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FIIO、R2Rか、AKMか。DACが異なるDAP「M25」2種。「自分の耳と好みで選んで」
2026年10月16日 10:00
エミライは、FIIOのデジタルオーディオプレーヤー(DAP)として、AKMのフラッグシップDACを搭載した「M25」と、自社開発のR2R DACを搭載した「M25 R2R」を、10月23日に発売する。いずれもBlackとSilverの2色展開で、価格はオープン。市場想定価格は220,000円前後。
DACの異なる2バージョン×2カラー、合計4つの選択肢があるDAPを、同タイミング・同価格で発売する。発売時期をずらさずに2バージョンを同時投入するのはFIIOとして初の試み。開発チームは「どちらが性能で優れているか、どちらがコストパフォーマンスに優れるかで悩む必要はありません。ただ、自分の耳と好みで選んでいただければいい」としている。
共通の特長
M25は、毎日持ち出せることを最初の条件として開発がスタートしたといい、片手で握れる大きさを先に決め、その内側を最上級に仕上げたという。
その結果、前モデルのM15Sから、重さは27g軽量化した約318g、厚さは0.9mm薄い約18mm、幅は4mm薄い約76mmと軽量・コンパクト化を達成しつつ、最大出力は1,200mWから1,700mWへ41%向上した。
本体には解像度1,080×2,160ドット、アスペクト比18:9の5.5型ディスプレイを搭載。この画面に合わせて筐体比率を細かく調整し、大画面の見やすさと、片手で握れる幅を両立した。
筐体は放熱のために厚みを持たせたアルミ製で、周囲には宝石のカットから着想を得たという多重カットを施した。この多次元の面構成の造形が光と影を演出すると同時に、片手で握ったときにかかる逆方向の応力を逃がすという人間工学的な配慮も兼ねているという。
内部レイアウトの最適化とあわせて軽量化も実現。外形の輪郭からPCBのブラケット、ネジ固定のボスまでを、一体のアルミフレームからCNCで削り出しており、補助部品をなくすことで質量の増加を抑えつつ、組み立て精度も高めている。
SoCには、Snapdragon 778Gと同一アーキテクチャであるQualcommの「Dragonwing QCS6490」を採用。メモリ容量は8GB、ストレージ容量は128GBで、複数アプリの常駐、大規模ライブラリの読み込み、ストリーミング再生も余裕を持ってこなすとのこと。最大2TBまで対応するmicroSDカードスロットも備える。
フラッグシップモデルのDAP「M27」と同じく、大容量FPGA+カスタム高性能デュアルフェムト秒クロックを採用した、FIIO自社開発のDAPS(Digital Audio Purification System)第6世代も搭載する。デジタル信号伝送を超高精度・超低ジッターの水準まで引き上げ、純粋で安定したオーディオストリームと、澄み切ったサウンドを実現した。
そのほか内部には、大容量蓄電を担うKEMET製タンタルコンデンサーや、AVX製二酸化マンガンタンタルコンデンサー、65A大電流MOSFETによる低損失の電源経路管理、Rubycon製フィルムコンデンサー、多数の低ノイズ・高精度・低温度ドリフト薄膜抵抗、FIIOカスタム フェムト秒クロックなど、ハイエンドオーディオパーツを多数盛り込んでいる。
M25の電源は、USB給電/バッテリー駆動でも、同じ多段ノイズ除去経路を通る仕組みとなっており、そのうえでDAC、I/V・LPF、ヘッドフォンアンプの3系統にそれぞれ独立した経路で給電する。これは「アンプが大音量で電流を引いた瞬間の揺らぎを、DACの基準電圧に伝えないため」とのこと。
中国で実用新案を取得している独自開発のデスクトップモードも搭載。バッテリーを切り離して動作するため、大出力時に電力消費を気にせず使用できるほか、充放電サイクルの回数を効果的に削減して、バッテリー寿命の延長にも貢献する。
本体底部に2基備えたUSB-Cポートのいずれかに急速充電器を接続して、D.MODE(デスクトップモード)をオンにするとSuper High Gainモードが有効になり、最大出力として片チャンネル1,700mWを発揮。さまざまなヘッドフォンを駆動できる。
内蔵バッテリーは6,500mAhで、チャージポンプ方式の30W急速充電に対応。駆動時間はAKM DACのM25でシングルエンド時約9.5時間、バランス時約8.5時間。R2R DACのM25 R2Rではそれぞれ約14.5時間、約12.5時間。
XMOSの「XU316」も搭載し、PCやスマートフォン、タブレットなどと組み合わせて、外付けサウンドカードとしても利用可能。「音楽、映像、ゲームのあらゆるシーンに対応し、純度の高い信号と安定した音質をお届けする」という。
