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「非日常を身近に」。10万円のエプソン新フルHDプロジェクタ

画質向上+無線LANでスマホ対応強化の「EH-TW5350」

 エプソンは、3D対応の低価格フルHD液晶プロジェクタ「EH-TW5350」を8月27日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は104,980円。80型スクリーンをセットにした「EH-TW5350S」もあわせて発売し、店頭予想価格は109,980円。

EH-TW5350
EH-TW5350。TW5200との外観の違いはレンズ脇のサークル色がゴールドになったこと

 0.61型/1,920×1,080ドットの液晶パネルを搭載したホームシアタープロジェクタ「dreamio(ドリーミオ)」の中核モデル。2013年8月発売のヒット製品「EH-TW5200」の後継機で、明るさやコントラストを向上したほか、映像エンジンの改善により画質を向上。さらに無線LANも新搭載し、パソコンやスマートフォン/タブレットとの接続性を高めている。

 新設計の光学系を採用し、コントラスト比を35,000:1に向上(従来モデルは15,000:1)。輝度も2,200ルーメン(同2,000ルーメン)にアップしている。特にオートアイリスの改善によりコントラスト性能を高めたという。また、映像処理も改善し、ノイズリダクションやディテール強調、MPEGノイズリダクションなどに対応した。

 さらに、上位機EH-TW8200相当のフレーム補間機能を搭載し、よりなめらかな映像表現を実現。スクロールする字幕なども自然に表示できる。3D表示にも対応し、独自の「Bright 3D Drive 480Hz」により、明るくクロストークの少ない3D表示が可能。2D-3D変換機能も備えている。3Dメガネ「ELPGS03」は別売で、価格は10,500円。RF方式(Bluetooth)で遮蔽物の影響を排除し、安定した3D信号受信が行なえる。

 レンズは光学1.2倍ズーム(F1.58~F1.72)のマニュアルフォーカス/ズームで、100型の投射距離は2.7m。投写サイズは34~332型。スライド式のヨコ台形補正機能も装備し、スクリーンに対して斜め横からの投写も可能。最大30度までの斜め設置に対応する。

スライドバーで台形補正
3Dメガネ「ELPGS03」は別売

 リモコンだけでなく本体でも操作可能で、天板には[ホーム]ボタンを用意。ホームメニューを見ながら入力切替や設定変更などが行なえるようになり、現在の接続状況などの確認もしやすくなった。

ホームボタンを新搭載
ホームメニューから入力切替操作を容易に

 ランプは200WのUHE。入力端子はHDMI×2(MHLにも対応)、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1、コンポジット×1、アナログ音声×2(RCA×1)を装備。アナログ音声出力(ステレオミニ)を装備。USB端子も2系統備えており、USBメモリなども接続できる。

 5Wのスピーカーを内蔵。本体だけで映像も音声も楽しめるほか、Bluetoothを内蔵。EH-TW5350に入力された音声を、Bluetoothスピーカー/ヘッドフォンなどに出力できる。

EH-TW5350の背面

 無線LANを内蔵し、スマートフォンやタブレット、パソコンからのワイヤレス出力に対応。iOS/Androidアプリの「Epson iProjection」からの操作や動画出力、写真出力が行なえる。また、MiracastとIntel WiDiにも対応し、同規格対応のスマートフォンやパソコンの映像をワイヤレスで投写できる。HDMIとワイヤレス投写の2画面表示にも対応する。

Miracastを使って、タブレット映像をプロジェクタでワイヤレス再生

 また、QRコードをスマホやタブレットのiProjectionアプリから読み取るだけで、プロジェクタとスマホ等の連携設定が可能になる「iProjection QRコード読み取り接続」に対応する。

iProjection QRコード読み取り接続
リモコン

 消費電力は307W(待機時0.21W)。騒音レベルは27dB。外形寸法は297×245×114mm(幅×奥行×高さ)、重量は約3.1kg。リモコンや逆さ設置用ゴム足などが付属する。

 EH-TW5350S用のセットスクリーンは80型。設置時高さは最大1,831mm(床面から白面下端は可変で300mm~800mm)。重量は約3.3kg。

EH-TW5350Sのセットスクリーンは80型

「非日常を身近に」。10万+フルHD+3Dで市場拡大を

エプソン販売 鈴村取締役

 エプソン販売 取締役 販売推進本部長の鈴村文徳氏は、「非日常を楽しむ人が増えている」と切り出し、ホームシアター向けプロジェクタ市場の拡大傾向について説明。4Kテレビやハイレゾなどのブームもあり、「本当に価値のある商品をお求めになる人が増えている。家庭で非日常をというプロジェクタの体験の拡大もその延長線上にある」とする。

 日本のホーム向けプロジェクタ市場は、薄型テレビとの競合もあり、2007~2010年にかけて減少傾向だった。そのため、エプソンもビジネス向けを中心に展開していたが、2012年以降は一転して拡大傾向に転換したという。

2012年を境にホームシアタープロジェクタ「V字回復」
ユーザーに応じた提供価値

 この「V字回復」を担ったのが、今回発表のEH-TW5350の前世代モデル「EH-TW5200」で、10万円を切る価格と、画質、プロジェクタによる非日常体験のバランスが支持されたという。2015年度も富士キメラ総研の予測では4万台となっているが、エプソン調べでは「予測を上回る45,000万台ペースで推移している」とした。

 また、2015年に発売した4K対応で、レーザー光源を搭載した「EH-LS10000」も人気を集め、「想定を超える注文を受け、7月まではお客様をお待たせする状態になってしまった。しかし、高品位な製品を求める人が増えているとあらためて実感した」と述べ、上位モデルからエントリーモデルまでのエプソンホームシアタープロジェクタのラインアップの充実を強調。「EH-TW5350により、非日常体験をより身近にして欲しい」とアピールした。

エプソン ホームシアタープロジェクタラインアップ
エプソン販売 VP MD部長の蟹澤氏

 エプソン販売 VP MD部長の蟹澤啓明氏は、2014年度のホームシアタープロジェクタ市場シエアを71.9%と報告。「トップシェアメーカーとして、シェアの拡大よりもホームシアター市場の拡大に取り組む」と語り、体験型の展示やイベントなどで、プロジェクタの魅力を訴求していく方針を説明した。

 実際に、前モデルEH-TW5200S購入者では、初めてプロジェクタを購入した人が60%を占めており、新モデルでも引き続き初プロジェクタ層の獲得を狙っていくという。前モデルで支持を受けた「フルHD」、「3D」、「10万円」を維持しながら、TW5350では画質を向上。さらに、ユーザー調査で、スマートフォンの映像をプロジェクタで見る比率が高まっていることから、スマホ連携を強化している。今後1年間のホームシアタープロジェクタ販売目標は35,000台とした。

TW5200で「初めてのプロジェクタ」ユーザーを獲得
スマホ視聴の伸びにTW5350で対応

 なお、スクリーン付属の「EH-TW5300S」を、6,000円で4日間体験できるレンタルサービスも実施。前世代のTW5200Sではレンタル申込者の35%が実際に購入に至ったとのことで、同施策によりプロジェクタの魅力を訴求していく。レンタルサービス申込み後、製品を購入した人に対して、6,000円分のQUOカードをプレゼントする。

 また、東京の二子玉川ライズでの体験イベントも2015年10月30日~11月3日まで開催予定。詳細は10月頃にエプソンホームページで案内する。

(臼田勤哉)