【IFA 2011】パナソニック、「VIERA Connect」の新戦略

-レンズ/3MOSを2基備えたAVCHD 3Dカムコーダも


「VIERA Connect」のデモ

 ドイツ・ベルリンで9月2日(現地時間)より行なわれる「IFA(国際コンシューマエレクトロニクス展) 2011」の開幕に先駆け、8月31日にパナソニックのプレスカンファレンスが行なわれた。

 テレビを核としたネットワークAV機器の「VIERA Connect」のクラウド型サービス展開についてデモを行なったほか、3D対応の新製品として2基のレンズと2個の3MOSセンサーを搭載したAVCHD 3D対応カムコーダ「HDC-Z10000」を発表。日本でも発表されたLUMIX「Xレンズ」も披露した。

 そのほか、太陽光発電パネルや燃料電池、リチウムイオン蓄電池といったホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)に関する製品や戦略を今後も強力に推進していく方針も提示。神奈川県藤沢市と協力して「スマートシティ」実現に取り組んでいることなども紹介した。



■ タブレット活用などの「VIERA Connect」をデモ

吉田守氏

 パナソニック AVCネットワークス社 上席副社長の吉田守氏は、現在のVIERAを支える2つのコンセプトとして「フルHD 3D」と「IPTV」を挙げる。

 「フルHD 3D」についてはプラズマの光効率を向上させる技術や、液晶のIPSαパネルにおける高輝度/省エネ技術などでEISA AWARDなどを受賞してきたことを説明。

 「IPTV」に関しては、「VIERA Connect」をクラウド型サービスとして展開する「Smart VIERA」の構想について紹介。「簡単な操作」、「ネットワーク機能」、「デザイン」、「エコ」、「高画質」という5つの要素を支える独自技術を活用し、「“テレビでネットを見る”だけではなく、家庭の中心的存在になる製品」の実現に意欲を示した。


VIERAを支える2つのコンセプト

 「VIERA Connect」の特徴の一つは、さまざまなアプリをダウンロードしてテレビの楽しみを広げることにあるが、その例としてテレビのゲームアプリでネットワーク対戦ができることや、Twitterなどのソーシャルメディアをテレビで利用する際に、放送画面を見ながら、iPadをキーボードとして文字入力できることをデモで紹介。テレビ同士、またはテレビと他の端末をネットワーク化することで広がるテレビの可能性をアピールした。


プラズマ、液晶の高画質化への取り組み新たなビジョンとして「Smart VIERA」を紹介「Smart VIERA」実現のカギを握る5つの要素
プラズマ、液晶の画面サイズによる棲み分けを廃し、液晶も大型化を推進VIERAのネット機能デモ。ゲームアプリをサーバーからダウンロード購入ゲームアプリを使って、他のVIERAユーザーとオンライン対戦も


■ AVCHD 3D対応の新カムコーダを発表


AVCHD 3D対応カムコーダ「HDC-Z10000」(中央)など、ビデオカメラ/デジタルカメラ製品

 同社初のAVCHD 3D対応カムコーダ「HDC-Z10000」は、イメージセンサーに有効657万画素の3MOSを2基搭載し、F1.5のレンズ2個を採用。

 「トリプルマニュアルリング」によるマニュアル操作も特徴。音声入力はXLR端子を備え、5.1chにも対応する。光学ズームは3D撮影が10倍、2D撮影時は12倍。「スマートズーム」により、画質劣化を抑えた23倍ズームも可能にしている。3Dで最短45cmまで寄ることができる3Dマクロ撮影機能も備える。

 LUMIX新製品では、無線LAN搭載の「DMC-FX90」や、高倍率ズームの「HMC-FZ150」を発表。さらに、3D動画/静止画対応のツインレンズ搭載コンパクト機を開発中ということも明らかにした。そのほか、日本でも発表したフォーサーズマウント用の電動ズーム搭載プレミアムモデル「Xシリーズ」2製品を発表。光学ズーム搭載で沈胴式レンズの「H-PS14042」と、45-175mmモデル「H-PS45175」を発表した。


「HDC-Z10000」の主な特徴LUMIX用「Xレンズ」の仕様無線LAN搭載LUMIXなども
ロンドン五輪の「ライブ3Dオリンピック放送」に向け、Olympic Broadcasting Services(OBS)とパートナーシップを締結したことも発表OBSのManolo Romero氏も3Dライブ放送実現に強い意欲を表した


(2011年 9月 1日)

[AV Watch編集部 中林暁]