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松山ケンイチ&長澤まさみ初共演「ロストケア」'23年公開
2022年3月29日 11:33
松山ケンイチと長澤まさみが初共演する映画「ロストケア」が2023年に全国公開される。連続殺人犯と検事が対峙し、なぜ彼が殺人を犯したのかに迫るヒューマンサスペンスで、監督・脚本は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(2018)を手掛けた前田哲。
原作は葉真中顕のデビュー小説「ロスト・ケア」。第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、審査員であった綾辻行人に「掛け値なしの傑作である」と言わしめた作品。制作プロダクションはドラゴンフライエンタテインメント。配給は日活 東京テアトル。
主人公の心優しい介護士・斯波宗典を演じたのは大河ドラマの主演をはじめ、映画、ドラマと数々の話題作に出演している演技派俳優の松山。その斯波と対峙する検事・大友秀美を演じたのは日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞するなど、人気と実力を兼ね備えた長澤。本作で初共演を果たす2人の鬼気迫る演技は必見という。
前田監督は、「こんな夜更けにバナナかよ」と「老後の資金がありません!」(2021)、「そして、バトンは渡された」(2021)と3作品続けて話題作となり、興行収入10億円超えの大ヒットを記録。独自の視点で社会派題材を入れ込みつつ、登場人物たちを魅力的に輝かせることでエンタテイメント作品に仕上げる特異な演出力に定評がある。
その前田監督とともに脚本を務めたのは、「砂の器」(2004)や「ストロベリーナイト」(2013)、「四月は君の嘘」(2016)など、テレビドラマから映画まで数々の名作を手掛けてきた龍居由佳里。また本作は前田監督と松山、有重陽一プロデューサーが長年温めてきた思い入れのある作品で、脚本開発時から前田監督と松山が何度も話し合いを重ねてきたとのこと。
本作の撮影は、劇中の舞台である長野県にて、2022年3月より約1カ月間に渡って敢行。主演の松山は「この映画は、これから生きていくうえで大事にしなければならないものや、若い人たちに伝えるべきことが沢山詰まっている作品だと思います。他人事ではなく、自分の事として考え悩みながら演じました。自分が出せる答えを見つけ、監督、スタッフさん、長澤さんと一緒に納得がいく作品が作り上げられたのではないかと思っております」とコメントしている。
また長澤は「私自身の迷いや心の揺れと、秀美の感情が良い方向にリンクし、良い演技ができました」と撮影を回想。前田監督は「映画は日々変化し一瞬にして天国と地獄をも生み出す『生き物』であることを思い知らされた撮影現場でした。松山ケンイチさんと長澤まさみさんの『魂のバトル』に、ご期待ください」と語った。
この映画は、これから生きていくうえで大事にしなければならないものや、若い人たちに伝えるべきことが沢山詰まっている作品だと思います。他人事ではなく、自分の事として考え悩みながら演じました。
自分が出せる答えを見つけ、監督、スタッフさん、長澤さんと一緒に納得がいく作品が作り上げられたのではないかと思っております。
私が演じた「検事」は最初から最後まで正しいとはなにかを、悩み、心が揺れ動く役でした。私自身の迷いや心の揺れと、秀美の感情が良い方向にリンクし、良い演技ができました。この映画の「伝えたいこと」を、多くの皆さんに受け取って頂きたいと思います。
映画は日々変化し一瞬にして天国と地獄をも生み出す「生き物」であることを思い知らされた撮影現場でした。
松山ケンイチさんと長澤まさみさんの「魂のバトル」に、ご期待ください。
二人の表情と言葉に、映画のテーマ全てが込められています。
監督から原作「ロスト・ケア」を映像化したいという提案を持ち掛けられたことがこの作品の始まりです。最初はテーマも重く、ハードルが高いと思ったのですが、監督と話し合いを重ねるなかでエンターテインメント作品に昇華できる可能性を感じ、脚本に龍居由佳里さんを起用し映画化に動きました。それから本作りに数年かけましたが、その苦労が実り撮影を敢行することができました。脚本開発から撮影現場でも監督、松山さん、長澤さんの三人で何度も意見を出しあい、非常にクリエイティブな作品作りができたと思います。そうした過程で斯波と大友という人物が確立し、人間としての斯波や大友を描けたのではないかと思っています。公開を楽しみにお待ちください。
私自身、この作品の映画化は難しいのではないかと思っていましたが、原作に惚れ込んでくださった前田哲監督と松山ケンイチさんが努力に努力を重ね、実現の運びとなりました。原作者冥利に尽きます。高齢化が進みケアの問題がより切実になる今、映画『ロストケア』の公開が価値あるものになることを期待します。