NTTデータなど5社、地上波デジタル放送の公開実験を実施
―携帯電話を使ったクイズ番組やドラマの同時配信など


3月1日公開



 株式会社博報堂株式会社東京放送(TBS)北海道放送株式会社株式会社NTTデータ株式会社NTTドコモの5社は3月1日、地上波デジタル放送の公開実験を行なった。場所は東京の田町グランパークタワーと札幌のNTTドコモ北海道ビルの2地点間。なお、本放送開始については未定となっている。

 東京会場では、東京タワーからの放送波を受信し、視聴者に合わせたCM(データ放送)の差し替え、携帯電話を使用した視聴者参加型クイズ番組、ドラマの地上波と携帯電話への同時配信を行なった。視聴者側からの送信にはNTTデータのDoPa網が使用された。

 CMの差し替えは、視聴者ごとの地域、嗜好などのプロフィールに合わせてデータ放送の内容を変化させる技術。視聴者それぞれのプロフィールをセンターサーバーに登録し、視聴者に合わせた広告を配信できるというもの。地域性の強い地上波デジタル放送ならではの試みであり、さらに携帯電話などの通信系と組み合わせることで、ダイレクトなコミュニケーションができるとしている。会場では車と化粧品を例に実験を行なった。

携帯電話を介したCMの概念図 広告のアンケート部分

 プロフィールは、あらかじめ登録しておく方法とCM中にアンケートで取得する方法とが考えられており、CM中に取得した場合は次回のCMから反映されるという。回を重ねるごとに視聴者の嗜好が割り出され、アプローチがきめ細かくなっていく。アンケートなどのインタラクティブ機能を映像と連動させず、STB(セットトップボックス)の蓄積機能を使ってCM放送後にアンケートに答えられる「ビジョンマーク」機能も紹介された。

 携帯電話を利用した視聴者参加型番組の実験では、「すしKING」という実験用のクイズ番組を使用した。リモコンではなく携帯電話を使うことで、家族全員が参加できるといったメリットがある。東京会場では来場者が持参のiモード携帯電話を使って参加。多少のタイムラグはあったものの、ほぼリアルタイムで回答結果が集計されていた。

番組中に問題が出題 答えるとTVに名前がでる

 最後に、地上波デジタル放送と携帯端末への同時配信デモが行なわれた。ソースは本実験用に作られたドラマ。携帯端末側へはMPEG-4にエンコードされたものが送られる。今回はパソコンでエンコードを行ない、モックアップに内蔵された画面で表示を行なった。MPEG-4映像のビットレートは映像384kbps、音声48kbps。地上波デジタル放送の1チャンネル(13セグメント)のうち、1セグメントだけを受信する「部分受信」を用いている。地上波に比べて遅れがちだったが、ほぼ同じタイミングで無事受信していた。

ドラマにでてきたメールを携帯
で受け取り、内容を確認できる
実験に使われたモックアップ。
モニタのみ稼働していた

※写真はすべて東京会場で撮影

□博報堂のホームページ
http://www.hakuhodo.co.jp/
□東京放送(TBS)のホームページ
http://www.tbs.co.jp/
□北海道放送(HBC)のホームページ
http://hbc.co.jp/
□NTTデータのホームページ
http://www.nttdata.co.jp/
□NTTドコモのホームページ
http://www.nttdocomo.co.jp/
□ニュースリリース(NTTデータ)
http://www.nttdata.co.jp/profile/release/130216.html

(2001年3月1日)

[orimoto@impress.co.jp]

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