国内で初めて、動くDVD+RWレコーダとPC用ドライブをデモ ―リコー製PC用ドライブは第3四半期発売予定

　国内では初となる「DVD+RWプレスセッション」が3月5日、都内のホテルで開催された。このセッションはDVD+RWを推進する株式会社リコー、ソニー株式会社、ヤマハ株式会社、三菱化学株式会社、米Hewlett-Packard、オランダのPhilips、フランスのThomson multimediaの7社(7C)共同で行なったもの。

　セッションで行なわれたDVD+RWについての説明内容は、今までどおりで特にアップデートはなかった。レーザー波長が650nm、容量が片面1層で4.7GB、トラックピッチが0.74μmであることなど、物理層の仕様がDVD-ROMとほぼ同じであると解説。既存のDVDプレーヤー、DVD-ROMドライブでDVD+RWを読み込めることを強調した。

　しかし、具体的な互換性については「ある理由があって何%という数字は公開できない。既存のプレーヤー/ドライブの大部分が対応しているとまでしかいえない」とし、加えて「公開できない理由も公開できない」と述べた。

　また、「DVD+RWは、物理フォーマットがDVD-RWやDVD-RAMレコーダに採用されているビデオレコーディング規格にピッタリと当てはまる。DVD-RWと比較してランダム記録にも適している。DVDレコーダ、PC、プレーヤーと、互換性が三方向である」とも強調した。

　なお、今回のカンファレンスでは、具体的なスケジュールなどは明らかにされなかった。さらに、質疑応答でも各社が発売するであろう個別の製品については、「また、別の機会に」として、質問すら受け付けなかった。

　DVD+RWは、今まで海外では「International CES」などで、カンファレンスや、参考展示などが行われている。特に、今年のInternational CESでは、PhilipsのDVD+RWレコーダ「DVDR1000」(9月発売、2,200ドル)が正式発表された。しかし、今まで国内では、展示会にソニーなどがモックアップを展示したのみで、あまり国内向けにPRを行なわれたことがなかった。今回のカンファレンスの主目的は、最新情報や、国内でのロードマップを公開するというものではなく、「国内でもDVD+RWに積極的に取り組む」という意思表明のようだ。

　このようにカンファレンス内容自体は特に目新しいことはなかったが、今回の注目は実機を使ったデモンストレーションが行われたことだ。ステージ左右を「ビジネス」と「リビング」というシーンに分けてデモンストレーションされた。

　左サイドの「ビジネスシーン」ではリコーのDVD+RW対応PC用ドライブで、オーサリング、書き込みを行ない、既存のDVD-ROMドライブを使用して、ソフトウェアDVDプレーヤーで再生してみせた。右サイドの「リビングシーン」では、Philips「DVDR1000」でDVカメラの画像を録画。すぐに、通常のDVDプレーヤーで再生を行ない、既存のDVDプレーヤーとの互換性の高さを証明した。

　そして、デモンストレーションの最後に、PCで書き込んだDVD+RWディスクと、レコーダで録画したDVD+RWディスクを交換。PCと、AVを双方向に行ききできることを説明した。

　今回デモンストレーションされたPC用ドライブは、リコー製のCD-RW/DVD+RW対応「スーパーコンボドライブ」。こちらの製品は国内でも第3四半期に販売を開始したいという。ちなみに、Philips「DVDR1000」については、現在のところ日本での発売予定はないとしている。

　なお、一部雑誌で「PC-RW」に改名したとの報道があったが、このことについては「まったくの誤報で、今までどおり『DVD+RW』という名称でやっていく」と述べた。

リコーのスーパーコンボドライブ	DVD＋RWメディア

Philips「DVDR1000」	既発売の松下などのDVDプレーヤーでも再生できることを示した

(2001年3月5日)

[furukawa@impress.co.jp]