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ライカトリプルカメラのSIMフリー「HUAWEI P30」。米国措置を“再出発”に

ファーウェイ・ジャパンは、スマートフォン「P30」シリーズを国内発表。ライカトリプルカメラを搭載した「P30」と、トリプルカメラ「P30 lite」のSIMフリーモデルを24日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はP30が77,880円前後、P20 liteは32,880円前後。

スマートフォン「P30」シリーズ。右がP30、左がP30 lite(いずれもSIMフリー)。中央がP30 Pro(NTTドコモ発売)。左端はスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT エレガント」

なお、今回のSIMフリーモデルとは別に、クアッドカメラ搭載でカメラ機能を大幅に進化させたフラッグシップモデル「P30 Pro」を、NTTドコモの2019年夏モデルとして発売予定。これらも含めた国内向け発表会が21日に行なわれた。

【追記】NTTドコモは22日、「HUAWEI P30 Pro」の事前予約受付を停止すると発表。「予約受付の再開については別途案内する」としています(5月22日)

P30 Pro。左からブリージングクリスタル、ブラック

ファーウェイデバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴハ)氏は、製品発表の中で、米国政府による同社への規制について「我々はこの決定に反対する。輸出規制に対抗し、再出発の機会にしたい」と述べた。

P30シリーズを掲げるファーウェイデバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波氏(中央)

SIMフリーモデル「P30」、「P30 lite」

P30は、Leicaトリプルカメラと、約6.1型/2,340×1,080ドットでDCI-P3の広色域に対応する有機ELディスプレイを搭載したスマートフォン。カラーはブリージングクリスタルとオーロラの2色。

P30

メインカメラは、約4,000万画素の広角カメラと、1,600万画素の超広角カメラ、800万画素で光学3倍ズーム対応の望遠カメラで構成。5倍のハイブリッドズーム、30倍のデジタルズームが利用できる。前面カメラは3,200万画素で、画面上部には前面カメラ用のノッチを設けている。ディスプレイには指紋認証センサーを内蔵する。

メモリは6GB、ストレージは128GB。SoCは「Kirin 980」。独自のメモリーカード「NMカード」に対応する。OSはAndroid 9で、ユーザーインターフェイスはEMUI 9.1.0。バッテリー容量は約3,650mAh。外形寸法は149.1×71.36×7.57mm(縦×横×厚さ)、重量は165g。

Leicaトリプルカメラを搭載

P30 liteは、3万円台のSIMフリーモデルながらトリプルカメラを搭載。約6.15型/2,312×1,080ドットの液晶ディスプレイを採用している。カラーはピーコックブルー、パールホワイト、ミッドナイトブラックの3色。

P30 lite

メインカメラは、約2,400万画素の広角カメラと、800万画素の超広角カメラ、200万画素のAFカメラを組み合わせ、AIによる22種類のシーンを認識して被写体に合わせた撮影ができるとする。前面カメラは約2,400万画素で、8種類のシーン認識が可能。画面上部には前面カメラ用のノッチを設けている。

メモリは4GB、ストレージは64GB。SoCは「Kirin 710」。最大512GBのmicroSDメモリーカードも利用できる。OSはAndroid 9で、ユーザーインターフェイスはEMUI 9.0.1。バッテリー容量は約3,340mAh。外形寸法は152.9×72.7×7.4mm(縦×横×厚さ)、重量は159g。

トリプルカメラと指紋センサーを背面に搭載

NTTドコモ2019年夏モデル「P30 Pro」

P30 Proはファーウェイのフラッグシップモデルで、NTTドコモの2019年夏モデルとして発売予定。カラーはブラックとブリージングクリスタルの2色。

P30 Pro
Leicaクアッドカメラの概要

4,000万画素のメインカメラと、2,000万画素の超広角カメラ、光学5倍ズームを備えた800万画素の望遠カメラ、被写界深度情報を取得して写真の背景ボケの再現に使うToFカメラ、計4つを組み合わせた「Leicaクアッドカメラ」を背面に搭載する。画面上部のノッチに3,200万画素の前面カメラを搭載する。

Leicaクアッドカメラを背面に搭載
前面カメラ

メインカメラのセンサーには、カラーフィルターを一般的なRGGBのベイヤー配列とは異なる、RYYB配列を採用。光の取り込みを40%アップさせたとする。望遠カメラは5倍の光学ズームに加え、10倍のハイブリッドズーム、50倍デジタルズームが利用可能。スマホとしての薄さを維持するため、筐体内で光を90度に曲げるなどの工夫をしている。

最大50倍のデジタルズーム
50倍デジタルズームの作例(右端)と、他社製スマホの望遠性能を比較

両面3D加工のガラスボディを採用し、約6.5型/2,340×1,080ドットの有機ELディスプレイを搭載。HDR10に対応する。指紋センサーはディスプレイに内蔵。画面上部には前面カメラ用のノッチを設けているが、ノッチのサイズを小さくするために通話用スピーカーを省き、画面の振動で音を伝えるアコースティック・ディスプレイ技術を採用した。

メモリは6GB、ストレージは128GB。バッテリー容量は4,100mAh。ワイヤレス充電のQiに対応するほか、P30 ProからQi対応の他のスマホを充電するリバース充電機能も備える。IPX8/IP6Xの防塵防水仕様。外形寸法は158×73.4×8.6mm(縦×横×厚さ)、重量は192g。

「米国の決定に反対。我々にとっては逆に再出発となる」

製品発表会において、ファーウェイの呉波氏は日本やグローバルにおいてファーウェイが貢献してきたことを説明。「私が日本へ来て9年。2011年の東日本大震災のとき、社員は日本から撤退せず、被災地でのネットワーク復旧に携わった。また、ファーウェイは多くの特許を保有しており、人類の進歩に多大な貢献をしてきた」(呉波氏)。

呉波氏はまた、アメリカから受けている規制措置について「我々はアメリカの決定に反対だ。これは誰の利益にもならない。取引先にとって巨額の経済損失であり、アメリカでの数万人の雇用にも影響する」とコメント。また、Android OSがオープンソースであることから、「我々も(ソフトウェアの)発展と成長に重要な貢献をしてきた。販売済み、販売中のスマホ/タブレットについては、今後も継続的なセキュリティアップデートとアフターサービスを提供していく。(ユーザーは)安心して使用、購入してください」と話した。

ファーウェイの呉波氏

発表会には、写真家の萩庭桂太氏も登場。P30 Proで撮影した花のマクロ写真や満月を望遠ズームで捉えた作品などを紹介しながら、「カメラは撮りたいときにすぐ撮れるのが大事。P30 Proはしっかりよく写るし、月をズームで撮るときも、車の中からスマホをガラスに押しつけるだけで簡単に撮れた。カメラがAIで月を自動で認識して、月を撮るモードに変わり、シャッター速度など難しい設定もいらなかった」(萩庭氏)。

写真家の萩庭桂太氏
萩庭氏が撮影した月の写真

萩庭氏は「携帯にカメラが付いているというよりほぼほぼカメラ。(マクロや広角、望遠の)カメラ3台を持ち歩いているようなものだが、それがこの薄い1台で全部撮れる。凄い」と、P30 Proのカメラ性能を絶賛した。