400nmという短波長レーザーを使用する次世代DVDディスクの場合、分解能をかせぐため2枚のレンズが必要とされていた。これを1枚のまま高分解能したのが新開発のレンズ。1枚にしたことで、レンズとディスクとの間隔(WD=Working Distance)を最大で0.7mmかせぐことができ、衝突防止のほか、ディスク厚の増加を可能にする。また、レンズ枚数の低減による部品コストと調整コストの削減も見込める。
レンズの仕様は、直径4mm、重量は93mg。405nmの波長に対応し、NA(Numerical Apeeture=開口数)は0.85と、現在、次世代DVDに求められている仕様に合致している。素材については非公開だが、「高屈折率の中では最も低分散なガラスを使用した」(旭光学)という。 また、同レンズは分解能をかせぐため、通常の光ピックアップ用レンズよりも上部が盛り上がった形状をしている。この特殊な形状を実現するため、旭光学では新たな成型法を開発。金型の上部と下部の精度を向上させることで、成型時のレンズの厚さ、傾き、軸ずれといった各収差の誤差を低減したとしている。
日立は「光スポット歪み自動補正技術」を開発した。これはディスク保護層の厚さの個体差を感知し、歪み検出器によりレンズの焦点を補正するというもの。適性基板厚を100μmとすると、±12μmまでの範囲を補正できる。これにより、「2層化やそれ以上の多層化にも対応する」としている。また、基板厚ごとのずれの許容範囲が広がるため、ディスクの低価格化や装置の信頼性向上につながる。 なお、今回発表された補正技術は縦方向のみのものだが、日立では「将来的には一体化した形で、他方向のずれにも対応していきたい」としている。 また、新開発のレンズと自動補正技術は必ずしも組み合わせる必要はなく、「DVR-Blueの実用化の際、他社へのレンズ供給はありえるのか」という質問に対し、旭光学研究開発センター所長の小川良太氏は「自社独自での販売もなりたつ。(日立以外の)他社を含め広く対応していきたい」と回答した。 なお、レンズを1枚にすることでモバイル機器への流用が容易になるため、旭光学では現在3mm径のレンズを開発中という。
□旭光学のホームページ (2001年10月11日) [orimoto@impress.co.jp] |
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