BD/DVD「ターミネーター4」に付属するフィギュアに遭遇
-日本独自の“目が光る”限定版。金属感が魅力
BD版「スペシャル・エディション」 |
そこで、発売に先駆け、SPEでフィギュアを見せていただく機会に恵まれた。ここでは写真を中心に、そのクオリティの高さを紹介していこう。
まずはソフトのラインナップをおさらい。フィギュアが付属するのはBDに1種類、DVDに1種類の、合計2種類だ。BD版は「ターミネーター4 T-600リアルヘッドフィギュア付 Blu-ray BOX」で、限定数は3,000セット。DVD版は「ターミネーター4 モト・ターミネーターフィギュア付 DVD-BOX」で、限定は5,500セット。
タイトル | 仕様 | 音声 | 品番 | 価格 | |
BD | ターミネーター4 | 片面2層 劇場版 約115分 ディレクターズ・カット版 約117分 MPEG-4 AVC シネスコ BD-Live 日本語字幕 英語字幕 | (1)英語 (DTS-HD Master Audio 5.1ch) (2)日本語 (DTS-HD Master Audio 5.1ch) | BRS-61426 | 4,980円 |
ターミネーター4 T-600リアルヘッドフィギュア付 Blu-ray BOX 限定3,000セット | 単品版と同じ | 単品版と同じ | BP-507 | 13,800円 | |
DVD | ターミネーター4 コレクターズ・エディション | 片面2層 約115分 シネスコ (スクイーズ) | (1)英語 (ドルビーデジタル5.1ch) (2)日本語 (ドルビーデジタル5.1ch) | TSDD-61426 | 3,990円 |
ターミネーター4 モト・ターミネーターフィギュア付 DVD-BOX 限定5,500セット | 単品版と同じ | 単品版と同じ | BP-509 | 6,980円 | |
ターミネーター4 クアドリロジーBOX(4枚組) 限定2万セット | 各単品版と同じ | 各単品版と同じ | BP-510 | 9,500円 | |
UMD | ターミネーター4 | 約115分 シネスコ | (1)英語 2.0ch | UMS-61426 | 3,990円 |
T-600リアルヘッドフィギュア付 Blu-ray BOX。透明フィルムからT-600がこちらを見ている |
開ける前にケースの裏側を見てみると、雑紙の見開きのように展開する構造になっており、そこにT-600を製造している場面が大きく印刷されている。まるで本物のターミネーター製造工場から、T-600の頭部が届けられたようなイメージで、遊び心溢れる憎いデザインだ。
ケースの裏側にはT-600の製造工場 | ケースの上部を開けたところ。BDのケースが見える | BDを取り出した。右にあるのが特製ブックレット「THE ART OF TERMINATOR SALVATION」(32ページ) |
ケースからフィギュアを取り出すと、金属製ではないのだが、金属感を表現した渋いトーンの塗装に感心する。頬や鼻、歯など、突起した部分の表面が、金属が削れたような鮮やかな銀色になっている反面、根元がくすんだ暗い色で塗装されており、立体感と重厚感を醸し出している。
細部にわたってディティールは細かく、顎の側面に組み込まれたパーツや、頭部を構成する細かなパーツの接合部描写など、近くで見ても大味な部分が無く、作り込まれていることがわかる。全体を見てみると、鼻から上は鋭い線で構成された金属的なイメージである一方、鼻から下は人間と同じ滑らかな曲線で構成され、歯の描写と合わせて有機的なデザインで構成されている。“機械でありながら人間の姿をしている”というターミネーターの特徴を、改めて確認できるだろう。
なお、置物として楽しむだけでなく、実用性も兼ね備えている。下部の黒いスタンドの背後にディスクケースが収納できるようになっているのだ。さらに、スタンド内部センサーが埋め込まれており、ケースの出し入れを感知すると、T-600の目に内蔵したLEDが30秒間赤く光るようになっている。鮮やかな赤色で、実際に光らせると迫力が倍増。暗いシアタールームに設置するなどして、ケースに「ターミネーター4」のBDを入れておけば、映画鑑賞前後の気分をより盛り上げてくれそうだ。
スタンドの背面にディスクケースが収納できる | ディスクケースを開いたところ |
出し入れを感知すると、目が光る!! | 目の部分のアップ。暗いシアタールームなどではインパクトも倍増しそうだ |
