CEATEC JAPAN 2009【パナソニック編】
新開発の3D対応50型PDPなど。無線のDLNA小型TVも
10月6日より行なわれている「CEATEC JAPAN 2009」から、パナソニックブースの内容を紹介する。同社ブースは、3Dなどテレビを中心としたデジタルAV製品と、省エネ/創エネといった生活家電関連のカテゴリに分けられる。AV製品のコーナーでは3DやBlu-ray、ネットワークなどで新しい技術が紹介されている。
3Dシアターは昨年も人気のコーナーだったが、今年も初日から長い列ができていた。入場には、ブース前で配布される整理券が必要 |
2010年に家庭向けの製品を投入予定の3D技術関連では、今年もブース内に3Dシアターを設置。12月公開の映画「AVATAR」や、レース映像などの3Dコンテンツを上映している。また、新開発の50型PDPと、Blu-rayプレーヤー試作機の組み合わせでスポーツや、映画、自然映像といったジャンルごとの3Dコンテンツが楽しめる視聴コーナーも用意している。
昨年の展示では1080iのフルHD映像を左/右眼用に2系統入力して1080p映像として表示するという方法だったが、今回展示されたBlu-rayプレーヤーでは、1080p映像を2系統、1本のHDMIケーブルで伝送。PDPでフルHDの3D映像を120Hz表示する。2009年末に規格化予定となっているBlu-rayの3D規格に準拠。新回路の「PEAKS-Pro3」で映像信号処理能力を向上させることで実現している。同プレーヤーではHDオーディオを含む音声も同じHDMIケーブルで伝送できる。
50型PDPには、新たに「3D高速駆動技術」と「二重像低減技術」を投入。パネル新素材や新LSIを開発することで、明るさを維持しながら更なる高速発光を実現する「3D高速駆動技術」を開発した。新短残光蛍光体と新発光制御技術を組み合わせて左右の画像間の二重像を低減する「二重像低減技術」も導入している。
アクティブシャッターメガネも改良。右眼・左眼の映像と、メガネのアクティブシャッターの開閉タイミングを高精度に制御することで、二重像の発生を大幅に抑制。使用時の疲労感も軽減するという。
新開発の3D対応Blu-rayプレーヤーとアクティブシャッターメガネ | 50型の3D対応プラズマテレビ | プラズマ/BDプレーヤー、BDコンテンツの連携で2010年の3D視聴環境実現を目指す |
3Dのトータルソリューションとして、放送業務向け製品のコーナーも。対応ポータブルレコーダ(左)や、2眼式のカムコーダ(中)などを展示している |
4K2Kの103型プラズマ |
そのほかの映像関連では、103型の4K2Kプラズマテレビを展示。NHKとパナソニックが共同開発したもので、NHKのスーパーハイビジョン(7,680×4,320ドット)の中間目標として試作したという3,840×2,160ドットのパネルを採用。スーパーハイビジョン映像をダウンコンバート、22.2ch音声をダウンミックスして視聴できる。
また、1月に発表したNeoPDPecoと、NeoLCD(次世代IPSαパネル)も展示。従来品と比較視聴できるコーナーを用意している。NeoLCDは37型でLEDバックライトでエリア駆動に対応。120Hz駆動に加え、黒フレームの挿入で動画表現を改善している。
NeoPDPeco(左)と、2007年モデル(右)の比較。発光効率が3倍になっている | 右がNeoLCD(次世代IPSαパネル)、左が2008年モデル | LEDバックライト採用による低消費電力化と、黒フレーム挿入による動画解像度向上が特徴 |
DIGAで録画した番組をDLNAで他のテレビに配信/再生 |
DLNA活用の展示としては、LANを利用して、リビングのDIGAで録画した番組を別室のVIERAなどで見られるという提案を「お部屋ジャンプ Link」というキーワードで訴求している。
DLNAサーバーに対応しているDIGAに録り貯めた番組を、DLNAクライアント対応のVIERAや、8.9型/Blu-ray内蔵ポータブル地デジテレビ「DMP-BV100」で視聴できるというもので、今回はDMP-BV100をベースとしたワイヤレスのテレビ試作機も参考展示していた。
この試作機は、背面に無線LANのIEEE 802.11n対応レシーバを装着しており、DIGAに接続した無線LANルーターから映像をワイヤレスで受信する。製品化の時期は未定だが、ワイヤレスとしたことでより可搬性を高め、「家じゅうどこでも」というコンセプトを具現化するものとなっている。
DMP-BV100をベースとした、無線LAN対応のポータブルテレビ | 背面に11nの無線LANユニットを装備 | DIGAから11n対応ルータ経由で無線伝送できる |
「放送と通信の連携」で展示しているのは、IPTVサービスに対応したBlu-ray Discレコーダ。テレビ局などが運営するインターネット動画配信サービスに対応し、動画がレコーダのHDDにダウンロードできるというもので、既存の「アクトビラ ビデオ・ダウンロード」などとの違いは、放送中の番組からすぐにダウンロード画面に進めること。ドラマやバラエティなど先週見逃したものがすぐに入手できることが特徴となっている。
既存サービスでは、メニュー内からジャンルや番組名などを選んで目的のコンテンツにたどり着くが、今回のデモでは、視聴中にデジタル放送のデータ放送を見る感覚で、ダウンロードコンテンツにアクセス。放送局などコンテンツ側の協力が得られれば、すぐにでも実現は可能な技術としている。
また、5日に発表したiPod対応の9型液晶搭載「マルチメディア オーディオシステム」を展示。動画/音楽再生に対応した製品で、高音質化技術などで既存の「デジタルフォトフレーム」ジャンルの製品とは差別化されている。
IPTV対応のBlu-rayレコーダ試作機 | 視聴中に、リモコンのdボタンで前回の放送などをチェックでき、ダウンロード可能 |
5日に発表したiPod対応の9型液晶搭載「マルチメディア オーディオシステム」も展示。動画/音楽再生に対応した製品で、高音質化技術などで既存の「デジタルフォトフレーム」ジャンルの製品とは差別化されている。 | 付属リモコン |
(2009年 10月 6日)
[AV Watch編集部 中林暁]