Watch+

ソニー「FX5」はどんな人に向いている? CineAlta寄りな“ガチ”動画撮影カメラ

インプレスが発行するデジタル総合ニュースサービス 「Impress Watchシリーズ」の会員限定サービス「Watch+(ウォッチプラス)」の記事です。記事の全文は、こちらから登録してご覧ください。

FX5

ソニーから発表されたCinema Lineシリーズの新機種「FX5」。新型のXLRハンドル「XLR-H2」付きで900,900円と、価格からもわかるとおりガチなプロ機なのだが、予想を大幅に上回る注文が入り、配送まで時間がかかるというアナウンスが出ている。

「FX3」のような小型ボディで、高価格帯にも関わらず予約が殺到しているこの様子をみると、「FX3みたいに使えるのかな」と思ってしまう人も居るかもしれないが、この機種はどちらかというと「FX6」やCineAltaの「BURANO」「VENICE 2」寄りの機種だ。

FX5はどちらかというと左奥にいる「FX6」寄りな機種

FX3が2021年に登場して、小型で本格的な動画撮影ができるカメラとして話題になった。動画クリエイターのYouTubeにも登場するなど、業務機ながら一般層にも浸透。動画撮影ブームも重なり、初めてのカメラでいきなりFX3を手に取るという人まで。

だが、初のカメラがFX5というのは、初心者にはややハードルが高いかもしれない。その一方で、本気でCineAltaを使うような現場で働きたいと思っている人にとってはオススメのカメラだったりもする。どんな人に向いている機種なのか一度整理しよう。

内部RAW収録は対応というよりも“前提”。良いカメラだけど勢いで買うはNG

FX5の特徴をざっくりと挙げると

  • 有効最大約1,660万画素積層型Exmor RS CMOSセンサー+BIONZ XR2
  • 内部RAW収録対応(X-CON LT/C1/C2)
  • 5K 3:2 オープンゲート撮影対応(発売時点でRAW収録のみ)
  • スリー・ベースISO(800/4000/12800)
  • デュアルゲイン撮影(ISO 800固定)
  • CineAltaシリーズと同じメニュー画面
  • 3.5型16:9のタッチパネル液晶モニター(4軸マルチアングル)
  • オプションに着脱式ファインダーやUSB-Cタイムコードケーブルを用意
  • 静止画撮影非対応

動画撮影現場においては、例えばWeb CM撮影でも様々なフォーマットに対応するために、オープンゲートで8K撮影して、一般的な16:9や、SNS向けに縦位置の動画も、同じ撮影素材から切り出すという運用が増えてきており、その需要にあった動画機も登場しているが、今回のFX5のターゲットはそこの層でもない様子。

そもそも発売時点でオープンゲート撮影がRAW収録のみ対応。動画撮影を趣味ではなく、仕事で扱う層の中でも、映像のクオリティを担保する必要がある層に向けたような設計だ。内部RAW収録はCFexpress Type A VPG400以上のメモリーカードが必須なので、高価なカードも必要になる。

画素数も有効最大1,660万画素に抑えて、高感度撮影を意識している。基本的に撮影する構図がしっかりと決まった場所で、暗部までを綺麗に収めるような撮影を重視しているとのことだ。

これまでFX3が使われてきたシーンの中でも、CineAltaシリーズのサブカメラとしての役割や、FX3を使いこなして、CineAitaシリーズのカメラの性能方面に興味を持っているような人達にとって嬉しい内容のカメラというのが、ざっくりとしたこのカメラの立ち位置のようだ。

そして、CineAltaシリーズを使う現場に憧れを持っているクリエイターにオススメの部分は、メニュー画面もCineAltaシリーズと同じ構成、同じ画面になっていることだ。FX5を使いこなすと、BURANOやVENICE 2の基本的な設定がそのままできるようになる。

BIG6と呼ばれるHOME画面も
FX3、FX2とは違い、ほかの画面も全部CineAlta系統の設定画面

CineAltaシリーズを使った撮影現場のサポートに入るという機会のきっかけになったり、自分でCineAltaシリーズを借りて使うというハードルもこれまでより下げることができる。

こんなカメラを待っていた!! という人達には非常に良いカメラではあるが、「ちょっと興味がある」という人達は、一度本当に身の丈に合っているかをしっかり考えてから購入を検討してほしい一台だ。

野澤佳悟