~ シンプルで高音質。自由度は発展途上 ~ |
SonicStage Mastering Studio 2.0 | 「DSDモードを使用する」というチェックボタンが追加された |
DSDでもPCMでも、録音し、再生するという機能では、基本的なユーザーインターフェイス、操作方法はまったく同じだが、機能はかなり異なっている。PCMモードについては次回詳しく紹介するが、今回はチェックを入れたDSDモードで使用した。
まず、入力の選択画面が現れる。もっともDSDの場合は、Sound Reality以外に選びようがないが。プラグの絵の横のボタンをクリックすると、ドライバの設定画面が表示される。ここには「ASIO STHDA Driver」とあり、それ以外は選択できないようになっている。また、詳細をクリックすると、Sound Realityの設定画面が表示される。
設定できるドライバは「ASIO STHDA Driver」のみ | 詳細をクリックすると、Sound Realityの設定画面が表示される |
SSMSが起動すると同時に、ライン入力、マイク入力が0のレベルまで落ちるようになっている |
とりあえず、ダイレクトモニタリングをオンにしておいた上で、VAIOのラインインからオーディオ信号を入力してみると、レベルメーターは振れるが、何も音が聞こえない。ミキサーを見ていると、SSMSが起動すると同時に、ライン入力、マイク入力が0のレベルまで落ちるようになっていた。
これを上げると、モニタが聞こえるようになったが、ダイレクトモニタリングをオフにすると、このレベルを変えても音はでない。つまり、MMEのミキサー画面は利用しているものの、中身はASIOで動作しているということのようだ。
「録音・編集する」のタブをクリックした後「録音」ボタンを押すだけで録音開始 | 録音中の画面 | 再生中の画面 |
SSMS 1.xでは、途中に無音が入ると、自動的にトラックを分割してくれる機能があったが、このDSDモードにはそうした機能は存在しない。Mood Logicを使った音楽認識機能も利用できないし、エフェクトを使った編集機能などもなさそうだ。利用できる編集機能としては、分割候補点の追加機能と、フェードだけ。DSDでは、編集はほとんど何もできないと考えていいだろう。
分割候補点の追加機能 | フェード |
出力先は音楽CD、WAVファイル、DSDファイルの3つ |
実際SADIE DSD8やPyramixなどの数百万円の業務用機器でも、PCMと比較するとDSDでの編集機能はそれほどない。やはりDSDデータの計算というのは、今のCPUではかなり厳しいということなのだろう。
レコーディング終了後、保存する場合は「出力する」のタブをクリック。出力先として音楽CD、WAVファイル、DSDファイルの3つが選択できるが、ここで音楽CDやWAVファイルに保存すると、PCMに強制的に変換されてしまう。
ファイル形式は「dsf」 |
せっかくアナログに近い、空気感のある音であるDSDでレコーディングしたのだから、このままDSDで保存したい。そこで、DSDファイルを選択して保存した。何か演算をしているのか、5分の曲の保存に約1分を要した。
保存されたファイルを見てみると、ファイルサイズはこの5分の曲で204MBとかなり大容量。PCMにおける24bit/88.2kHzのデータとピッタリ同じになった。また、ファイルの拡張子はdsf。ソニーによると、これはVAIOでの独自ファイル形式であり、このファイル自体はVAIO以外で扱えるものではないが、今後PC上でのDSDファイルの標準形式として広めていきたいとのことだ。
なお、試しにWAVで書き出してみたところ、ビット数やサンプリングレートなどを指定しての保存ができるようになっており、保存には1分強を要した。
また、前回、DSD DirectというWAVファイルをDSDへ変換するツールについて紹介したが、これが作り出すファイル形式ももちろん、DSF。再生する場合は、SSMS 2.0で読み込んで再生すれることになる。
WAVで書き出すと、ビット数やサンプリングレートなどを指定して保存できるようになっていた | DSD Direct |
以上、DSDを使ってのレコーディングから簡単な編集、再生までを紹介した。今のところは、機能的にはいたってシンプルであるが、DSDIFFとの変換ツールなどができてくれると、さらに面白くなりそうだ。
また、SACDドライブの搭載とあわせて、i.LINK出力のサポートも期待したい。i.LINKはSACDの信号をデジタルで流すことができ、その出力に対応したデジタルアンプなどもいくつか出てきている。せっかくi.LINKの端子を持っているのだから、DSDデータをi.LINK出力可能にしてくれると、もっと広がりが出て面白くなることは確実だ。
次回は、大幅に機能アップし、数多くのプロ用エフェクトを搭載した標準(PCM)モードについて紹介する。
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□製品情報(VAIO typeR)
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-RC70/
□製品情報(VAIO typeH)
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-H71S/
□製品情報(VAIO typeV)
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/VGC-VA200DS/
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(2005年9月12日)
= 藤本健 = | リクルートに15年勤務した後、2004年に有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。 最近の著書に「ザ・ベスト・リファレンスブック Cubase SX/SL 2.X」(リットーミュージック)、「音楽・映像デジタル化Professionalテクニック 」(インプレス)、「サウンド圧縮テクニカルガイド 」(BNN新社)などがある。また、All About JapanのDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも勤めている。 |
[Text by 藤本健]
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