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BDからHDDへのムーブが可能になった理由

−新ブルーレイDIGAが対応。BD-R/REの活用幅が広がる


新ブルーレイDIGA「DMR-BWT3100」

 8月24日に発表されたパナソニックの新ブルーレイDIGA 6製品のニュースリリースには、ちょっとした驚きがあった。それは、「BDにダビングした番組を、再度HDDへムーブ可能になる」と記載されていたためだ。

 これまでのコピーワンス以降のデジタル放送録画においては、光ディスクにダビングした時点で、それ以上はダビング/ムーブ不可となっていた。つまり、日本のデジタル放送の運用ルール上、「BDなどの光ディスクにダビングしたコピー保護コンテンツは、それ以上ムーブやダビングができない。最終出力先になる」と理解していた。

 しかし、著作権保護技術の「AACS」正式版が策定されたことなどを受け、BDに録画した番組のHDDムーブが可能になったのだという。この緩和により、例えば複数の異なるBDにダビングしておいたコンテンツを、HDDにムーブし、お気に入りの部分だけを編集して1枚に残す、といったことが可能になる。また、従来は1枚のディスクに収まらなかったTVシリーズやライブ映像などを、1枚の大容量のBDXLディスクに集約するなど、活用シーンは広がりそうだ。

 BDを積極的に活用しているユーザーにとってはかなり魅力なこのBD→HDDムーブ機能。どういった背景で実現され、どのように動作するのか。パナソニックなどに取材した結果をまとめた。 


■ BD-R/REでHDDにムーブ可能。“DIGA以外”で録画したディスクにも対応

 基本的な動作としては、BD-R/REにダビングした番組を、再度DIGAのHDDにムーブ(コピーフリー番組はダビング)できるというもの。当然市販のBDビデオタイトルはムーブできず、録画したコンテンツがムーブの対象となる。

 ただ、細かい点ではいろいろな疑問もある、例えば「新DIGA以外で録画したBD-R/REをムーブできるのか? 」、「(書き換えできない)BD-Rからムーブした番組はどうなるのか?」といったところだ。

 このあたりの具体的な動作条件をパナソニックに聞いた。

Q:(ムーブの対象となる)“著作権保護されたコンテンツ”とはデジタル放送録画番組のことか。アクトビラなどでダウンロードした作品なども含まれるのか?

A:デジタル放送番組のほか、アクトビラ ダウンロードのコンテンツもムーブ可能です

Q:録画→BDムーブした機器でなくても、HDDに書き戻しできるのか?
(例えば、昔のレコーダで録画し、ムーブしたコピーワンスの番組など)

A:書き戻し可能です

Q:(書き換えできない)BD-RからHDDにコンテンツをムーブできるのか? できる場合、ムーブ後のBD-Rのデータはどうなるのか?

A:BD-Rからもムーブ可能です。ただし、ファイナライズを行なったディスクはムーブできません。ムーブ後は、BD-R上のコンテンツは削除され、Rなので、その領域は使用不可となります

Q:録画時のモード(DRモードやAVCなど)は、関係なくムーブできるのか?

A:録画モードに関係なくムーブできます。録画モードを変えない場合は高速ムーブ、録画モードを変換する場合は等速ムーブとなります。

Q:BD以外のDVD-R/RW/RAMなどでも録画番組のHDDへのムーブは可能か?

A:規格上不可能です

 なお、ムーブ速度については、「ディスク自体の倍速性能などには当然影響される」とのことだが「何倍相当」といった公表値は特に無い。

 録画番組をBDからHDDへのムーブする際に大きな制限は無く、相当柔軟に光ディスクを活用できそうだ。これまでのように光ディスク化=最終保存ではなくなったことは歓迎したい。 


■ AACS Final Licenseの策定によりBD→HDDムーブが可能に

 では、なぜこうしたBDからHDDへのムーブが可能になったのだろうか?

 技術的な経緯としては、BDの著作権保護に利用される「AACS」の最終仕様(Final License)策定によるものという。2009年6月から始まったAACS Final Licenseで、BDからのムーブが可能となった。その後、2009年11月にDpa(デジタル放送推進協会)がAACS Final Licenseを認定したことにより、BDに録画された日本のデジタル放送録画番組もムーブが可能になったのだという。

 残念ながら現時点では、BD→HDDの書き戻しに対応しているのはパナソニックの新DIGAのみ。シャープ、ソニー、東芝のレコーダでは対応していない。しかし、ディスクの活用の幅も広がり、また、ディスクに残したコンテンツを将来の対応機器を介して、異なる形式で継承できるようになるなど、コンテンツを将来に渡って残すという意味でも大きな進歩だ。各社の今後の対応にも期待したい。


(2010年 9月 9日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]