ヤマハ、96kHz/24bit対応のデジタルコンソール
―サラウンド音声制作向けの機能も搭載


DM2000(左上の液晶モニタは付属しない)
12月10日より順次発売

標準価格:「DM2000」220万円
     「MS300」83,000円(1本)
     「SW500」11万円(1本)

連絡先:プロオーディオインフォメーションセンター
    Tel.03-5791-7678



 ヤマハ株式会社は、96kHz/24bitに対応した業務用デジタルプロダクションコンソール「DM2000」を2002年2月から発売する。価格は、メーターブリッジとサイドウッドパネルを装備した状態で220万円となっている。

 また、PA用のアクティブ2Way2スピーカーシステム「MS300」とアクティブサブウーファ「SW500」も同時に発表された。発売日は「MS300」が12月10日、「SW500」が2002年1月10日で、価格はそれぞれ83,000円、110,000円となっている。

■ DM2000

 同社の「02R」の上位機種に当たる96ch入力/24バスのデジタルコンソール。同社製のカスタムLSI「DSP7」を採用することで、内部処理を32bitに高速化、すべての機能で96kHz/24bitでの処理を可能にしている。さらに、24bit AD/DAコンバータをすべてのアナログ入出力に搭載。入力可能なサンプリング周波数は44.1/48/88.2/96kHz、出力は44.1~96kHzに対応する。96kHz時の周波数特性は20Hz~40kHzとなっている。

 製品にはWindows/Macintoshハイブリッド版の専用ソフト「Studio Manager」が付属する。DM2000のTO HOST端子(USB、シリアル併装)とパソコンを接続し、コンソールの操作やモニタ、各種パラメータのエディットが行なえる。パラメータはパソコンのHDDに保存でき、LAN環境などでデータを共有できる。

 また、DAW(Digital Audio Workstation)システムや他のデジタルレコーダを操作する専用の外部操作セクションをパネル上に設置。DAWとの連携時には、レコーダのコントロールに加え、ミキサー部のフィジカルコントローラとして動作する。加えて、DigiDesignの「ProTools」については、コントロール機能をライブラリとして内蔵。さらに、Steinbergの「NUENDO」にも近日対応するとしている。

操作卓。手前がデータエントリーに使う24本のフェーダ群 付属の「Studio Manager」。操作やパラメータのセーブ/ロードが可能 「SELECTED CHANNEL」セクション。中段右はサラウンド用のジョイスティック

 DM2000の開発では、サラウンド音声の制作にも重点をおいたという。「5.1リバーブ」や「5.1モジュレーション」などを新エフェクトとして追加し、「5.1→3.1 Down Mix」や「5.1→STEREO Down Mix」も行なえる。さらに、レコーダ送りとは関係なく、これらのダウンミックス音声を、瞬時にモニタ可能。

 また、卓上にジョイスティックを装備し、サラウンドパンニングなどを感覚的にコントロールすることが可能となった。チャンネルごとのハードセンターとファントムセンターの比率をコントロールする「Divergence」の制御も行なえる。加えて、Bass Manegement、スピーカー個別のレベル調整、ディレイ設定も可能で、「様々なスタジオ環境に合わせ、サラウンド作品のモニタが行なえる」としている。

 卓上のフェーダには、256ステップの100mmタッチセンス付きを採用。外形寸法は、メーターパネル、サイドバネル込みで968×883×371mm(幅×奥行き×高さ)となっている。

 なお、背面のインターフェイススロットに搭載する専用拡張カードも発売される。デジタルI/Oカードとしては、AES/EBUに対応した「MY8-AE96」(45,000円)、MY8-AE96Sに入力用サンプリングレートコンバータを追加した「MY8AE96S」(6万円)、mLANインターフェイスカード「MY8-mLAN」(58,000円)をラインナップ。

 さらに、アナログ→デジタル変換用の「MY8-AD96」(45,000円)と「MY-8AD24」(28,000円)、デジタル→アナログ変換用の「MY8-DA96」(4万円)も発売される。また、すでに発表済みのWaves製DSPカード「Y56K」についても96kHz動作での対応が表明された。

■ MS300/SW500

 MS300は、同社のPAアクティブスピーカー「MS400」を小型軽量化したバスレフ型スピーカー。ユニットには12インチコーン型(LF)×1と2インチチタンダイヤフラムドライバ(HF)を採用し、HFにはホーンが付く。

 キャビネットは、MS400と同じポリプロポレン樹脂成型。キャリングハンドルも装備している。内蔵アンプはLF用が225W、HF用が85W。入力端子はLINEとMICをXLR端子で搭載する。外形寸法は406×348.5×637mm(幅×奥行き×高さ)、重量は23.7kg。

 SW500は、500Wアンプを内蔵したPA向けアクティブサブウーファ。ウーファユニットは15インチ径を採用し、再生周波数帯域は40~120Hz。リアパネルにTHRU OUTやHIGH PASS OUTなどを搭載する。外形寸法は480×590×619mm(幅×奥行き×高さ)、重量は37kg。

MS300 SW500

□ヤマハのホームページ
http://www.yamaha.co.jp/
□DM2000のニュースリリース
http://www.yamaha.co.jp/news/01111201.html
□DM2000のニュースリリース
http://www.yamaha.co.jp/news/01111201.html
□MS300、SW500のニュースリリース
http://www.yamaha.co.jp/news/01111202.html

(2001年11月12日)

[orimoto@impress.co.jp]

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