なお、以前紹介した「アイアンマン」や「スターシップ・トゥルーパーズ3」のパワードスーツなど、SPEでは日本独自の特典としてBD/DVDにフィギュアセットを用意する事が多い。SPE ホームエンタテインメント セールス・マーケティング本部 マーケティング部 ニューリリースグループの高島正英アシスタントマネージャーによれば、今回の「T-600リアルヘッドフィギュア」も日本のSPEから発案した企画だという。
しかし、魅力ある特典であったため、米国本社がワールドワイドでの発売を決定。イギリスやドイツ、オーストラリア、タイ、ギリシャなどでも発売される事になったという。「それでも日本の独自性を出したくて、目が光るようにしたんです」と笑顔の高島氏。SPEの特典フィギュアはいずれもファンに好評だが、こうしたフィギュアに対する“こだわり”や“熱意”がそれを支えているようだ。
なお、「ターミネーター4」を製作したハルシオンのキャラクターグッズの権利は、日本ではサン アール アンド ピーが保有しており、その会社の製品を多く手掛けるメーカーが、今回の「T-600リアルヘッドフィギュア」製作を担当したという。過去には、スターウォーズなどのグッズ製作を行なっている会社とのこと。
製作にあたっては、実際に映画で使われた頭部からのスキャニングなどではなく、頭部デザインのデジタルデータをベースとしながら型を作り、画像資料を見ながら細部を人の手で作り込んでいったという。
最終版が完成するまでの“遍歴”も見せていただいたが、試行錯誤の過程がわかって興味深い。試作1号と2号は金属的な質感を出す塗装と同時に、赤いサビや汚れの表現が多め。形状も最終版と異なり、「最初の試作品はT600とT700が混ざったような形状で、色々と修正していきました。塗装も明るめでしたが、トーンを落として金属感や重厚さを出すようにしていきました。細部は最終的にヤスリ掛けするなど、手作業で仕上げる部分も多く、こだわっているポイントです」(高島氏)。
■ モト・ターミネーターフィギュア
DVD-BOXに付属するフィギュアは、こちらも劇中に登場するバイク「モト・ターミネーター」を立体化したものだ。こちらは米国の発案で作られたもので、横幅は180mm。T600のフィギュアと同様に、スタンド部分にディスクが収納できるようになっている。
こちらも銃器やサスペンションなど、細かい部分まで作り込まれており、スタンドから外すとタイヤもキチンと回転する。しかし、日本のSPEでは、さらにこのフィギュアも独自仕様にカスタマイズ。ヘッドライトにLEDの光るギミックを追加し、天面のボタンを押すと5秒間光るようになっている。
モト・ターミネーターフィギュア | スタンド部にディスクケースが収納できる | 映画で使われたモト・ターミネーターは、ドゥカティの車両をベースにしているという |
天面のボタンを押すとヘッドライトが赤く光る | こちらも暗い場所でより存在感を発揮しそうだ |
AVファンは、映画のセルソフト購入時にBlu-ray版があれば、そちらを選択する事の方が確実に多くなっている事だろう。しかし、販売枚数の絶対数で言えば、市場のメインはまだまだDVDだ。
新作映画のビッグタイトルはほぼ全てBD版をラインナップしているSPEでも、その状況は同じだという。しかし、SPEの場合、フィギュア付などの豪華特別バージョンを、BD版にラインナップしているのが大きな特徴であり、「BDが欲しいけど、特典グッズはDVD版にしか付いていない」と頭を悩ませる事が多いAVファンにとっては、嬉しいメーカーの1つとなっている。
「絶対数で言えば確かにDVDの方がまだ多いです。しかし、メインのファン層がBDにだいぶシフトしてきていると感じており、フィギュアなどの特典グッズをBDに特化させています。パッケージ販売の際は、その作品をまだ観ていない人に届ける事は当然として、既に知っている人にも、手にとってもらいやすいものにしていきたいと考えています。そのためにも、こうしたフィギュアなどの特典は、今後も充実させたいですね」(高島氏)とのこと。“SPEから次にどんなBDが発売されるか”と同時に、“どんなフィギュアが登場するか”にも期待していきたい。
モト・ターミネーターのパッケージ |
(2009年 11月 17日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]