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【CEATEC 2013】クラリオン、フルデジタル接続ヘッドフォン。NHKはHybridcast展示
(2013/10/1 22:25)
10月1日に開幕した「CEATEC 2013」から、デジタル接続のヘッドフォンやスピーカーなどを展示していたクラリオンと、ハイブリッドキャストやスーパーハイビジョンをデモしていたNHK/JEITAブースをレポートする。
クラリオンのフルデジタルヘッドフォン/アクティブスピーカー
2012年のCEATECで、車載とBluetoothの「フルデジタルスピーカー」を展示したクラリオンは、今回新たな取り組みとして、「フルデジタルアクティブヘッドフォン」と、据え置き用の「フルデジタルアクティブスピーカー」を参考出展した。発売時期は未定で、クラリオンブランドで発売するか、他社とコラボレーションしたBtoC展開にするかなど、多方面で検討している。
基本的な仕組みは、従来の車載モデル「01DRIVE」などと同じで、一般的なスピーカーのようにデジタル信号をアナログに変換してからスピーカーへ伝送/駆動するのではなく、音源からスピーカーユニットまでデジタルのまま伝送。デジタル信号処理には、Trigence Semiconductorの「Dnote」技術を採用している。
なお、現在の車載/Bluetoothフルデジタルスピーカーは、省電力性能も大きな特徴としてアピールしているが、今回のスピーカー/ヘッドフォン試作機については「高音質を優先した」とのこと。USBで接続し、24bit/96kHzのハイレゾ楽曲再生に対応。ヘッドフォンには、低歪み/ハイレスポンス駆動を可能にした「マルチ駆動型平板ユニット」を採用。豊かな低域から解像度の高い高域まで再現可能にしたという。電源はバスパワーを使用し、デジタル信号処理はハウジング内の1チップで行なうため、ケーブル途中に信号処理やバッテリのユニットなどを設ける必要は無い。
パソコンやスマートフォンとUSB接続したり、Bluetoothでワイヤレス接続して再生でき、USBからは最大24bit/96kHzに対応。CDの16bit/44.1kHz音楽をアップサンプリングして聴くこともできる。
会場でヘッドフォンを試聴(スマートフォンとUSB接続して再生)してみると、雑音の多いCEATEC会場の中でも深く沈み込む低域が損なわれることなく再生でき、従来の車載モデルでも印象的だった切れ味の鋭い高域についても、存分に感じることができた。
NHKのSHVや、各放送局のハイブリッドキャスト活用提案など
NHK/JEITAのブースは「テレビの進化を体感!」と題して、8K/スーパーハイビジョンの上映や、9月から始まった放送通信連携のハイブリッドキャスト(Hybridcast)を活用したデモなどを行なっている。
ブースの入り口付近に設けられたシアターコーナーでは、147型の大画面(表示デバイスは非公開)で、これまで制作した8K/スーパーハイビジョンコンテンツの名場面や、昨年の第63回NHK紅白歌合戦などを、22.2chサラウンド音声とともに体験できる。
ハイブリッドキャストのコーナーでは、9月2日から始まった実際のサービス画面などを体験できるほか、NHKが5月の技研公開で展示したタブレット連携などの「放送通信同期技術」のデモを行なっている。
民放各社もスマホ/タブレットやHTML 5を活用して様々な提案を行なっている。WOWOWは、無料VODコンテンツの「W流」をPC向けに配信しているが、これをタブレット向けにも展開することを検討中。PC用サービスでは、コンテンツを選んでPCで観るという方法だが、タブレットの場合は手元の端末だけでなく、テレビで観ることも可能。また、タッチ操作に適したインターフェイスも採用している。作品を選ぶと、それに関連する作品もレコメンドする機能も備える。
北海道テレビ(HTB)とNTTコミュニケーションズは、映像を楽しむ「ドキドキ感」を、他の視聴者や出演者などとシンクロさせるというサービス「シンクロにしてぃ」を提案。視聴者がタブレットなどとBluetooth接続できる心拍計を腕にはめて視聴すると、視聴中の心拍数の“上がり具合”を放送局などのサーバーに送信し、出演するアナウンサーらの心拍数の上がり具合と同様になったときに画面に「シンクロ」と表示。これで、アナウンサーと一緒に楽しんでいるような一体感を味わえる。
ドキドキ感のシンクロ率が高かった人にはプレゼントが当たるといったゲーム感覚で楽しめるだけでなく、こうしたウェアラブル端末の計測結果をテレビに保存して本人や離れた家族などがチェックできるといった健康管理/見守りサービスにも応用可能としている。