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FiiO、第二世代DC給電モードで“据え置きに迫るDAP”「M15S」

FiiO「M15S」デスクトップオーディオでの使用イメージ

エミライは、FiiOのハイエンドDAP「M15」をベースに、新開発「第二世代DC給電モード」を搭載し、オーディオ性能を飛躍的に向上させた後継モデル「M15S」を4月14日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は152,900円前後。

ESSのフラッグシップDACチップ「ES9038PRO」を採用。1つのチップ内に8ch分のDAC回路を搭載しており、これを使用して後段のオーディオ回路に差動信号を出力。「極めて情報量豊かでディテール表現に優れたサウンドを実現する」という。

ESSのフラグフラッグシップDACチップ「ES9038PRO」

FiiOは既に、DC電源に接続することで給電方式を切り替え、据え置き製品に迫る性能を発揮できるというデュアル・パワーサプライ技術「DC給電モード」を開発し、「M17」やヘッドフォンアンプ「Q7」で採用してきた。

そのM17やQ7ユーザーからのフィードバックを参考に、従来技術をより洗練させた「第二世代DC給電モード」を開発。M15Sに投入している。

第二世代DC給電モードの基礎となる「P/D(Portable Desktop device)テクノロジー」は、専用の電源アダプターを用意することなく、USB端子にQC 3.0、またはPD 2.0規格に対応する充電器と、これに対応するUSBケーブルを接続することで有効になる。

すると、オーディオ回路への電源供給量が26.67%増加。ヘッドフォンアンプ回路の電源電圧は±7.6Vまで高められ、チャンネルあたり最大1,200mWの高出力が可能になる(バランス出力時/32Ω負荷時)。

デスクトップモードも搭載。この機能もDC給電モード時に有効にでき、バッテリーからの給電ではなく、USB端子からの入力電源のみによって動作。充放電サイクルに限りのあるDAP内蔵バッテリーを消耗させずに、長期間安心して利用できるという。

オーディオ回路には、信号の再現性に優れた高品位な音楽再生を追求するため、I/V部、ローパスフィルタ部、ゲイン調整部、ヘッドホンアンプ部からなる、多段構成の設計を採用。回路上には高精度・低雑音のフィルム抵抗を採用するほか、ローパスフィルターにはパナソニック製の低損失金属化フィルムコンデンサを採用した。

4段階のゲイン設定も用意。DC給電モードの有効時にはもう1段階高いゲイン設定が選べ、DAP製品では鳴らすことが難しかったヘッドフォンも、余裕をもって再生できるという。

クリーンで安定した電源を供給するため、オーディオ回路の各部にそれぞれ独立した電源を用意。音質に悪影響を及ぼす相互干渉や電源ノイズを効果的に低減。M15から引き続き「アクティブ・サーボパワー・テクノロジー」を増幅最終段に採用し、高感度のイヤフォンから、ドライブが難しい低能率のヘッドフォンまで、ノイズレベルの低い高品位再生を幅広い機器で楽しめる。

アナログ段とデジタル段の相互干渉を排除するため、アナログオーディオ回路とSoC上に、銅ニッケル合金シールドを配置。シールド上にグラフェンシートや電波吸収シートを重ねることで、内部および外部からのアナログオーディオ信号への電磁干渉を極限まで低減した。

放熱技術も多数導入。内蔵バッテリーの熱を素早く逃がすため、ステンレス製のバッテリーボックスを採用したほか、熱によるパフォーマンス低下を防ぐため、高精度の薄膜抵抗器とコンデンサを採用。高温になる一部コンポーネントの熱を効果的に逃がすため、カスタム仕様の熱伝導シリコン、グラフェン、銅ニッケル亜鉛合金のヒートシンクも備えている。

FPGAを中心としたデジタル領域の信号処理回路には、デジタル・オーディオ・ピューリフィケーション・システム(DAPS) を採用。SoCから送られたデジタルデータはFiiO独自のPLL技術を搭載した第4世代FPGAを経由し、FPGA内でデジタルオーディオ信号としてDACが最も真価を発揮しやすいよう緻密に処理。DAPSに組み込まれた超低ジッターを実現する2基の特注仕様のNDK製フェムト・クロック水晶発振器により、デジタルオーディオ回路部全体に高精度かつ低ジッターなマスタークロックを提供する。

FiiOカスタム仕様のAndroid 10をOSとして採用。Qualcomm製SoC「Snapdragon 660」を搭載し、スマホのサンプリングレート・コンバーターをバイパスし、忠実な音楽信号処理が可能。ダークモード、ナイトモード、3つのナビゲーション設定などの新たな機能も追加している。

Roonの認証を受け、優れたネットワークプレイヤーとして動作。USB DACとしても使えるほか、Bluetooth受信モード、Bluetooth送信モードも用意する。Bluetooth送信対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDAC、LHDC。Bluetooth受信対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX LL、LDAC、aptX Adaptive。

6,200mAhの大容量バッテリーを搭載し、約10時間のバッテリー駆動が可能。電源接続時には満充電の継続によるバッテリー劣化を低減する制御を行ない、長期間の使用への配慮を行なっている。

音量は、120段階から好みに応じて細かく調整可能。調整操作はボリュームノブと物理ボタンの両方から行なえる。また、故障の原因になりやすいボリュームノブのロータリーエンコーダー部には、高精度・高耐久の部品を採用した。

外形寸法は約140×80×18.9mm(縦×横×厚さ)。重量は約345g。

エミライ延長保証サービスを拡充

所定の条件を満たす正規輸入品を購入したユーザーに対して、メーカー保証と同等の内容を一定期間延長する「エミライ延長保証」のサービスを拡充。

サービスの第二弾として、FiiO Electronics製品のうち、「第二世代DC給電モード」を搭載した製品の内蔵バッテリーについて、従来の延長保証期間をさらに6カ月延長し、メーカー保証期間と合わせて合計18カ月間へ延長する。

サービスの対象は、国内正規販売店で正規輸入品を購入し、所定の期間内にユーザー登録したファーストオーナー。ユーザー登録を希望されない場合は、引き続きメーカー標準の保証期間となる6カ月間の保証となる。