフォンとしては高級モデル。同価格帯の他社製品を見回すと、シネックスの「Westone4」やShure「SE535」あたりがライバルになるだろうか。

 BAユニットを3基搭載した、3ウェイタイプ。ウーファ、ミッドレンジ、ツイータで構成されている。特徴は丸みを帯びた筐体にチタンを使っている事。また、ハウジングの根元、ケーブルが出ている部分が可動式になっているのも珍しい。装着方法は、Shureのイヤフォンのようにケーブルを耳の裏に這わせるタイプ。


左が説明書で紹介されている付け方。右が勝手に編み出した付け方。意外に安定する。メーカーが推奨している付け方とは違うのであしからず

 イヤーピースを耳穴に入れた後で、可動部分を耳の出っ張りに乗せるようにすると安定性が良く、異物感も少ない。ハウジングが重めのイヤフォンだが、首を振ったり、軽く走っても問題なかった。なお、これが説明書に書かれた装着方法なのだが、試用しながらイヤーピースを耳穴に入れたまま、本体をクルリと回転させても、可動部分が折りたたまれるような格好になり、上手く装着できる事に気づいた。勝手に編み出した付け方なので、何がどうなってこの安定感が生み出されているのかよくわからないが、個人的には後者の付け方をするとより安定度がアップした。


 また、オーディオテクニカのイヤフォンでは珍しく、ケーブルが着脱式になっている。「SE535」も着脱でき、「Westone4」にも着脱タイプの「Westone4 R」が追加される事を考えると、この価格帯のイヤフォンでは着脱機能が標準的になってきたと言えるだろう。耐久性や音質の違いを楽しむためにも歓迎したい機能だ。Y型で、長さは1.2m。

ケーブルの付け根が可動式になっているケーブルは着脱可能だ

 機構的には音の伝搬効率に優れたホーン形状の導管を採用し、音響放射抵抗を抑え、繊細な音まで表現できるという。出力音圧レベルは109dB/mW。再生周波数帯域は20Hz~18kHz。最大入力は3mW。インピーダンスは39Ω。イヤーピースはシリコンタイプをS/M/Lの3サイズ同梱するほか、コンプライフォームタイプもMサイズを1つ付属する。

いかにもモニターという雰囲気の「ATH-CK90PROMK2」

 「ATH-CK90PROMK2」は、MK2とついている事からもわかるように、2009年9月発売「ATH-CK90PRO」の後継モデルだ。もともとの「ATH-CK90PRO」は、モニターサウンドをテーマに作られたモデルで、外観もいい意味で素っ気なく、プロ向けっぽい雰囲気。

 BAユニットは低域用、高域用の2つを搭載。専用設計のネットワークを使っている。また、導管をホーン形状とした「ACOUSTIC HORN」を採用。空気の振動を放射状に伝えることで音の伝搬能率を向上させるもので、導管が耳に向かって直線状に伸びる通常の方式に比べ、空気の振動の損失を低減し、再生音をより忠実に伝えられるという。
 従来モデルから改良された点は、ノズルのサイズを大きくした事で、低域の再生能力が向上したという。ダンパー素材の改良など、細かいポイントにも手が加えられている。

 再生周波数帯域は20Hz~15kHz、出力音圧レベルは111dB/mW、インピーダンスは37Ω、最大入力は3mW。プラグはステレオミニのL型で、金メッキ仕上げ。ケーブル長は1.2mでY型。ケーブルを除く重量は約4g。S/M/Lサイズのシリコンイヤーピースと、Mサイズのフォームイヤーピースが付属する。




■ダイナミック型を聴いてみる

 再生環境は「第6世代iPod nano」+「ALO AudioのDockケーブル」+「ポータブルヘッドフォンアンプのiBasso Audio D12 Hj」を使っている。

 ●ATH-CKM1000

「CKM1000」

 まずはベースモデルと言える「CKM1000」から。「藤田恵美/camomile Best Audio」から「Best OF My Love」を再生する。低域の量感の豊富さは、さすが14mm径のダイナミック型ユニットモデル。1分過ぎから入るアコースティックベースの「ヴォーン」というボリュームのある中低域が心地よく吹き寄せて来る。同時に「ズーン」と沈み込む最低音の迫力も一級品だ。

 BAに慣れた耳で聴くと、「若干膨らみ過ぎかな」と思わせるバランスだが、中高域もクリアに出ており、低音が全体域を覆ってナローになっているという印象は無い。BAとの差別化という意味では、量感のある低域はアピールポイントとなる。このあたりのバランスは好みの問題だろう。

 同曲の冒頭、シンプルなアコースティックギターの音で、音色のキャラクターをチェック。金属でできたギターの弦は、当然ながら金属的で硬質な音を出すが、その振動がギターのボディに伝わって木の響きが発生。結果として、ギターの音は弦の硬質な音+暖かなボディの反響音の重なりとして聴こえるのだが、その音色の違いがしっかり描き分けられるかどうかを聴いてみる。

