同システムはNTT未来ねっと研究所で開発されたもの。これを、NTT武蔵野R&Dセンタ(東京都武蔵野市)と、約20km離れた電気通信大学(東京都調布市)の大学院情報システム学研究科に設置して、両者間で2.4Gbpsの実験光回線を用い、インターネット上でHDTV映像のIP転送を実行。安定した転送を確認したという。市販PCを用いて非圧縮ハイビジョン映像の長距離IP転送に成功したのは世界初としている。 開発されたシステムは、Pentium III 1GHzを2個搭載したPC本体と、非圧縮HDTVインタフェースカードともに市販品を使用。OSはLinux 2.4.2を採用し、通信インターフェイスは同研究所で開発された2.4Gbpsインターフェイスカードをチューニングして搭載している。 発表会では、同システムを搭載したPCを、送出側、受信側の2台を用意し、非圧縮のHD映像の伝送をデモ。送出側PCがHD信号をHDインターフェイスで受信し、PCでデータ分割/IPパケット化したデータを、2.4Gbpsインターフェイスで送出。同社の開発したネットワークプロトコル「MAPOS」スイッチャを中継し、受信側PC上でIPパケットからデータを再構築したHD映像を受信した。フレーム落ち、ブロック化などの現象は見受けられなかった。
1.5Gbpsの処理能力は、BSデジタル放送のHD放送(22Mbps)で70ストリーム、DVD品質(5~10Mbps)で150~300ストリームの伝送が可能。HD映像を伝送する将来のネットワーク映像配信では、ネットワーク上にキャッシュサーバーやミラーサーバーを設置して負荷を分散化し、高速な配信を可能とするコンテンツ配信用ネットワーク(CDN)の設置が予想される。そこに、市販PCを使ったシステムを用いることで、低コストにネットワークを構築できるという。また、「非圧縮HDTV映像データ以外にもさまざまなデータを混在して転送できる」としている。
□NTTのホームページ (2001年10月26日) [fujiwa-y@impress.co.jp] |
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