サウンドを細かく調整できる31バンドの高精度ロスレスPEQ(パラメトリックイコライザー)や、データベースに登録されたヘッドフォン/イヤフォンの周波数特性と、基準となるターゲットカーブを選択することで、ワンタップで最適できるAUTO EQ、ユーザーが作ったEQを共有する機能なども搭載。AirPlayに対応するほか、Wi-Fi経由での楽曲転送、リモート操作もできる。
別売りのBluetoothスピーカー「RETRO BOX」にも対応。専用のPodモード、カセットモードといったレトロUIも利用できる。
OSはAndroid 13で、Bluetooth 5.2に準拠。コーデックは受信時がSBCとAAC、送信時がSBC、aptX、aptX HD、aptX Adaptive、LDAC、LHDCをサポートする。出力端子は3.5mm(ヘッドフォン/ライン/同軸デジタル出力兼用)と4.4mm(バランス/バランスライン出力兼用)。
AKM DAC「M25」の特長
AKMモデルとR2Rモデルの違いは、DACと移行の出力段までの回路、そして音質調整機能。AKM DACのM25では、AKMのフラッグシップDAC「AK4191EQ+AK4499EX」を左右独立で合計4基搭載。
AKMはデジタルフィルターと二次倍音を段階的に付加し、音の温度感(厚みと艶)を調整する「Warmth control」で音の仕上がりを細かく調整でき、R2RはOS/NOSで「デジタルフィルターを通すかどうか」という変換の根本を選択できる。FIIOは「R2Rは“音の決まり方”を選ぶプレーヤー。AKMは“音の仕上がり”を選ぶプレーヤー」だとしている。
AKM DACのM25では2基のAK4499EXが左右のチャンネルをそれぞれ担当することで同相干渉を抑え、セパレーションとダイナミクスを強化。さらに新設計技術によるデジタル部とアナログ部の完全分離構造に、DAC内部の微細な製造ばらつきがノイズとして表に出ないよう処理するAKMの「DWA Routing Technology」も搭載した。
これにより「バックグラウンドをより静かにし、解像度と音の正確さを高め、ディテールの描写力を向上させた。高品質なオペアンプとの組み合わせにより、濃密な音色と繊細さを両立している」という。
ローカル再生時は最大768kHz/32itまでのPCMとDSD 512のネイティブ再生に対応する。
AKM専用に開発したオーディオプロファイルとして、原音に忠実な描写でデフォルトの音色だという「Prism Horizon」、やや明るく、自然で情景的な広がりの「Azure Atmos」、ボーカルのエネルギーが強く、感情豊かな表現の「Scarlet Gravity」、そして没入感のある背景描写でリラックスして楽しめる「Wild Groove」の4つを搭載。各音色は個別に有効化でき、オーディオ・ダイナミクス・エンハンスメント「DRE」と組み合わせることで、情報量の増加を体感できるという。
そのほか、可聴帯域外フィルタ(デジタルフィルター)切替を6種、二次倍音を段階的に付加し、音の温度感(厚みと艶)を調整する「Warmth control」を3段階備える。
DACから最終出力までのアナログ回路は、据え置き機の基準で設計したフルバランス差動オーディオアーキテクチャーにより、デジタル干渉とチャンネル間のクロストークを効果的に低減。「正確な再現性、広大なダイナミクス、明瞭なレイヤー表現をもたらす」とのこと。
R2R DAC「M25 R2R」の特長
FIIO自社開発のR2R DAC搭載モデルでは、5+24bitセグメント型R2R PRO抵抗アレイを採用。セグメント型アーキテクチャーを採用し、上位5bitは31個(1chあたり)の抵抗によるサーモメーターコード方式でデコードする。これにより、従来のR2Rが抱えていた誤差の累積を解消し、さらなる歪み・ノイズの低減を実現したとする。
「R2R PROは、R2Rならではのアナログ的な余韻を保ちながら、音のディテール、解像度、ダイナミクス、音場の広がりを大きく向上させている」とのこと。
R2R専用のオーディオプロファイルとして、原音そのままに、忠実に再現するという「FLAT」、高い解像度を保ちながら、倍音成分を調整し装飾を加えることでより滑らかな響きにする「WARM」を搭載。こちらもDREと組み合わせると、情報量の増加を体感できるという。
またPCM出力モードは、オーバーサンプリングで「滑らかで端正」というOS、補間を行なわずR2R本来の質感にするというNOSのふたつから切り替えられる。
DACから最終出力までのアナログ回路は据え置き機の基準で設計したフルバランス差動オーディオアーキテクチャーとなっており、デコードからボリュームコントロール、ヘッドフォンアンプ出力に至るまで、つねに4系統の独立伝送を維持。これにより「R2Rならではの自然で潤いのある音色と、確かな駆動力を両立した」という。








