アドビ、「Adobe AIR 2.5」発表。サムスンがTVに採用へ

-TVやスマートフォンに最適化。アプリ配信ストアも


Adobe AIR

 米アドビ システムズは25日(現地時間)、テレビやタブレット端末、スマートフォン、PCのOSに対応した「Adobe AIR」ランタイム/SDKの最新バージョン「2.5」を発表。サイト内で公開を開始した。

 また、サムスンがテレビメーカーとして初めて「Samsung SmartTV」製品にAdobe AIR 2.5を採用。そのほかにもエイサー、HTC、モトローラ、RIM、サムスンの各社は、タブレット機器やスマートフォンなどにAIR 2.5を搭載して、2010年後半~2011年初旬に提供する予定だという。

 さらに、新サービスとなる「Adobe InMarket」も発表。このサービスにより、開発者はエイサー、インテルなどの様々なデバイスで利用できるアプリケーションを、各デバイス向けに提供されているアプリのストア内で配布/販売可能。

 Adobe AIRは、Blackberry Tablet OS、Android、iOSベースのスマートフォンやタブレットと、Windows、Macintosh、Linuxの各OSをベースとしたPCに対応。開発者は、既存のコードを活用して、デバイスやプラットフォームを問わない単体アプリケーションを開発・提供できるという。Adobe Flash Professional CS5や、Adobe Flash Builder、Flexなどを使用して単体アプリケーションを開発可能。Androidマーケットや、インテルのAppUpセンター、アップルのApp Storeでは、既に数百種類のアプリが入手できる。

 最新の2.5では、加速度センサーや、カメラ、ビデオ、マイク、マルチタッチ、ジェスチャーをサポート。位置情報を活用したアプリケーションやサービスも開発可能となった。そのほか、アプリケーション内でブラウザ本来のコントロール機能を表示させることもでき、HTMLとSWFのコンテンツを統合できる。

 その他の新機能としては、写真やビデオをキャプチャして、デバイスのメディアギャラリー(カメラロール)に保存可能となり、アプリケーション上で画像の表示やサーバーへのアップロードが可能となった。撮影した写真やビデオをFacebookなどに掲載できるという。

 テレビ向けの新機能としては、テレビのリモコンで各種操作ができるようになるほか、テレビのプラットフォームに搭載されたハードウェアアクセラレータを使用し、高速な2D表示を可能にする。そのほか、テレビに搭載されたビデオデコーダを使って、Blu-ray画質のH.264ビデオレンダリング処理を実行。システムリソースに余裕ができるため、ビデオにインタラクティビティを加えられるとしている。

 AIR 2.5をテレビに採用するにあたり、アドビはサムスンと共同で年間を通して最適化を実施、ディベロッパーがテレビに適したアプリ開発が行なえるようにしたという。また、サムスンのアプリ配信ストアであるSamsung Appsには、前述の新サービスAdobe InMarketも採用されている。


(2010年 10月 26日)

[AV Watch編集部 中林暁]