「AD1954」は、2chおよび2.1chの出力を行なう48kHz/24bitDAコンバータと、DSPを一体化した製品。利点として同社は「システム構築の容易さ、コスト効率の良さ」などを挙げている。ミニコンポやデジタルテレビ、カーオーディオ用途を想定し、今後展開するという「SigmaDSPファミリー」の第1弾として位置付けられている。44ピンMQFP、または48ピンTQFPで供給される。 DAコンバータを3個内蔵し(L/R/サブウーファ)、SN比は112dBを実現。「一体型としては初めてのクオリティ」(デジタルオーディオ製品プロダクトマネージャ Thomas Irrang氏)としている。 DSPコアには、48bitアキュムレータ付きの26×22乗算累積エンジンを採用。内部クロックは25MHzだが、ハードウェアアクセラレータにより、汎用DSP並みの50MHzに相当するという。また、デジタルフィルタもアクセラレータを使用し、48bitで処理される。
また、プログラマブルではないものの、ほぼすべてのパラメータ設定が可能。設定はWindowsベースのGUIを搭載する専用アプリケーションで行なう。市販のシーケンサソフトと同じような操作性のため、同社では「これまでDSP設計を行なわなかったアナログ技術者を、デジタルの世界へ誘導する」と説明している。 付加機能としては、7バンドの48bitステレオEQ、ディレイ、PHAT Stereo(空間強調)、小型スピーカー向けのバス・ブーストなどを搭載。また、アンプのクリップ時のアルゴリズムや、ダイナミックレンジ圧縮に注力し、「実際の生活の中で使用できるオーディオデバイスになった」という。
なお発表会では、DTS 96/24のデコーダチップ「Melody DTS 96/24」の紹介も行なわれた。同社のSHARCをベースにしたもので、DTS 96/24のほか、DTS-ESディスクリート6.1chのデコードも可能。評価ボードでの提供も行なわれており、評価ボードの価格は1,250ドル。 発表済みの製品としては、株式会社デノンの「AVC-A11SR」と「AVC-4802」(海外モデル、リンク先はPDF)、パイオニア株式会社の「VSA-AX10」、「VSA-AX8」に採用されている。
DTS 96/24は、DVDオーディオディスクのビデオ領域にエンコード信号を書き込むことで、DVDビデオプレーヤーでもDVDオーディオ並みの96kHz/24bitのオーディオ再生を可能にするフォーマット。デコーダ非搭載機の場合は48kHzで再生される。
□Analog Devicesのホームページ(英文) (2001年11月27日) [orimoto@impress.co.jp] |
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