 「CKM1000」では、弦の金属感はよく出ており、硬質な高音がクッキリと味わえる。ボディの反響音も極めて豊富だ。だが、注意深く聴くと木の音にわずかに金属的な響きが乗る。この傾向は、女性ヴォーカルが入ってきた段階でも同じで、サ行など、高い声が硬さと冷たさを帯びる。だから良くないのか? と言うと、そうでもなく、CKM1000ならではの独特の爽やかさが生まれており、聴いていると「スーッ」と深呼吸したくなるような、清々しい音になっている。これはこれで、1つの大きな魅力だ。だが、ニュートラルな音色か? というと若干のキャラクターを感じる。


 ●ATH-CKW1000ANV

50周年記念の「CKW1000ANV」

 次に50周年記念の「CKW1000ANV」。ハウジングに木が使われているので、「木のあたたかみのある音が、モコッと出そう」と単純に予想しながら装着すると、意外にも見通しが良く、中低域の膨らみが抑えられた、クリアなサウンドが出てきて驚く。

 先ほどの「CKM1000」の金属質な高域は、ボリュームを上げるとワンワンと響く感じになるが、「CKW1000ANV」ではそうした付帯音がスッと消え、必要な分だけの高域がスッと抜け出る。全体的にサッパリした音だ。冒頭のアコースティックギターの音色は、弦の硬質な音を描写しつつ、その下に広がるギターボディの響きは“木の音そのもの”。両音のキャラクターの違いがしっかり描写されている。女性ヴォーカルも人間的なあたたかさを感じさせる音で、とても自然だ。

 JAZZの「Kenny Barron Trio/Fragile」を再生すると、ピアノの音で違いが顕著。響きの成分が金属的な「CKM1000」では、独特の響きの美しさはあるが、硬い音になるため、ピアノが安くなったように聴こえる。また、音場全体に広がる響きも硬質であるため、そこに意識をとられて低域の動きが見えにくい。「CKW1000ANV」では、そうした点が払拭され、生々しく、バランスの良い再生音が楽しめる。低域の動きも良く見え、沈み込みも深い。高域が派手な「坂本真綾/トライアングラー」でも、「CKW1000ANV」の方が落ち着いた音で描写してくれるため、聴きとりやすい。


「CKM1000」と「CKW1000ANV」。それぞれに魅力がある

 帯域的なバランスの良さ、音色の色付けの無さといった、マニアックな視点で比較すると2機種には上記のような違いがあり、どちらかというと「CKW1000ANV」の方がレベルの高い音だと感じる。だが、難しい事を考えずに2機種を聞き比べると、豊富な中低域による迫力や、鋭く、きらびやかな高域を持つ「CKM1000」は、いい意味で派手で、魅力がわかりやすい。「CKW1000ANV」は、サッパリとして自然だが、悪くいうと地味な音でもある。




■BAを聴いてみる

 ●ATH-CK100PRO

「ATH-CK100PRO」を試聴しているところ

 まずは「ATH-CK100PRO」から。一聴してすぐわかるのは、「驚くほどの静けさ」だ。普通、イヤフォンは筐体が反響する音も耳に入るため、それが部屋の壁のように、音の広がる範囲を制約したり、音にキャラクターとして付帯する。だが、「CK100PRO」はその反響をほとんど感じさせない。何も無い静かな空間に、ヴォーカルやギターの音が、本当にどこまでも広がっていくように感じる。

 チタンハウジングを採用した事で、反響・共振音が高域側に移動し、目立ちにくくなっているのだろう。だが、それにも増して強固に振動・共振を抑えこんでおり、「余分な音は出さないぞ」という姿勢を強く感じるサウンドだ。ワイドレンジでSNが良く、付帯音が極めて少ない。キッチリ音響対策されたオーディオルームで、ピュアオーディオを聴いているイメージである。

 付帯音が少ないので、細かい音の動きがよく分かる。「Best OF My Love」で、ヴォーカルの口の開閉する瞬間の細かい息継ぎや、ギターの弦をつまびく細かく鋭い音が明瞭だ。低域の量感もあり、BAにありがちな音像の薄さも無い。

 嬉しいのは、高域をカリカリに強調したり、低域を減退させて高域を見やすくするのではなく、バランス良く音を出しながら、中低域の響きが高域にかぶさらず、それぞれが豊富な情報量を持ったまま聴き取れる点。音楽をゆったり楽しめる自然さを持ちながら、モニターライクな解像度の高さも実現できている。「バランスド・アーマチュアの音はキツい」、「カリカリしすぎている」と思っている人にも、聴いて欲しいサウンドだ。

 音色面では、BA特有の金属質な響きを感じる。冒頭のギターも、弦の音は見事な金属風味だが、ギターの木の響きもやっぱり金属の匂いが漂う。しかし、イヤフォン自体の鳴きが少ないため、金属質な響き成分が空間に短時間しか残らず、あまり嫌な感じがせず、2、3曲聴いていると気にならなくなってくる。ダイナミック型のイヤフォンと頻繁に使い分けると気になるかもしれないが、このイヤフォンだけを日々使っていたら気にならないだろう。

