標準価格:オープンプライス
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新型CLIEは、厚さ約9.9mm(PEG-T400)/約12.5mm(PEG-T600C)のスリムなアルミボディに、400Tは320×320ドットのモノクロ液晶、T600Cは65,536色対応のカラー液晶を搭載する。そんな、魅力的なハードウェアをもつ新型CLIEだが、AV Watch的にも見逃すことのできない新機能が搭載されている。 それが、CLIEをAVリモコンとしても使用できる「CLIE Remote Commander」という機能だ。そこで、今回はT600Cを実際に購入して、AVリモコンとしてどこまで使用できるのか検証してみた。
■リモコン専用赤外線LEDを搭載 カラー液晶を搭載したリモコンとしては、学習リモコンの最高峰(?)ともいえるPhilipsの「Pronto Pro」がある。しかし、Pronto Proは、日本では発売されておらず、価格も999ドルとかなり高い。実売4万円を切っているT600CがPronto Proと同等に使えるのであれば、それだけでもかなりお買い得といえる。 今までも、Palm OS用として「リモコンコン(Palm Remote) for Palm OS」というシェアウェアが公開されており、Palm端末を学習リモコンとして使うこともできた。ただ、Palm端末の赤外線ポートは、端末同士や、パソコンの赤外線ポートとの“通信”に使うことが目的のため、到達距離が短い上に、有効角度も狭く、リモコンとして使うのに問題があった。 しかし、PEG-T400とPEG-T600Cでは、従来の赤外線通信用の赤外線LEDに加え、新たにAVリモコン専用の赤外線LEDも搭載した。これにより、普通のAV機器用リモコン並みの到達距離を実現している。 デジタルカメラで撮影してみると(普通のデジタルカメラでも、ある程度赤外線に反応する)、かなり光量に差があることが確認できた。なお、AVリモコン専用赤外線LEDから照射する信号は、赤外線リモコンの規格「SIRCS」(Serial Infrared Remote Control System)に準拠している。
■学習機能はなし、プリセットのみ では、実際に「CLIE Remote Commander」を使ってみよう。まず、CLIE Remote Commanderは、標準ではインストールされていないので、付属のCD-ROMからインストールする必要がある。 インストール後、現われる「CLIE RMC」アイコンをタップして起動、設定を行なっていく。しかし、設定といっても、ほとんどカスタマイズすることができない。まず、操作できる機器の種類(カテゴリ)は、「TV」、「VTR」、「DVD」、「AVアンプ」の4種類のみ。
それぞれの機器に、プリセットされているメーカーを割り当てるだけで、基本的な設定が終了する。なお、対応している機器は、同社の「CLIE Remote Commander リモコン対応メーカー一覧」で公開されている。 これらの機器は、複数登録することができ、その中の4つを操作画面上部の「クイック起動ボタン」(A/B/C/D)に割り当てることが可能。そこをタップすれば、直接その機器の操作画面に切り替わる。それ以外の機器については、「リモコン選択画面」を呼び出して、そこから選ぶので、切り替えが少し面倒になる。 また、登録の名前は自由に変更でき、例えば「自室のTV」、「リビングのTV」といったいように登録しておけば、わかりやすい。
また、CLIE Remote Commanderの最大の特徴として、ジョグダイヤルや、ボタンに操作が割り当てる機能がある。割り当てができるのは、ジョグダイヤル(アップ/ダウン、プッシュ)、アップ/ダウン、ボタン1~4。 例えば、ジョグダイヤルにチャンネルのアップ/ダウンと、ジョグダイヤルのプッシュに入力切替え、アップ/ダウンに音量、ボタン1~4に各機器の電源といった、使い方が可能。 ただ、残念なことに、この割り当ては1種類のみしかできない。つまり、ジョグダイヤルにTVの音量を割り当てると、操作画面をAVアンプにしても、ジョグダイヤルではTVの音量を操作することになる。
できれば、各操作画面ごとにキーアサインも切り替えられると、さらに便利になるだろう。
■実際の使い心地 さて、新たに搭載されたリモコン専用LEDの実力はどうだろうか? 実際に測定してみると、7m26cmまで操作が可能だった。少し指向性が高いように感じたが、なれれば普通のAV機器のリモコンとして使用できるレベルだ。試しに、リモコンコンをインストールして計測してみると1m8cmしか届かなかったので、その差はかなり大きい。 T600Cの液晶は、バックライト方式半透過型TFT液晶。プロジェクタなどを使用している部屋だと、自照式のリモコンでないとほとんど使いものにならないが、T600Cは暗いところでも、明るい所でも視認性には問題ない。 また、バッテリの持続時間のカタログスペックは、通常使用時約12日間となっている。しかし、これは、1日30分使用時の値なので、連続で計算すると6時間ということになる。バックライト点灯しての実際の使用時間はもっと短くなるが、付属のクレードルに置いておけば充電されるので、「使ったらクレードルに戻す」を習慣づければ、それほど不安はないだろう。 実際に使ってみると、画面のカスタマイズ機能や、学習機能もなく「Pronto Pro」とは全く違うコンセプトであることが理解できた。また、用意されている各機器の操作ボタンも少ない。特にAVアンプは、電源、入力切替え、音量、ミュートしか操作できず、サラウンドモードも変更できない。 この機能で十分かどうかは、使い方によって変わるだろうが、個人的には力不足だと思う。ただ、専用LEDを搭載したことで、到達距離が短いというハードウェア的な問題が解決されたことは確か。今後、「CLIE Remote Commander」がバージョンアップする可能性もある。 また、リモコン専用LEDのSDKが公開されれば、「リモコンコン」など他のリモコンソフトも対応する可能性が高い。そういった意味では、将来的には、「最強の学習AVリモコン」となるかもしれない。 それは多分、ソニーが目指している製品コンセプトはまったく違うのだろうが……。
□ソニーのホームページ (2001年12月27日)
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