 「Best OF My Love」では、音楽が終わる瞬間に、ピアノのペダルから脚を話す「カタン」という小さな音が入っているが、それがドキッとするほど明瞭に聴こえる。解像度や付帯音の少なさという面では、マルチウェイ・アーマチュアの中でもかなりハイレベルなサウンドと言っていい。


左下から時計回りに「SE535」、「Westone4」、「ATH-CK100PRO」

 他社イヤフォンとも比べてみよう。「Westone4」はプラスチックの筐体を使っており、手にした質感は「ATH-CK100PRO」よりもかなりチープだ。だが、流石に良く練られており、筐体の反響音は控えめ。プラスチックの「コンコン」した響きは最小限に抑えられている。

 特筆すべきは音場の広さで、大きめのハウジングによるものか、ゆったりとした広い空間楽器が定位し、圧迫感や頭内定位が少なく、長時間でも聴きやすい音作りになっている。唯一気になる点は高域の抜けの悪さで、見えない手に頭を抑えられたような違和感をかすかに感じる。

 Shure「SE535」をつけると、「ATH-CK100PRO」や「Westone4」と比べ、グッと音像が近くなる。モニターライクな配置で、個々の音が聴きとりやすい。逆に、音場は狭く、空間を広々と描写するタイプの製品ではない。SE535が面白い点は、筐体の響きを感じさせはするのだが、それが軽かったり、安っぽかったりしない点だ。また、響いているにも関わらず、高域の抜けが良く、閉塞感を感じさせないところも巧みだ。

 また、冒頭ギターの弦とボディの音色の違いが、3機種の中でもっともよく描き分けられており、木の響きのふくよかさ、暖かさがBAとしては良く再現できている。筐体の響きを逆手にとって、上手く使いこなしているという印象だ。また、中域の張り出しも絶妙なラインで抑えられており、ボリュームを上げ目にしてもモコモコしにくい。チューニングが絶妙なモデルとも言える。


 ●ATH-CK90PROMK2

ATH-CK90PROMK2
 同じBAだが、CK100PROとはガラリと違うサウンド。登場機種では「Westone4」と似ており、プラスチックハウジングの鳴きをかすかに感じさせるが、それが音を安っぽくするレベルまではいかない。高域から低域までスムーズにワイドレンジな音が出ており、両者の繋がりの良さがとても自然だ。高域の抜けの良さは「Westone4」より優れている。

 モニター用だと低域が薄いイメージがあるが、CK90PROMK2では量感のある低域がシッカリ出ており、高域寄りのスカスカ、キンキンした音にはなっていない。音楽をゆったりと楽しむ事もできるバランスの良さだ。アコースティックベースの低域には芯があり、弦の細かい動きも克明に見える。

 音色も自然で、SE535並に金属質な音が気にならない。前述の高域と低域の繋がりの良さも合わせて、ボーッと聴いているとダイナミック型のイヤフォンをつけているような気がしてくる。

 再生音に大きな特徴があるわけではなく、どんな音楽もそつなく、精密に、色付けしないように再生するまさにモニターサウンドで、“個性が無いのが個性”と言うサウンド。悪く言うと地味だが、「いろいろ聴いた結果、これが良い」という人も確実にいるだろう。26,250円という価格を考えるとお買い得なモデルと言って良い。



■まとめ

 4つのイヤフォン、それぞれに特徴があり、目移りしてしまうラインアップだ。BAでは「CK100PRO」のSNが良く、クリアそのもののサウンドが魅惑的で、屋外で聴いていても音の余韻が外の世界に溶け込んでいくような開放感が味わえる。中低域の厚みがありながら、高域の解像度も高く、基本的な再生能力も十分に高い。高価なモデルだが、それに似合う魅力がある。

 「CK90PROMK2」は飾り気の無いデザインで、良い意味で再生音にも飾り気が無く、「とにかくBAでニュートラルな音が聴きたい」という人に向いている。癖が少ないため、BAのイヤフォンを初めて買ってみるという1台にも良いだろう。

 「ATH-CKW1000ANV」と「ATH-CKM1000」は、どちらもダイナミック型ならではの音の厚みや、中低域の量感などが味わえ、同時にBAライクな高域の解像度の高さもある。よりクリアな音という面では「ATH-CKW1000ANV」を、清々しく、きらびやかな高域を味わいたい時は「ATH-CKM1000」を選ぶという形になるだろうか。個人的な要望として、「CKW1000ANV」の木を使ったハウジングに、「CK100PRO」の3ウェイBAユニットを入れたイヤフォンも聴いてみたい。

 最近では、ダイナミック型の幅広いラインナップを揃えているソニーが、BAに参入し、オーディオ・テクニカのように自社でダイナミックとBAの高級モデルを両方揃える形になった。以前はBAが高級イヤフォンの代名詞だったが、ダイナミック型の高級モデルも選択肢が増え、ユーザーにとっては好みで選びやすく、同時に悩ましい時代になったと言えそうだ。


(2011年 11月 11日)

[AV Watch編集部山崎健太郎 ]